素人経済学(会社乗っ取りの是非)
私は現在、医療という社会主義経済の中に身をおいていますが、私の父が零細ながら会社を経営していた影響で、医療界の中では珍しい、経済通として知られています(大爆笑)。
以前はライブドア対フジテレビ、今は楽天対TBSの株の買占め問題(←いかにも素人らしい表現で申し訳ありません)がニュースになっていますが、私にはこの問題イマイチわからないというのが本音です。乗っ取りをかけられた側が、「なんで黙って買い占めたんだ!!この野郎!!」って逆ギレしている姿が、どうにも私には違和感があるんですね。
あれこれ20年以上前になりますが、私の父が、ど素人のしかも子供の私に、会社乗っ取りの話を解説したことがあります。何がきっかけだったかはよく覚えていませんが、その話の内容はしっかり覚えています。
当時の私は、株とは何かもよくわかっていない頃です。それでも、第一に、会社にとっては、株主がオーナーであり、最もエライということ、したがってたくさん株を持ってる人が一番エライということがわかりました。父の会社は、父が大株主であり(オーナー社長)、父が一番エライ。ただ同じ社長といっても、大きな企業の社長は、大株主ではなく雇われ社長だということも知りました。父はこの大企業の社長と株主の立場をプロ野球に例えました。チームの監督が社長、チームのオーナーが大株主、チームで一番エライのは監督じゃなくてあくまでオーナーであり、チームの成績が悪ければ、株主たるオーナーが社長たる監督を交代させるという解説でした。
そんな一番エライ人が株主ってとこを理解したうえで、乗っ取りの話となりました。上場している大企業では、ある集団が密かに株を買いしめて、その会社で一番エライ所の大株主になっちゃうこともあるっていうんですね。その会社がほしいと思えば、当然考えられる手法です。トヨタ自動車の乗っ取りを計画した集団は、トヨタ自動車では大きすぎるので、その大株主たる豊田自動織機の乗っ取りを計画し成功、トヨタはひどい目にあったなんて話も聞いたのですが、これはフジテレビを見据えてニッポン放送を狙ったライブドアの話と瓜二つです。
そこで乗っ取られないための防衛策の話がありました。大企業というのは、株の取引に相当に神経をとがらせていて、買占めが行われていないか常に注意していること、買い占められても問題にならないように、何があっても売らない安定株主の存在や、そのための株の持ち合いが行われていること等を知りました。これはバブル前の話ですので持ち合い解消など現在とは状況が違うかもしれませんが、いずれにしても、昔から乗っ取られないための策が講じられていたということは間違いありません。
父の話は、株という性格上、乗っ取りはあくまでルールの範囲内のことであり悪いことではない、会社側は、乗っ取られないように常に注意し策を講じなければならないという結論でした。素人的には、最近になって、急に株の買占めが問題になったかのような感がありますが、最低限、私が父からこんな話を聞いたのは20年以上も前のことです。
そう考えると、フジテレビやTBSのように、いまさら買い占められたことを倫理観に訴えたり、手法を問題視するのは、無策不注意を棚に上げて、逆ギレしているとしか思えないのです。これ違いますかね?。まあ、フジもTBSもメディアですから、「逆ギレで同情を買い、買い占めた方を悪者に仕立てる」という世論戦略も、防衛策の1つと言われればそれまでですが‥・。楽天が撃沈したら、「逆ギレ」も防衛策として確立された??ってことになるんでしょうか。
ということで、買占め乗っ取りを問題視はしていない私ですが、本当の問題は、IT企業と既存メディアがくっついて、どんなすばらしいものを私達に提供してもらえるのかというところです。結果的にこの提携がうまくいかなかったり、たいした物ができなかったりすれば、結果論として買占め乗っ取りの非が強調されることになるかもしれません。
この記事は、[木村剛のコラム] TBSの経営陣が羨ましいへトラックバックさせていただきました。
人気blogランキングに登録しています。ぜひ清きクリックを!
↑↑クリック!
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (1)
最近のコメント