政治家の真髄
郵政解散か、自爆テロ解散か、刺客列伝解散か知りませんが、世の中選挙ネタで盛り上がっております。正直こんなに関心の高い選挙を経験したことがありません。結果は想像もつきませんが、9月11日がなんか楽しみになってきました。
実は私には、「政治家とはこうあるべき」という理想論があります。そのあたり実は以前ハイエナとモラル(ぜひお読みください)というエントリーで述べたことがあります。このエントリーの最後で、
ちなみに私は、一人だけ、変人政治家を知っています。自分の大切な支持団体にもかかわらず、それにあえて改革を断行しようとしいる人物です。身を削るような支持団体への改革は、未だかつて見たことがありません。私は「モラルの消失していない唯一の政治家」として、その部分だけは高く評価しています。そう、その政治家はもちろん、日本国の総理大臣のあのかたであることはいうまでもありません。(一部改)と、小泉びいきであることをばらしています。残念ながらイデオロギー的には合いませんが・・・。
小泉さんがテレビなどに出始めたのは、小選挙区比例代表の導入をめぐる選挙制度改革に対し、頑強に反対する立場でだったと思うのですが、当時のイメージとしては、なんかただのわがまま政治家くらいにしか感じていませんでした。それが、郵政民営化というのを旗印に総裁選に出始めてから、私は小泉びいきになりました。理由は上のエントリーや引用文にも書いてますが、自らの支持団体に対して、改革をしようとしている政治家なんて見たことがないからです。そもそも国会議員は、利益を代表して選ばれます。ハイエナとモラルの中で、私はそのことを「憲法違反だ」と書いたのですが、残念ながら、そんな理想論とはかけ離れ、ハイエナにせっせとえさを運んでくる政治家が国会議員に選ばれている現実があります。
そして、政治家が選挙で訴えることといえば、「高速道路を作ります」「新幹線をひっぱってきます」等といった、えさばら撒き話か、「増税反対!」「無駄な公共事業を減らします」というような耳ざわりのいい総論話しか聞いたことがありません。
しかしよく考えてみれば、本来なら「高速道路を作りますから、増税させてください」と言わなきゃいけないし、「増税はしませんから、将来の社会保障はあきらめてください」と言わなきゃいけないし、「無駄な公共事業で食ってる人は、失業してください」と言わなきゃいけないはずです。
そんな言わなきゃいけないことを言ったのも小泉さんしかいません。具体性には欠けますが、「痛みの伴う改革」そんな言葉を使ったのも小泉さん以外いないことは明らかです。支持団体であろうとも信念に基づき改革を断行する勇気を持つ、改革に伴う負の部分もはっきり訴える、こんなところに私は、政治家の真髄を見ているような気がします。
そしてもう一人、小泉政権の中からものすごい政治家が現れました。叩かれても叩かれても、全くめげずに小泉改革を進めている、竹中大臣です。あんなにけちょんけちょんに叩かれても、逃げない政治家を、私は見たことがありません。小泉総理が、竹中さんを郵政担当大臣にしたのも、あの叩かれ強さからでしょう。1つの目玉として大臣になった石原さんは、サンドバックにされて、いつの間にか消えてしまいましたが、小泉政権発足当時から、サンドバックにされ続けて、生きているのは奇跡と言う他ありません。
評論家や一部国会議員から、本当にけちょんけちょんに言われている竹中大臣ですが、私は一体どのあたりの政策が間違っているのか、何をしでかして怒られているのかがよくわかりません。バブル崩壊以来の「問題先送り」に決着をつけたのは、竹中さんとしか考えられません。未だに不良債権問題が未解決だったら本当にぞっとします。そもそも竹中さんは学者ですから、逃げようと思えばすぐにでも逃げられたはずです。最初は議員でもありませんでしたし・・・。けちょんけちょんに言われてまで、信念に基づいて行動する、これは政治家以上の行動力だと思います。私なんかにはとてもまねできません。
改革とは、一見響きのいい言葉ですが、実際は既得権益をめぐる汚い争いです。既得権益を守る側は、それはもう汚い言葉や汚い手を使ってでも、改革にストップをかけようとするはずです。そんな攻撃に耐えながら、改革を断行する勇気、行動力は、政治家の真髄と言えるのではないでしょうか。
選挙で投票する側は、えさを運んでくれる人を応援し、政治家もえさ運びをせっせとする、そんな政治はもうたくさんです。そんな政治は終焉を迎えてほしいのですが、郵政だけを切り口にした自民党が、本当に昔と体質が変わっているのか??、首尾一貫しない主張をしている民主党に、改革を断行できる政治家が本当にいるのか??。このことはじっくりと、選挙日まで悩ませていただきます。
おっと、公正中立の(笑)このブログ、公明党、共産党、社民党、国民新党のことも書かねばなりませんが、もう夜も遅いので(笑)、とにかくがんばってください、とだけ付け加えさせていただきます(笑)。 [ゴーログ]民主党はキャラを立てて対抗することができるのか?へトラックバックさせていただきました。
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コメント
こんにちは、 選挙公示前から新聞、ニュース、ワイドショー、ネット・・・、ホントに選挙ネタで溢れかえっていますね。 関心を持つだけでなく投票行動に結びつくことを願うばかりです。
>「痛みの伴う改革」そんな言葉を使ったのも小泉さん以外いないことは明らかです。
小泉さんのこの言葉をみんなどのように聞いていたんでしょうかね、 改革には痛みを伴うものだ、覚悟しましょう、明日の日本のために、私は素直に受け止めているんですけどね。
投稿: まーどんな | 2005/08/20 11:06
まーどんな様、コメントありがとうございます。
もちろん痛みはないにこしたことはありませんが、政治家には耳ざわりのいいことばかり言ってほしくありませんね。そんな人には改革実行ができないような気がするんですね。
ということで、今後もよろしくお願いします。
投稿: 彰の介 | 2005/08/20 17:42
今晩は。
私も彰の介様と同意見です。
私の住んでいる地域は、昔から大変自民党が強く、アンチ自民であった私は、選挙の度に「そうじゃないだろう!」と、結構本気で怒っていました。
私の両親も自民党支持で、やはり地域への利益誘導を考えていたようでした。
そんな両親に「国会議員は、国の為に選ぶもので、地元の利で投票してはだめ。」と、私は力説していたのですが、今回の選挙は、本当に母と気が合います。
今現在は、自民党支持ですが、冷静に各候補者や、政党を観察し判断したいと思っています。
投稿: chichi | 2005/08/20 23:49
chichi様、コメントありがとうございます。
私は保守王国岐阜の出身でして、まさに自民党一色の土地柄です。そんな保守王国で育ったへねくれものの私ですから、民主党には期待大なのですが(笑)、今のところ、反対のための反対ばかりしていて(昔の社会党が少し右になった感じで)全く納得いきません。しかし自民党が本当の意味で生まれ変わったかどうかは・・・・、素人の私にはなんとも言えません。
投稿: 彰の介 | 2005/08/21 02:57
彰の介さま
あまりマスコミなどでは評価されていないように感じますが、竹中大臣は小泉内閣の中で唯一改革をすすめている大臣なのではないかとひそかに思っておりました。
金融改革のときも、めちゃくちゃにたたかれて、骨抜きにされたとマスコミはや政治屋は言っていましたが、本当のところは随所に専門家でも(銀行マンまでも)がわからないいろんな仕掛けがあったのだと木村剛氏も本で書いておられました。今回の郵政法案も、かなり自信をもっておられるところをみると、妥協の産物とかいわれていますが、じつはいろんな仕掛けがあるのではと期待しています。
(すみません別にこのコメント掲載してもしなくてもいですが、情報の登録の意味がよくわかりませんでした)。春雨サラダ
投稿: 春雨サラダ | 2005/08/31 21:22
春雨サラダ様、コメントありがとうございます。
骨抜きは骨抜きなのかもしれませんが、骨抜きにしたのは竹中さんじゃなくて抵抗勢力の抵抗による妥協の産物ではないでしょうか。
それを、小泉が悪い、竹中が悪いというのは、本来筋違いのような気がします。この際、この選挙ですっきりさせて、抜かれた骨をもう一回骨ありの改革にしてもらいたいものです。
(メルアドは消去しました)
投稿: 彰の介 | 2005/09/01 01:45