無駄論的算数はむずかしい~
数学の問題といえば、私も出題しております。ということで、以下の記事を週刊!木村剛 :今日は数学の問題を出します!に、超おそだしトラックバックさせていただきました。(以上2月12日追加分)
今回は、無駄論的算数のお勉強です。数字アレルギーのハクション大魔王のような方も、このページを開けてしまった以上、最期までお付き合いください(強制)。私個人は数学大好き人間で、大学時代に公式を作ってしまったほどですが(無駄論(序章))、テストの点はたいしたことありませんでした・・・。さて、私の甥っ子、姪っ子達が小学校に通う年頃になりましたが、その親であるところの私の姉が、この子らの算数教育に四苦八苦しているというお話です。
「10円玉が10個あるといくらでしょう?」いきなり、難しい問題です(笑)。さすがにハクション大魔王のような方でも、この問題には「100円!」と即答できるでしょう。でも、これが子らにはこの「10円玉が10個で100円」という理屈がなかなか理解しがたいもののようです。それは、姉の10円玉を使った教え方を聞けばよくわかります。
「こうでしょ。10円、20円、30円、40円、50円、60円、70円、80円、90円、100円、ほら100円でしょ、何がわからないの?」うむむむむ、確かにこれ以上の教え方はありません。10円が10個で100円というのは、いかにも10を10回たすという、算数らしい計算をしているようですが、実は、これ、暗記の問題なんです。ハクション大魔王でも即答できるのは、この問題に慣れているからに他なりません。つまりどんなに難しいクイズでも、一度答えを知ってしまえば簡単に答えられるのと同じ原理です。上の、10円、20円、・・・っていうのをもう一度眺めてください。90円の後はなんで100円(突然数字が3桁になる)なんでしょう。$0円(ドルじゅうえん)でもいいじゃないですか。そして、その次が#0円(シャープじゅうえん)でもいいはずです。要するにこれは理屈でなく、9の次は10と覚えるしかないわけです。だから、子らが最初理解できないのも不思議じゃないと思うんですよね。こんなことぐらいは直ぐ慣れちゃうことですし、慣れればいい問題なんです。しかしながら、「また、彰の介が変な屁理屈をこねとるぞ、10円が10個で100円なんて当たり前じゃないか?、そんなこともわからない子は相当に頭が悪いに違いない」とおっしゃる方に、問題を1つ用意してみました。上の問題のように、我々の普段の生活の中では主に10進法という表記法が使われています。つまり0~9までの10個の数字を用いて、9の次は10へ位が上がるという表記法です。では、2進法をご存知でしょうか。コンピューターなんかで使われている、0と1しかない世界です。1の次は位が上がって10になるわけです。10進法でいうところの0~10を2進法で表してみると、0、1、10、11、100、101、110、111、1000、1001、
1010、ということになります。さてそれでは問題です。即答してみてください。
この2進法の世界で、「10円玉が10個あったらいくらでしょう?」・・・・、どうでしょう、即答できたでしょうか。正解はCMの後で・・・じゃなくて、この記事の最後に。
話題変わって・・、子らにとって時間の問題も難しいらしいです。上の、10円玉問題が解決したうえで、次に「1時間20分は何十分?」と聞かれると、「120分」と答えてしまうらしいのです。逆も同じで、
120分は1時間20分と答えてしまうようです。これはある意味当たり前です。一方で10円玉10個で100円と教えているのですから、1時間20分は120分というのはむしろ理屈に合っています。ところが子らも、1時間が60分であることを知っているんですね。それを踏まえた上で「2時間は何分?」と聞けば「120分」と答えます。ところが引き続き「120分は何時間何分?」と聞くと、やっぱり「1時間20分」と答えてしまうんですね。算数を教えるって事は本当に難しいですね。一度固まってしまった概念からはなかなか抜け出せないようです。これも慣れるしかないのでしょうか。
さて、先ほどの、2進法の世界で、「10円玉が10個あったらいくらでしょう?」の答えはいかがでしょう。即答できなかった方がほとんどではないでしょうか。それどころか、全然わからない方、あるいは問題の意味すらわからない?方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。子供たちの身になってください。大人の感覚で当たり前!と押し付けるのもいいですが、実は当たり前じゃないんですね。それでは、私の姉流に答えをお教えしましょう。
「こうでしょ、10円、100円、ほら100円でしょ、何がわからないの?・・・・」姉流でわかる方は、本物の天才です。いや~、算数ってむずかしい~!!
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コメント
まじめに答えてみる(笑)
1010円または1100100円ですね。
前者は10円を1とした場合、後者は1円を1とした場合です。
まあなんていうか、こんなのは分からなくていいです(笑)
投稿: ふぁんた | 2004/12/05 13:30
ふぁんた様、コメントありがとうございます。
でも、答えは上の本文に「100円」って書いたじゃないですか・・・。「10円玉が10個」の10個の方の10も2進法ですよ。10進法の10と勘違いされてませんか。
もう一度、教えますよ。
「10円、100円、ほら、100円でしょ・・・。」
投稿: 彰の介 | 2004/12/05 21:11
え、えと、えぇ!?
全部2進数だとすると…10円がこれで、10個だから…ああ、そーいうことですか。確かに100円ですね。
拙者、一般的な10円玉だと考えていました。切腹!
投稿: ふぁんた | 2004/12/08 15:05
ふぁんた様、コメントありがとうございます。
ご理解いただけましたでしょうか。っていうか、難しいでしょ。勘違いしちゃいますよね、ふつう。同じように、子供も、いくら十円玉使われたって、10枚だから100円という理屈はとっつきにくいのかな?と思ったしだいです。
投稿: 彰の介 | 2004/12/09 01:12
おもしろかった!設問を読んで、最初は「ふぁんた」さんと
同じように考えていたのですが、最後の部分をさらっと読み
過ごしてから「???」となり、もう一度設問を読み返して
理解・納得。その後その下の「ふぁんた」さんのコメントを
読んで、あ、僕と同じ考えだ、けど「ふぁんた」さんの方が
緻密だったなあ、と…。(苦笑)
ところで、ここ数日頭を悩ませていることですが、放射性元素
ウランの半減期が45億年だそうで、8gのウランが117億
年後に何グラムになっているか、っていう問題を目にしたもの
の、読んだだけで、解いてる時間がなく、いまも頭の中だけで
解答を求め続けています。問題読了直後に n5(小さい5→
5乗)=1/2 の n の数値がでれば解答が得られるのでは、
と感じたのですが、それでいいのでしょうか?それとこの式で
n の近似値を出す「手法」か「公式」みたいなものってあり
ませんでしたっけ?なんか高校時代にこんなこと勉強していた
ような気もするのですが…。公式を考え出したこともおあり
とか。御教示いただけるとうれしいのです!
昨晩は「数表公式集」を眺めながら寝込んでしまった(爆笑)
投稿: YW(ヤンキーウィスキー) | 2004/12/10 20:37
YW様、コメントありがとうございます。
本当は、いかにも知ったかぶりして答えようかと思ったのですが(笑)、私、実は物理やってなくて、ちょっと自信ありません。うそです。全然わかりません。
放射性崩壊と半減期こんなページ見つけましたので、お勉強してください。私には、もう昔の気力が・・・。
投稿: 彰の介 | 2004/12/10 23:33
お忙しいところコメントをありがとうございました。
教えて頂いたWEBサイト、参考になりました。で、考えていた計算式から解答可能かな、と手応え感じ
ました。それ以上に嬉しかったのは、このサイトの
HOMEに飛んでみたら、僕が探していた乗根を求
める「手法」が!
<開平、開立の筆算法メカニズム>という部分です
が、これ高校時代に数学の先生が教えてくれたこと
を思い出しました。ところが「昔の高校生は学んで
いましたが…」とあるではありませんか…!ガ-ン!
昔だってえー!まあ確かに「昔」といわれたらそれ
までですが…。いや、まてよ、これはだけど教科書
には載っていなかったのでは?数学の先生が特別に
レクチャーしてくれた部分ではなかったか?
それにしても、高校時代「数学」で恥かしくない点
がとれたのは「微積分」と「行列」くらいだった僕
が、この手法を授業中に教えてもらったことを記憶
していたなんて…。
ところで、他にも二分法とかニュートン法(微分法)
というベキ乗根の近似値を求める手法もWEB上で
知りました。お蔭様です!
(以下 nの次の数は べき乗 を表します)
さて、ここ数日未解決だった、ウラン8gの117億
年後の重さですが、自分の作った式が正しいとの前提
で計算して 約1.3195g となりました。
∵ 45億年で半減することから90億年で1/4。
n5=1/2 から n≒0.870550563。
<題意より n は9億年当りの減少率を表す>
117-90=27 なので、
8g×(0.5)2×n3 ≒ 1.3195g
考え方や計算がおかしかったらまたご指摘・ご教示
ください。とりあえずこれで熟睡できそう(笑)。
久しぶりに算数・数学でワクワクしてしまいました。ありがとうございました<(_._)>
投稿: YW(ヤンキーウィスキー) | 2004/12/12 04:11
YW様、コメントありがとうございます。
私は直接公式に入れてしまいました。
求める質量をxとすると、
x=8*((0.5)^117/45)
=8*(0.5^2.6)
=8*0.165
=1.32
*はかける、^はべき乗です、/は割るです。
私の計算機が、下3桁しかでなかったので、細かくでませんでしたが、同じ答えですね。
YWさんので、9億年後の減少率が求まったので、
x=8*(0.870^(117/9))
x=8*(0.870^13)
x=8*0.165
x=1.32
っていう手もありそうですね。こっちは同じことですけど。
こちらこそ、久しぶりに数学に触れて楽しかったです。また、難しいこと聞かないでください・・。
投稿: 彰の介 | 2004/12/12 06:07
2進法で筆算して即答できました
10
x10
―――
0
10
―――
100
投稿: Insite | 2005/02/18 11:45
Insite様、ごめいさんでございます。
2進法の筆算もちょっと考えないと間違えやすいですね。一度固まった考えはなかなか変えられませんね。
投稿: 彰の介 | 2005/02/18 22:41