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2005/11/04

それらしい報道3

 あざらしさんの記事▼世間ではそれを「捏造」というに引用されている”誤報”記事に、久々に大笑いしてしまいました。ある新聞が、雨で開催されなかった体育祭の記事を、一年前の写真を掲載して書いちゃったという話ですけど、確かにこれはあざらしさんご指摘の通り、誤報ではなく、捏造に間違いありません。そんな捏造について、私なりの切り口で、屁理屈こねたいと思います。
 
 記事を一部引用させていただくと、

埼玉新聞社は10月22日付朝刊の地域面に「親子で汗流す」という見出しで杉戸町民体育祭の記事と写真を掲載したが、実際は雨で開催されなかった。県東総局の記者が、確認しないまま、昨年の資料写真とともに出稿、編集局のチェックをすり抜けて掲載された。
私が注目したいのは、この”誤報”記事の表題である 「親子で汗流す」ですね。この記事を書いた記者は、見てもいない体育祭のでっち上げの記事を書いたわけですが、「親子で汗流す」っていうのはいかにもそれらしい表題です。私が思うに、仮にこの体育祭が行われて、この記者が取材をしたとしても、おそらく表題は「親子で汗流す」であったに違いありません。写真は、親子が大玉ころがしかなんかをやってるところでも撮るんでしょうか。これは取材をしたとしても取材とはいえないですね。最初から記事が決まっていて、それに合わせた取材が行われる。今回はそれがたまたまバレてしまいましたが、実は世の中、そんな中身のない、それらしい記事やニュースが溢れているのではないでしょうか。

 以前私は、それらしい報道(ぜひお読みください、ついでにそれらしい報道2もどうぞ)という記事を書いています。この中で、私は地震報道の「それらしい」について、私の体験談を書いています。今度、地震など災害報道をテレビで見たり、新聞を読む機会があればぜひ注目していただきたいのが、怪我人情報です。もちろん大災害では、多くの方が亡くなったり、怪我を負ったりしてその情報価値が非常に高いものとなるのは事実ですが、小さな地震等であれば、必ず怪我人が出るというわけではありません。しかし、「親子で汗流す」ではありませんが、地震等の災害を報道する時の原稿には、怪我人情報の部分が必ず空欄にしてあり、何が何でも埋めようとするのを感じてしまいます。それこそ大怪我を負った人がいないと、ちょっとした怪我人でも無理やり探して放送しているので、あほらしくて仕方ありません。まあ、事実ならやむを得ませんが、まさか捏造ではないのでしょうね・・・。

 例えば、全国放送で「この地震で、○○町の主婦46歳が、戸棚から落ちた箱で軽い擦り傷を負いました」なんてことを、いちいち報道しなければいけないのでしょうか。むしろ、そんな個別の一例を詳しく説明するより、「○○町役場によると、一人が軽症を負った他、負傷者の連絡は入っていません」等とすべきでしょう。そんなふうに、無理やり怪我人を探すもんだから、私が経験したような、半でっちあげ報道が起きるような気がします。別にニュースのために地震や災害が起きているわけではないのですから、そこのところを報道の方々には勘違いしてもらいたくはないですね。

 ということで、最近人生に疲れてタリウムでも飲んでみようかと考えている私ですが、今日のところは「おビール」にしておきました。まあ、私はその程度の人間です・・・??。

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コメント

 この埼玉新聞の記事というのはおそらく「予定稿」をそのまま使った失敗なのでしょうね。新聞に限らずマスコミは事件が起こってから全てを取材して記事にしているのではなく、一分の原稿についてはいくつかの予想の中からこの場合にはこの記事をと言う原稿をいくつも用意しているそうです。
 短時間で報道するためには事前の準備、つまり予定稿が日頃の手の空いた状況で準備できているかどうかが大きな決め手になるようです。

投稿: アッテンボロー | 2005/11/04 14:14

アッテンボロー様、コメントありがとうございます。
予定稿ですか・・・。確かにある程度そういったものが存在するのは仕方ないかもしれませんが、お陰で、画一的なつまらない報道や、今回のようなとんでもない間違いってのも起きるんでしょうね。つまらないありきたりの報道には正直飽き飽きしています。

投稿: 彰の介 | 2005/11/04 21:33

こんにちは。
いやあ、この記者に「おまえが汗を流せ」とアドバイスしたくなりますね、笑。
おかげで、新聞記事がいかにいかげんに作られているかが証明されました。
一度失った信頼を回復するためには、しっかりした「再発防止策」が必要なのですが、そんな議論も聞こえてこないし、困ったものです。

投稿: あざらしサラダ | 2005/11/05 10:16

あざらし様、コメントありがとうございます。
信頼回復のため、「記者が汗流す」っていう題で、一生懸命取材している姿を記事にしてはどうでしょう。もちろん、やらせ写真つきで・・。
まあ、「見つかっちゃった」というのが本音でしょうから、再発防止策なんて考えてないんじゃないでしょうか。「次からは見つからないように」なんて訓示されてたりして・・・。

投稿: 彰の介 | 2005/11/05 17:56

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受信: 2005/11/04 12:41

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●編集局長を更迭 誤報で埼玉新聞社(共同通信 11月3日)  埼玉新聞社は、体育祭が中止となったにもかかわらず開催されたと誤報した責任を取って、野口晴久編集局長を更迭するとともに、丸山晃社長の編集主幹を解く人事とおわびを3日付の紙面に掲載した。後任の編集局長には細田孟編集局総務が就任。記事を執筆した記者も辞表を提出、受理された。  埼玉新聞社は10月22日付朝刊の地域面に「親子で汗流す」という見出しで杉戸町民体育祭の記事と写真を掲載したが、実際は雨で開催されなかった。  同社の調査によると県東... [続きを読む]

受信: 2005/11/05 12:58

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あざらしサラダさんの世間ではそれを「捏造」というをみてかなり笑ったのですが、考えてみると笑い事ではないなと思いエントリ。 問題の記事は編集局長を更迭 誤報で埼玉新聞社 毎日では<虚偽報道>雨で中止の町民体育祭…昨年の写真使いと「虚偽報道」と明らかな非を報じている。そこに明らかな意図が入ると入らないとでは意味合いが大きく違います。断じて「ニュースの天才」を許してはなりません。 わたしも校閲を4年間やっていましたが、毎年行われる催事物は「日時、内容を昨年の紙面と照合、確認」を命じられていま... [続きを読む]

受信: 2005/11/05 15:59

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 マスコミの不祥事が相次いでいますが、埼玉新聞社でも、虚偽報道があったようです。<虚偽報道>雨で中止の町民体育祭…昨年の写真使い Excite エキサイト : 社会ニュース より  埼玉新聞社(さいたま市)は3日付紙面で、雨で中止になった運動会が実施されたと虚偽の記事を報じたとして、野口晴久編集局長を更迭し、丸山晃社長の編集主幹を解く人事と「おわび」を掲載した。執筆した20代の男性記者は退職願を提出し受理された。  虚偽の記事は10月22日付で掲載されたものです。  この運動会(町民... [続きを読む]

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