順境を耐える
昨日、NHKで放送中の人間講座をたまたま見ました。水曜日の担当は、将棋の棋士、米長邦雄さんです。私は将棋が大好きなんですが、特に米長さんのファンで、サインが部屋に飾ってあります。残念ながら、今は現役を引退されています。この人間講座のなかで、米長さんが実に興味深い話をされました。
米長さんは、将棋の棋士ですが、現役中、本業の他に「株」も随分やったようです。「株」に関する著書もあります。別に株をやるくらいのことはいいと思うのですが、その株をやめたエピソードを語っておられました(今もやめておられるかどうかはわかりませんが)。時はバブルの絶頂期、米長さんも相当に株で儲かったようです。一晩で、将棋の対局料(棋士のお給料)の何倍ものお金が儲かったようです。そこで、普通ならそのまま株にはまっていくはずですが、米長さんは、「これはおかしい」と感じたといいます。それは、そんなに儲かること自体がおかしいとも感じたでしょうし、勝負師として本業の将棋に対する気持ちに対してもおかしいと感じたのでしょう。そこで米長さんは無理に借金して家を買い、株にお金を使えないようにしてしまいました。そして、カーライルという人の言葉を引用されています。
逆境に耐え得る人間は数多くいよう。されど順境に耐え得る人間は何人いようか。(注:10/22 正確なのに書き換えました)久しぶりにしびれる言葉に出会いました。まさに自分に追い風が吹き、やることなすことうまくいってるときに、「うむ?なんかおかしい・・」と考えられる人っているんでしょうか。まさに、バブル時代ってそういう時代でしょう。銀行やら、大蔵省やらの日本の天才たちの頭脳をもってしても、この順境には耐えられず、ジュリアナ東京で踊りまくってしまいました。もしかすると、バブル後の「失われた10年」というのは、現実に戻ろうともせず、順境という幻想の中で踊り続けていた時代だったのかもしれません。しかし、実際幻想を持ち続けたのは、政治家や官僚や銀行であり、いち早く現実に引き戻された一般庶民とのギャップが更なる大不況を生んだとも考えられます。
「経済」なんて、天才ですら踊らされる、いわゆる正解の無い世界かもしれません。そんな中で、週刊!木村剛にて フィナンシャルジャパン本日創刊します!ということで、FJ創刊が宣言されました。ぜひ、木村剛一ファンとして、FJの成功をお祈りします。世の中の玉石混合の情報の中から、本物の玉情報の提供ということですが、順境の中で踊っている人への真の玉情報は、つまらなく世間受けしないものになるかもしれません。しかし、ぜひともただ順境の流れに漂っているだけの情報誌にはならないで欲しいと願っています(社会主義経済である「医療」という世界で生きている経済素人の私が、とやかく言うのは変な話ですね・・・ごめんなさい)。私も人生をもう一度見つめなおし、常に今の自分を見つめることができる人間になりたいと思うのでした。
人気blogランキングに登録しています。ぜひ清きクリックを!
↑↑クリック!
| 固定リンク
コメント