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2005/04/19

中国反日デモの思惑

 昨今の反日ブームですが、いや~、中国政府の対応にはびっくりしました。私は、そう簡単に中国が謝罪するようなことはないとは思いましたが、あの破壊行為について「中国は日本に謝罪するようなことはしていない」ときたもんだから、さすがに穏健派の私も久しぶりにおしっこちびってしまいました。
 本日は朝から晩まで、ニュース報道系番組ではこの反日デモの問題を取り上げていました。
そこで盛んに言われているのが、このデモによる破壊行為自体が中国にとって対外的に痛手であるという議論です。だから、中国自身でこの問題を早く解決しろって言うんですが、これ本当に中国にとって痛手なんでしょうか。確かに、全く暴徒を取り締まることもできず(できずというか、せずというか・・)、蛮行の映像が世界に配信されたわけですから、中国にとって決していいこととは言えません。しかし、これ中国政府が本気で痛手と思っているのであれば、暴徒がガラスを割ったことに対してぐらいは、海外向けに「遺憾だ」と言ってもよかったように思います。ところが、「謝る事はない」とまで言うのですから、一体なぜそこまで強気なんでしょうか。
 というか、中国での蛮行の映像が世界に流れたことは、中国にとってほとんど痛手になってないのではないでしょうか。確かに私を含めて日本人にしてみれば今回の映像はいい気持ちがしません。しかし、あの蛮行が報道された諸外国の皆様は、あの光景を見てどう思うのでしょうか(というか、そもそも諸外国にまともな報道がされているのでしょうか)。アメリカの何とかと言う新聞の論調はこうだったとか、イギリスではこうだったとか報道されてるんですが、当の諸外国の国民の関心事になりえるニュースとはとても思えませんし、ましてや各国政府が中国政府を非難するに至るとも思えません。正直言って、諸外国から見れば、所詮日本が叩かれてるだけですし、日本人が叩かれてるだけですし、日本企業が叩かれてるだけのことなんですから、自分の国とは無関係、敢えて日本の肩を持つ理由なんて何もないでしょう。むしろ、中国市場から日本企業が締め出しを食えばしめしめと思う国のほうが多かったりするかもしれません。いやいや、日本の肩を持ったら、その国の企業が「日本の味方だ」なんて言われて投石にあったりして、やばいかもと思うかもしれません。中国政府の強気な姿勢は中国の国内向けだと言われていますが、果たしてそれだけなのでしょうか。もっともっと対外的に計算しつくしたことなのかもしれませんよ・・・。日本の大問題が、諸外国にとって単純に同情を得るものとは限りません。むしろ迷惑で面倒くさい話に違いないと思うのですが・・・。
 また、中国政府がほとんど暴徒を取り締まらないことに関して、俗に中国国民の抱える怒りの「ガス抜き」だと解説されてるんですが、本当にただの国内向けのガス抜きなんでしょうか。私には、外交カードに使おうという中国政府の意図が見え隠れするのですが・・・。「こんなに国民が怒っていることを日本は今までやってきたし、反省もしていない。」ということを前面に出して、「だからガス田は中国のものだ、尖閣諸島も中国のものだ、中国国民をさかなでするともっと暴動は抑えられませんよ・・・・すべてあんたのせいだからね・・・」的な発想はないんでしょうか。つまり、日本には何も言わせない、少しでも何か日本の国益を主張すると、投石が待ってますがいいですか?ってなわけです。
 
 さて、私のような凡人に、日本にとってのいい解決策が提案できるわけがありません。が、無駄に愚論を述べたいと思います。最初の「所詮日本の問題で諸外国にとって関係ない」のでは?ということに関しては、正に日本の外交力が試されていると思います。日本一国がいくら「うなった」ところで中国には痛くも痒くもありません。所詮今の日本の外交では、「所詮」日本だけの問題として捉えられるのが落ちです。貧疎な私の発想からは、多くの国から中国に向けた非難声明が出されるのを期待するしかないと思うのです。各国が腫れ物に触るようなことに敢えて賛同してくれるかどうか、そこが日本外交の力の見せ所と考えるわけです。しかしそんなセンスを持った外交官がいるのかどうか・・・・。なんとなく「一人でうなる」事ぐらいしかできないような気がするのは私だけでしょうか。
 もう1つ、「ガス抜きじゃなくて外交カード?」の問題に対しては、前回「洗脳的教育を考える」で書いたとおり、洗脳には正論で当たるしかないと思います。この中国の洗脳、煽動の連鎖は、日本が正論で当たり続ければ、あるとき自爆の道をたどる可能性があります。しかし、洗脳に洗脳で戦っていたら、おそらく中国に全てを持っていかれてしまうでしょう。歴史教育に関して右でも左でもなく、自信を持って正しい教育(正論)を受けていれば、誤った洗脳教育なんかに負けるわけがありません。しかし、残念ながら現在のあいまいな左やあいまいな右の交錯する歴史教育には洗脳教育に対抗しうるパワーがないような気がします。効果が出るのには随分時間がかかるかもしれませんが、根本的に一から教育を見直すことも必要でしょう。
 私は、イラク戦争が起きそうな頃から、日本はアメリカのポチではなく「外交大国」の道を歩むべきと考えていました。今のところ日本は世界のいじめられっこ状態ですが、今後の日本政府の働きに期待したいと思っています。日本政府がダメ男だったら、乱でも起しますか、インターネットで煽って・・・・・・。

 この記事は【ゴーログ】日本は護るべきスタンダードを持っているのか?へ無理やりトラックバックさせていただきました。

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