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2005/10/20

無駄論的美食倶楽部(2)

 私が美食について語るなんてことは、世も末のような気もしますが、前回に引き続き、おいしいものについて考えてみようと思います。

 前回、無駄論的美食倶楽部(1)で書いたのですが、私にとって食に関する究極の結論は「おいしければいい」ということです(この際、健康については無視しています‥・)。本来、そこにうんちくはいりません。しかし、昨今のグルメブーム(もう死語?)かアニメの影響か、食=素材という雰囲気が抜けません。もちろん、素材が悪ければ、おいしいものはできないのかもしれませんが、素材が良くても、おいしいものができるとは限りません。

 あるラーメン屋の話です。10年近く前なんですが、職場の後輩に、こだわりのラーメン屋があるといわれいっしょに行ってみました。確かにこだわりのラーメン屋です。ラーメンの具材すべてにこだわっています。○○産昆布、○○産丸鳥、○○産の卵、○○産の豚肉、具体的なことは忘れてしまいましたが、看板に書かれている具材の産地や、製法は確かにこだわり抜かれています。ついでに言うと、そのラーメン屋「ポケベル禁止」の立て札もありました。ポケベルとは時代を感じますが、今は携帯電話禁止なんでしょうか。こんなところにもこだわりが感じられますね。
 さて、いっしょに行った後輩からは、このこだわりラーメンについて、はっきりと明言されていたことがあります。

「材料はこだわってますけど、味はたいしたことないですから・・」
怖いもの食いたさで行ってみたのですが、後輩のお言葉どおり、味はたいしたことありませんでした。というか、まずいです。素材は一流でも、まずければ意味がありません。薬膳料理食べに行ってるわけじゃないですからね。こういう意味のない素材感には本当にがっかりさせられます。

 素材にこだわるならまあいいのですが、話題性だけという店にもこまります。某放送局が仕掛けた、汐○ラーメンのことなんですが‥・、話のネタに一度だけ行ってみました。選考に選考を重ねて選ばれた料理人が作ったラーメンですから、きっとおいしいんでしょう、私以外は‥・。いや~、正直あんな臭いラーメンは初めてでしたし、乾燥した味ご飯がでてきたことにもびっくりしてしまいました。話のネタにもう二度と行きませんが、あのお店、今でも行列つくってはやっているのでしょうか。まあ、私が味音痴だったというならいいのですが。

 話し変わって、私は、こと外食でおいしいものを食べるということに関し、一時大いなる勘違いをしていた時期があります。大いなる勘違い、それは、小金が使えるようになった私のおごりから来たのですが、「おいしいものは値段がはる」という勘違いです。確かにおいしいものは値段も高いかもしれませんが、逆に値段が高いからといっておいしいとは限りません。
 
 ある日本料理店で食べた名物の「トロハンバーグ」。マグロのトロでハンバーグ作ってるんですから、高そうでおいしそうでしょう。この店の店主も、ニコニコしながら私に、「これおいしいでしょ、トロだからね!」って言うんですけど、これがゲロマズでした。私はだいのお刺身好きなんですから、そのまま、トロとして食べさせてくれればよかったのに‥・。
 ある旅先の鉄板焼きやで食べた、料理の鉄人(坂井さん)もうなったという薄焼きステーキ。随分お金ははりましたが、別にうなるほどではなかったですね。鉄人の舌は正しいんでしょうから、やっぱり私が味音痴??。

 この鉄板焼きを食べた翌日に、駅前の小さな、小汚い、串揚げやに入りました。でも、この串揚げは大当たりでした。前日の肉と比べれば、値段は1/3~1/4程度ですが、予定本数以上にもっと揚げてくれと言う、私とつれに、店主も呆れ顔でした。おいしいものを、ただ値段に置き換えて考えていた自分に反省した瞬間でした。

 とは言うものの、世に「値段が高いからおいしいもの」というのは存在します。
 「数の子」なんてどうでしょう。私は値段が高いものだからありがたがって食べていますが、私の祖母は決して食べませんでした。何しろ、祖母の時代の数の子は畑の肥料ですから‥・。
 「キャビア」というのもありますね。立食形式の会などで出てたりすると、ついついありがたがってたくさん食べているのですが、よく考えれば塩の味しかしないような‥・。おっと、キャビアは美味じゃなくて珍味でした。
 「魚沼産コシヒカリ」っていうのも、なんとなく高いからおいしいと思って買ったりもしましたが、他のお米と区別がつかんとです!(やっぱり味音痴?)。やわらかめの粘りが好きな私は、今はもっぱら福島県産ミルキークイーンです(やわらかめのご飯が好きな方には絶対おすすめ)。

 おいしいものとは言われていても、値段が安いから過小評価されているものもあります。
 「さんま」は値段が一匹2000円や3000円になっても、食べたい食材ですね。もちろん、一年に一回くらいしか食べれなさそうですけど。アジやサバもおいしいんですが、やっぱりさんまは別格というのが私の見解です。
 「しいたけ」なんてだだくさに食べていますが、あれがマツタケ並の値段だったとしても、こちらも一年に一回くらいは焼きしいたけを一口でパクッとやりたいですね。安くてよかった‥・。
 物価の優等生といえば「卵」。卵が高かったらどうしましょう。やっぱり素材の味をそのまま引き出すとしたら、一年に一度の卵かけご飯の幸せでしょうか。

 ということで、本日のエントリーはわけがわからなくなりました。要するに、おいしさは、うんちくや雰囲気で作られるものではないということです。他人の言動にに左右されず、自分がおいしいと思うものがおいしくて、まずいと思うものがまずい、そういうことだと思います。ついでに言うと、私の言動にも左右されないよう、ご注意ください。

 本日も無駄に読み進めていただきありがとうございました。

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コメント

>某放送局が仕掛けた、潮○ラーメン
・・・「汐○ラーメン」ですよね。私も、あまり美味しさは期待してはいませんでしたけど、話の種に行ってみました。

全くおっしゃる通り、あんな臭いラーメンは初めてでした!!
そして、何だか、とてもまずい・・・楽しげに順番待ちで並んでいた客も、ひとくち食べると無口になって、ノルマをこなすかのように、そそくさと食べていました・・・(みんな同感なのだと思います)
 茹でた麺を渾身の力で湯切りする店長のパフォーマンスは見物ですが、その麺は、お店で手作りではなく「○○製麺所」からの宅配便で送られてきていて、アシスタントが袋から出して茹でやすいようにほぐしているところを、調理場がガラス張りで間近にみえる「特等席」から、しっかり目撃してしまいました・・・

美味しいものに、ムダなうんちくはいりません。美味しいものが美味しいのだ、と思います。素材をそろえても、美味しいものができるわけでは、決してありません。同感!!

投稿: mia | 2005/10/21 13:44

ところで、私の日記に書いた、この間の出張報告記(というか、食べ物だけ・・・)、美味しそうでしょ♪ 本当に美味しかったです。

http://hp1.cafesta.com/hp/diary_read.do?hpid=mia585&menu_code=diary&fldid=diary&aid=165&page=

投稿: mia | 2005/10/21 13:58

 私の場合高い料理よりも安くて旨い物を探す貧乏グルメなので、勤務先の郵便局管内にあるお好み焼き屋さんは約20件を制覇しました。お気に入りは「おけいちゃん」と言う店ですね。値段はそんなに高くない、と言うより関西では有名な千房というチェーン店と比べても断然美味しい。安くても素材が身近な物でも、料理人の腕次第で美味しくできる物だと思います。

投稿: アッテンボロー | 2005/10/21 21:55

mia様、アッテンボロー様、コメントありがとうございます。
 間違えました、汐○ラーメンです(記事書き換えさせていただきます)。mia様と意見が一致してうれしいというか悲しいというか・・・。改めてこのラーメンの記事をサーフィンしてみたのですが、やっぱり評判は良くないようですね。しかし、テレビ企画とはいえ、あの味に疑問を持った人はいなかったんでしょうか。
 貧乏グルメ?いやいやアッテンボロー様、おいしさは値段じゃないというのを私も反省しております。まあ、おいしければいいという観点からすれば、値段は高くても安くてもいいわけですが、めめしく言うと、「高くてまずい」のは勘弁なりません!。それを「高いからおいしはずだよなあ?」なんて考えてしまうことが問題ですよね。

投稿: 彰の介 | 2005/10/22 00:21

こんにちは。
以前に「あざらしサラダ」で取り上げた商品です。
この記事を読んでエキサイトのほうに再掲しましたので、感謝の意味を込めてTBします、笑。

投稿: あざらしサラダ | 2005/10/23 13:47

あざらし様、コメント、トラバありがとうございます。
機会があったら、おたまはんとゆずの村使ってみます。ふつうに買えるのかな?。
今後もよろしくお願いしま~す。

投稿: 彰の介 | 2005/10/24 00:53

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