新たなNHK問題
NHKにまた問題が起きましたね。
4年も前のことらしいのですが、旧日本軍の従軍慰安婦問題を扱う番組(私は見ていないので中身は知りません)に対して、自民党の安倍、中川両氏が政治的圧力を加えていたと、NHKのプロデューサーが記者会見で語りました。その話自体は、事実の程はわかりませんが、さもありなんという内容です。
まず改めて考えさせられたのは、政治家と報道の関わり方です。政治家は当然自分なりのポリシーを掲げているわけですから、自分の主張と食い違う報道がされてしまったら、文句を言うのも当然ありでしょう。そして、報道が正しかったのか、その文句を言った政治家が正しかったのか、国民が判断すればいいわけです。しかし、今回の話が本当だとすると、放送前に裏で圧力が加えられ、番組が改変されたということですから、国民には全く判断の余地が与えられません。これはかなり問題でしょう。そう考えると、政治家たるもの、報道各社の報道方針などへの口出しは、相当に慎重でなければならないということに気付きました。報道された中身そのものを、場外乱闘で国民の見えるところでバトルするのは全く問題ないと思います。しかし批判が報道を発信したこと自体に向けられれば、末は大本営?、いやいや、現在の北朝鮮みたいな報道への道を歩むことになっちゃいますから・・・。実にヒニク?ですが・・。まあ、これは政治家の資質の問題といえるでしょうか。
それよりもびっくりしたのは、すぐに発表されたNHKの見解です。すぐさま、「番組に圧力はなく、圧力に屈した番組の改変は行われなかった」むねのことが発表されました。要するに、何の迷いもなく、このプロデューサー切りに出たということでしょう。巨大組織の中で、たった一人のご乱心プロデューサーを切ればすむ話ですから、確かに最も簡単で効率的な方法といえばそうでしょう。しかし、世間では、程度の問題こそあれ、この報道に何らかの圧力があったと感じていると思います。ですから、このプロデューサー切りが、世間からのNHKに対する印象をさらに悪くするかも(自浄能力なしという印象、時期も時期ですし)・・・位のいやらしい迷いはなかったんでしょうか。ついでに言えば、この乱心プロデューサーをうまく使えば、NHKの人気回復に使えるかもなんていうこれまたいやらしい発想もでなかったんでしょうか。うむうむ、ちょっと、うがった書き方をしてしまいましたが、本音を言えば、このプロデューサー切りは「NHKが相当に腐っている」か、「NHKへの政治介入が相当に強いか」どちらかの証明です。それをあっという間に示してしまったのですから・・・正直あれあれという感じです。受信料問題ではNHKのかたを持ってきた私ですが、ますます立場がなくなってしまいましたかね・・・。困っちゃいます。
NHKの未来は暗いかも。でもせっかくくさびが入ったのですから、くさびを打ちつける力が生まれることを期待してやみません。私の意見に批判的な方も多いと思いますが、甘んじてお受けいたします。
この記事は週刊!木村剛: [週刊!神部プロデューサー] どうなるのかなあ。NHKへトラックバックいたしました。
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コメント
恐らく自民党からの圧力に負けたんでしょうね。日本放送局は
投稿: shuichi | 2005/01/15 11:07
shuichi様、コメントありがとうございます。
私も、相当な圧力があったとしか思えませんね。もしかすると圧力の恒常化もあったりして、あまり圧力とも感じていないかもしれません。まあ、圧力があったにせよなかったにせよ、NHKまたかよってのは変わりませんが・・・。
投稿: 彰の介 | 2005/01/16 03:30