でもやっぱり、責任は現場が取らされる
私の最近のキーワードは「現場」です。現在の私の職場が正に現場であり、管理職の皆様が、全然現場を見ていないのに文句ばっかりたれたり、どんどん働きにくい環境を作られるのには辟易してきます。
そんな「現場」を考えさせるこんなニュースを見つけました (「橋梁談合 11社、14人を逮捕 三菱重工幹部も」)。税金にたかる悪徳企業にメスが入ってめでたしめでたしという話ですが、この逮捕された方々の肩書きを見てください。ほとんどが、各社営業部の部長さんやら、次長さんやらばっかりです。まあ、世間的には管理職であらしゃられる方ばかりではありますが、要するに「談合の現場」で話し合ってたメンバーが逮捕されたわけで、社長だ会長だという社の代表の方々が逮捕されるわけじゃないんですね。
もちろん今後、捜査が進んで社の代表者が逮捕されるかもしれませんが、談合という性格上、社長が知らないはずはありません。でも、いざ逮捕となれば、簡単にしょっ引かれるのはまず「現場」であって、社長がとっ捕まるというのは相当に証拠を積み上げないとなされないんでしょう。いやいや、逆に談合というものが当たり前の日常業務で、いちいち社長が営業部に対して指示を出すまでもないくらいルーチン化していたとしたら、社長逮捕にはならないのかもしれません。法的に社長の責任??って一体どうなってるんでしょうか。
私は職業柄やぶ医者をやっていますが、我々の世界でも以前こんなことがありました。慈恵医大青戸病院で、腹腔鏡による手術を行った泌尿器科医師3人が、患者を死なせたとして逮捕されました。この3人ともに腹腔鏡手術に習熟しておらず(学会規定の手術資格なし)、当時社会問題となりました。私は別にこの3人をかばおうとは思いませんし、逮捕もやむなしと考えます。しかしよくわからないのは、この泌尿器科の代表者たる泌尿器科部長が(書類送検はされましたが)逮捕されなかったということです。この泌尿器科部長がこの手術に頑強に反対し、それを押し切って彼らが勝手に手術を施行したというのであればわかりますが、そんなことはもちろんなかったでしょう。いやむしろ、(想像ではありますが)普段から手術にはタッチせず、「現場」たるその手術に立ち会わなかったからこそ、逮捕の難にはあわなかったわけで、熱心にope室に足を運び、手術に口を挟んでいたらアウトだったに違いありません。
はっきりいって、責任者は、普段から責任を果さない方が責任を取らずに済む・・・ということでしょうか。なんだかんだいって、責任を取らされるのは「現場」です。まあ、現場に身を置く私としては、責任者の無責任ぶりは無視して、自分に課せられた責任を淡々とこなすしかありませんが・・・。
趣旨が全然違うような気がしますが、週刊!木村剛 :上司の最低限の役割は責任をとることであるにトラックバックさせていただきました。
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