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2005/11/28

だますメリットありますか?

 姉歯建築士による耐震強度偽装事件が世のマスコミをにぎわせています。今は姉歯氏よりもヒューザーの小嶋氏の方が格好のマスコミの餌食になっていますが、このとんでもない事件が私にはいろんな意味で理解できないんですね。金儲けのためにやったとは思うのですが、そのあまりに幼稚な思想に、私は首をかしげざるを得ません。

 その昔、豊田商事事件というのがありました。お年寄りなどに「金(gold)を買いませんか?」と言葉巧みに持ちかけ多額のお金(かね)を集めたのですが、実は金(gold)は存在せず、集めたお金もどこかに消えちゃった?ってな事件だったかと思います。ついでに、会長宅に押し寄せた被害者・マスコミの前で、この会長が殺されるというショッキングなこともありました。

 私は当時この事件がどうにも理解できませんでした。あまりにも理解できないので父親に質問しことを思い出します。

「なんで金(gold)はないのに、こいつらはあるなんて言ってだましたの?。返してくれって言われれば、いつかはバレるじゃん!。」
そのあまりにも究極的な、ある意味、宗教的、哲学的な質問に、父も禅問答的に私に答えました。
「お前は、悪い事ができんと言うことだ・・・。」
悪い事をやってるのをバレるのが心配な人間が、悪い事をするはずがない・・・、まあ確かにその通りかもしれません。しかし、当時中学生で純粋だった私の疑問は、中年のオジサンになりかけている今の私にとっても、理解しかねる疑問なのです。いくらお金をうまく集めたとしても、いずれ破綻することは目に見えています。破綻すれば、逮捕されるのも目に見えています。うまくいって夜逃げして隠遁生活か、海外逃亡か?、しかし最悪の場合、殺されます・・・、っていうか、会長は殺されました。殺されてまで、人をだまして金を集める行為が、やっぱり私には理解できません。命をかけて悪いことしているのにそのメリットが見当たらない・・・、そう思うのは、私だけなんでしょうか?。

 今回の耐震偽装住宅を設計した、検査した、建設した、あるいは売りつけた人たちのことを考えると、この豊田商事事件のことを思い出してしまいました。この人たち、「バレたらどうしよう?」とは全く思わなかったのでしょうか?。バレたら、会社は倒産、責任者は逮捕されるに決まっているじゃないですか。というか、すでにその方向に進んでいるようですし・・。国会議員を使って、国に働きかけたところで、小嶋社長がどんなにテレビで叫んだところで、ヒューザーがすでに死んでいるのは明らかです。それに、例え今回バレなくても、それこそ地震でも起きて、少ない鉄筋があらわになったらヤバいとも思わなかったのでしょうか。いずれにしても、私は、今回のような結果を招くリスクをとってまで、鉄筋を減らしたメリットがわからないのです。一時的に儲かるかもしれませんが、やっぱり私には理解できません。

 ただ、ヒューザーの小嶋社長は、私の考えている疑問を逆手に取る形で言い訳を繰り返しています。お金を払って欠陥マンションを買うわけがないと・・。さらに言い訳として、その欠陥マンションに、従業員が現在入居していると言うんですね。つまり、欠陥住宅を買うメリットがないのは明らかだし、欠陥を知らなかった証拠として従業員が住んでいる、だから、我々はだまされた、責任は無いって言うんですけど、どうでしょう。もし、この言葉を全面的に信用するとしても、それはマンションを売る専門家として、マンションを売る資格は無かったという、ある意味、自らの恥をさらしているに過ぎないと思います。魚屋さんが腐った魚を売って、仕入先の市場に文句言ってるようなものでしょう。腐っているかどうかもわからない魚屋さんは魚屋をやめた方がいいでしょうからね、きっと。

 昔、宿題をやらずに学校に行き、先生に「なんで宿題やってこないんだ」と怒られた時、「宿題はやったんですけど、ノートを忘れました。」という言い訳がありました。私は、今回の事件に関わった人々が、だいの大人でありながら、この程度の幼稚な思想しか持ち合わせていないのではないかと思っています。言い訳をして、その場をやり過ごせば何とかなる・・という、実にある意味前向きな考え方なんですが、こと人命に関わることまで同じ思想では話になりません。なにしろこの言い訳、先生の次の言葉に青ざめることになるのですから・・。

「じゃあ、今から家に帰ってそのノートを取って来い!!」
実は、今回の事件で一体一番悪いのは誰か?と言われれば、私は小嶋社長や姉歯建築士だとは思っていません。そのあたりは次回、手短に私の意見を書こうと思います。

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2005/11/26

ゼロ金利は税金でしょ?

 大銀行が儲かっているそうです(大手銀行 中間最終利益は過去最高、1兆7290億円)。バブルの元凶の大銀行が、バブル後の経済の足を引っ張り続けた大銀行が、儲かっているそうです。いや~、こんな腹立たしいニュースはありませんね(笑)。まあ、それはともかく、この最高益を報じる記事では、その原因を分析しているのですが、これまた納得いきません。素人庶民としては、大事なこと忘れていませんか?と言いたくなります。

 復調の主因は「不良債権処理費用が、大口問題融資先の処理の一巡と、景気回復による融資先全般の業容改善で軒並み大幅に減少したため」だそうです。公的に何兆円もつぎ込んでもらったことも、「公的資金の返済を加速させる見通し」だそうで、めでたい限りです・・。うむ、むむむ、めでたい?・・・と言いたいところなのですが、大銀行が儲かっている原因は、果たしてそれだけなんでしょうか。そう、銀行が儲けるためには、預金を集めなければいけません。現在、その元ダネである預金を、ゼロ金利、すなわち、ほぼ「タダ」で集ているではありませんか。そう考えると、儲かって当たり前じゃないの??と言うのが、素人庶民の意見なんですがどうでしょう。

 これ、ラーメン屋で考えれば、麺代もスープ代もチャーシュー代もガス代もタダってことでしょう。そりゃ、儲かると思いませんか?。実際には、一杯数百円のラーメンを売っても、それら原材料費を引けば、儲けはそのうちのごく一部でしょう。現在の銀行で考えてみると、定期預金の金利がだいたい0.05%ってとこでしょうか。100万円預けると一年後に大金500円がいただける計算です。ちなみに税金引かれて「金400円也」ですけど・・・(涙)。にもかかわらず、時間外でATM等を使うと、何百円、大金を振り替えしたりすると手数料何百円、と取られるのですから、涙も枯れはてて何も出てきません。これを住宅ローンで考えると、数%で貸してるんですから、20倍から100倍の金利になりますね。500円払って10000円儲ける・・・う~ん、効率よすぎて、ラーメン屋なんてやってられませんね。

 そんなこんなを考えると、この長期の、ゼロをさらに割ったような低金利は、バブル後経営が怪しくなった銀行救済のための、目に見えない「銀行再建目的税」だったとは考えられないんでしょうか。つまり、ラーメン屋で言うところの麺代やチャーシュー代を、ラーメン屋保護のため税金で負担しているようなものです。もしそうだとすれば、銀行はもう少し、私を含めた(笑)預金者の皆様、国民の皆様へ感謝の念を表してもいいのではないでしょうか。ところが、現実には感謝の念どころか、国民負担でようやく持ち直したはずの大銀行が、何食わぬ顔で「儲かってま~す!」などと報告しているのですから腹が立ってしょうがありません。「返済も加速させてるんだから文句はあるまい!」とでも言いたいのでしょうか。景気回復に伴う定率減税の廃止論議(決定?)が花盛りの今日この頃ですから、ぜひこのトヨタよりも儲かっている大銀行のための「銀行再建目的税」は再考をお願いしたいものです。

 無論、私が上で計算したような金利の話は、そのまま単純に考えてはいけないものなのかもしれません。また、低金利ですから、銀行から借りる側になった場合、そのメリットもあるので、国民負担として差し引きどうなのかの計算までは素人庶民ではわかりません。そのあたり、「預金者=国民への感謝を忘れた大銀行」という点で、専門家であり、銀行経営されている木村さんに、(私の指摘がトンチンカンなものかどうか?ということを)「こたえてちょうだ~い」と言う意味の無関係トラックバックをさせていただきました。ありがたくもこの記事を読んでいただいている皆様のご意見もぜひお聞かせください。

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追加記事:アッテンボローさんにご紹介いただいたJIROの独断的日記ココログ版: 「消費者物価マイナス脱す 量的緩和、解除へ一歩」←日銀の「解除条件」を良く読め。にトラックバックさせていただきました。

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2005/11/21

Qちゃん、未来への激走

 東京国際女子マラソンで高橋尚子選手が見事な復活を遂げました。復活というと今まで負けつづけていたような感じですが、振り返れば、五輪選考レースの同じ東京マラソンで「2位」になって以来だそうですから、復活というよりはお帰りなさいという感じでしょうか。私は彼女が同郷ということもあり喜びもひとしおで、ゴール前には涙がちょちょぎれました。ゴール後、同じことしか聞かないインタービューアーのせいで、涙がとまってしまったのは最悪でしたが、それにもましてやっぱり出ました「何でアテネに高橋を選ばなかったのか!」議論には私の屁理屈をこねまくりたいと思います。
 
 それにしても、今回の高橋選手の走りにはすばらしいものがありました。一言で言えば、「強い」という感じです。怪我のことはともかくも、年齢的な問題で、もう往年の力はないのではないか?という憂いは全く払拭されました。そんなことで、やっぱりというか、高橋が五輪代表から漏れたことを「陸連の失策」とする話が出てきました。朝の「特ダネ」の小倉さんの発言なんですが・・。アテネに出ていたら間違いなく金メダルを取れていた?と言う雰囲気で話しているんですがどうなんでしょうね。

 小倉さんはQちゃんファンで、レースにも足を運んで、沿道で声援を送っていたようです。以前から「何で高橋を選ばなかったのか?」発言を連発していましたが、無論その辺り、人それぞれ意見があるのですから、選考直後にその手の発言があったのは仕方がないかもしれません。選考方法には曖昧さがありましたし、実績から選考レースの結果重視へ突然方針の変換があったことに反発があったこともやむを得ないと思います。しかし、オリンピックはもうすでに終わってしまっているのです。今になって「何で高橋を・・」発言は、オリンピックで走った3人にあまりにも失礼だと思うのは私だけでしょうか?。特に、私のような被害妄想系の人間からは(メジャーマイナー論)、最後まで出場枠を争った土佐選手にあてつけになってるような気がして気持ちのいいものではありません。彼女自身は何も悪いことしていないのですから・・。

 それにもまして問題だと感じるのは、この「何で高橋を・・」発言は、陸連を「一発選考」から「実績優先」へ逆戻りさせてしまうかもしれないことです。いや、今回の高橋選手の激走で、高橋選手に限っては、実績を考慮せざるを得なくなったと言えるかもしれません。今後高橋選手が順調に勝ち続け、北京五輪の選考レースで好走すれば文句ありませんが、微妙な順位を繰り返したり、怪我がちであまりレースに出ず、選考レースでこれまた微妙な順位やタイムだった場合、正直言えばそれがすでにピーク越えを意味していたとしても、おそらく高橋選手は選ばれるでしょう。実績優先の最大の問題はそこにあります。一ファンとしてはそれでいいのですが、オリンピックを最大の目標とするマラソン選手は彼女だけではないことを考えると、私自身は問題を感じます。むしろ陸連が「一発選考」の方針を貫き通すことができれば、逆に高橋選手の前回の選考漏れが浮かばれることになるのではないか?などと考えるのは、私の屁理屈に過ぎないのでしょうか?。

 歴史は一度きりしかありません。高橋選手がシドニー、アテネと二連覇していればそれはそれですばらしかったとは思いますが、逆に、アテネで撃沈していたら、そのまま引退し、今回の見事な復活劇を見ることはできなかったかもしれません。そんなこんな考えると、むしろ、一度挫折した後、北京で本当の力を見せ付けてくれる方が、感動があっていいじゃないですか。そんな夢を見たいと思うのが今日この頃の私であって、もし北京まで力が残っていなかったら仕方ありません、それはそれで後進に道を譲るべきでしょう。高橋選手だって今更過去のことをほじくり返してほしくないのではないでしょうか。今回の走りは、過去へのあてつけではなく、未来に向けての走りだったと信じます。そして、過去にこだわり、未来をつまらなくする行為には、屁理屈をこねたい私なのでした。

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2005/11/15

被害者も加害者も

 先日起きた高校生女子生徒殺害事件のことが大きく報道されています。犯人は同じ高校の男子生徒、振られたか、冷たくされたか知りませんが、そんなことは世の常人の常、何で殺さなきゃいけないの?というのが率直な感想です。私も高校時代「もろフリ」された女性がいて、その後何年かストーカーやってましたが(笑)、全く相手にされなくても、まさか殺そうとは思いませんでしたが・・・。

 それにしても、今回の報道でびっくりしたのは、被害者に関して、生前の写真だけではなく、ビデオや肉声までも、これでもかと放送していることです。どこで手に入れたか知りませんが、ただ亡くなった方というわけでなく、殺されたわけですし、あまりにも生々しいですから、私なんかは少し違和感を覚えます。家族が提供したもので、生前をしのびたいのでぜひどうぞというものだったらいいのですが、仮にそうだとしても、その旨番組内で断りを入れてほしいものです。それとも、全く家族に同意を得ていないってことはあるんでしょうか?。いずれにしても、人間殺されるとプライバシーは剥奪されるということになりますね。これは以前から気になっていたことで、全く殺される必要がなかった人ということを強調したいがための報道なんでしょうが、正直行き過ぎを感じることの方が多いように思います。

 被害者のプライバシーがなくなるのもそうですが、加害者のプライバシーもなくなります。まあ、そんな言い方をすると、「加害者にプライバシーも何もあったものか」と叱られそうですし、特に今回のような少年犯罪の場合、一体どんな生徒だったのか、どんな生い立ちだったのかということを分析するのは確かに必要なことなのかもしれません。
 
 そして、必ず加害者の人となりを分析するのに使われるのが「卒業文集」やら、「修学旅行文集」やらの文集物です。加害者はこの時こんなことを書いていた、だからすでに精神的におかしいとか、こういう性格だ、などと専門家なる人が分析するわけです。
 しかしながら、私はこの文集の類まで世間にさらされることに違和感を感ぜずにはおれません。
 
 正式な定義や、法的扱いはわかりませんし、実際には問題がないのかもしれませんが、本来これら文集はきわめてプライベートなもので、先生と同級生のみに共有する思い出を綴ったものだと私は考えています。文集にした時点で公のものになるとはとても思われません。司法関係者やその道の研究者が、これら文集を使って、加害者の人となりについて調べることはあるかもしれませんが、報道で全国にさらすべきものではないような気がします。無論、本人の許可など取るわけありませんし、要するに、加害者のプライバシーは、どこまで裸にされてもいいということでしょうか。

 私は公に事件が発生したのですから、ある程度の情報が漏れるのは仕方がないかもしれないと思っています。しかし、明らかに興味本位や、それこそ、いかにも犯人らしいと想像させることや、何でこんな人が殺されなければいけないのかと想像をかきたてるプライベートな情報を、それが責務だといわんばかりに簡単にさらけ出してしまう報道に問題を感じているのです。

 憂しと見し世ぞSE:朝日新聞の良識へトラックバックさせていただきました。

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2005/11/08

NHK批判せぬ馬鹿、金払う馬鹿?

 またしても民放中心にここぞとばかりにNHKの失態というのでしょうか醜態というのでしょうか、職員の放火事件を報道しております。その心は、「あんた、まだ受信料払ってるんだって?、馬鹿だね~」ってとこでしょうか。

 NHK受診料の一連の不払いに関する私の考え方は、過去の記事に何度か書いてきました(NHK受信料支払い拒否のこと民放もただじゃないNHKは不要?必要?)。私の受信料に対する考えは、くそまじめに支払うべきという考え方で、不払いに正当な理由はないと思っています(詳しくは上記記事をどうぞ)。そういう意味では、NHKの味方?回し者?でして、こんな私の受信料はぜひタダにしてもらいたいと思うくらいです(笑)。

 そんな中、またしてもNHKがらみの不祥事です。職員が放火をしていたというのですから話になりません。いろいろと悩み事?かなんかあったとかなかったとかという話ですが、世が世なら「火炙りの刑」ですからね。一回や二回火をつけただけじゃないらしいですし、とんでもない話です。今後の裁判で、重刑が科せられるでしょう。半公的なNHKですから、職員の不祥事はトップの責任とされても仕方ありません。折も折ですし、一職員のきわめて身勝手な犯行とはいえ、会長以下謝罪会見を行ったことも、給与カット(多いか少ないか?は、よくわかりませんが)など、反省の”色”を見せたことも当然だと思います。

 つまり今回のニュースは、あくまで「放火」であって、所属がNHKのためそのトップが謝罪したということです。だから、NHKの受信料不払いとは全く関係ないはずなんですが、報道では「さらに不払い急増か」と不払い問題と関連付けています。民放の報道を見ても、放火の問題というより、NHKの問題、すなわち、「これで不払い急増は必至」ということが強調されているように感じるのは私だけでしょうか?。

 まあ、不払いに関連付けられるのは、ある意味当然としても、私が感じている報道のおかしいところを指摘しておきましょう。それは、コメンテイターやら評論家やらの皆さんが、いっこうにNHK受信料の支払いの是非について発言しないことです。もちろん、私は全ての報道番組や、ワイドショーを見ているわけでないので、あくまで私が見た範囲の話ですが、「NHKはけしからん」という主旨の発言はよく聞くものの、だから「NHKの受信料なんて払う必要はありません」とか、「不祥事があっても受信料は払うべきです」とか態度をはっきりさせる評論家が全然いないのです。
 つまり、「NHKがこんなことをやっていたら支払い拒否者が増えて当然だ!」などNHKを叩く発言は、結果的に不払いを煽る形になっているのにもかかわらず、だからといって、、「こんなNHKに受信料を支払うのはやめましょう!」と支払い拒否を肯定し、勧める人はいません。これは、煽るだけ煽ったうえ、自らの責任は回避した、あまりにも無責任な発言だと思うのです。批判するだけが評論家、コメンテイターの仕事だといえばそれまでですが、NHKの回し者の私としては、こういった民放系の報道のあり方に疑問を感ぜずにはおれません。

 世の中、NHKに対して、「批判せぬ馬鹿、金払う馬鹿」という風潮が徐々に蔓延してきました。私はそんな風潮に激しくNOと言いたいのですが、もちろん私の考え方が本当に正しいのかはわかりません。NHKに対する考え方は各個人それぞれですから、「批判して何が悪い、批判のための不払いだ!」と言われればそれまでです。しかし、こんな風潮を「煽るだけの民放の馬鹿」とだけは言っておきます。もう少し報道の責任というのを考えてもいいのではないでしょうか。

 レビューのとらお: NHK不祥事と受信料未払い、へ同感トラックバックをさせていただきました。
 追加でお役人様達の王国 NHK役員報酬返納へもおそだしトラバさせていただきました。

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2005/11/04

それらしい報道3

 あざらしさんの記事▼世間ではそれを「捏造」というに引用されている”誤報”記事に、久々に大笑いしてしまいました。ある新聞が、雨で開催されなかった体育祭の記事を、一年前の写真を掲載して書いちゃったという話ですけど、確かにこれはあざらしさんご指摘の通り、誤報ではなく、捏造に間違いありません。そんな捏造について、私なりの切り口で、屁理屈こねたいと思います。
 
 記事を一部引用させていただくと、

埼玉新聞社は10月22日付朝刊の地域面に「親子で汗流す」という見出しで杉戸町民体育祭の記事と写真を掲載したが、実際は雨で開催されなかった。県東総局の記者が、確認しないまま、昨年の資料写真とともに出稿、編集局のチェックをすり抜けて掲載された。
私が注目したいのは、この”誤報”記事の表題である 「親子で汗流す」ですね。この記事を書いた記者は、見てもいない体育祭のでっち上げの記事を書いたわけですが、「親子で汗流す」っていうのはいかにもそれらしい表題です。私が思うに、仮にこの体育祭が行われて、この記者が取材をしたとしても、おそらく表題は「親子で汗流す」であったに違いありません。写真は、親子が大玉ころがしかなんかをやってるところでも撮るんでしょうか。これは取材をしたとしても取材とはいえないですね。最初から記事が決まっていて、それに合わせた取材が行われる。今回はそれがたまたまバレてしまいましたが、実は世の中、そんな中身のない、それらしい記事やニュースが溢れているのではないでしょうか。

 以前私は、それらしい報道(ぜひお読みください、ついでにそれらしい報道2もどうぞ)という記事を書いています。この中で、私は地震報道の「それらしい」について、私の体験談を書いています。今度、地震など災害報道をテレビで見たり、新聞を読む機会があればぜひ注目していただきたいのが、怪我人情報です。もちろん大災害では、多くの方が亡くなったり、怪我を負ったりしてその情報価値が非常に高いものとなるのは事実ですが、小さな地震等であれば、必ず怪我人が出るというわけではありません。しかし、「親子で汗流す」ではありませんが、地震等の災害を報道する時の原稿には、怪我人情報の部分が必ず空欄にしてあり、何が何でも埋めようとするのを感じてしまいます。それこそ大怪我を負った人がいないと、ちょっとした怪我人でも無理やり探して放送しているので、あほらしくて仕方ありません。まあ、事実ならやむを得ませんが、まさか捏造ではないのでしょうね・・・。

 例えば、全国放送で「この地震で、○○町の主婦46歳が、戸棚から落ちた箱で軽い擦り傷を負いました」なんてことを、いちいち報道しなければいけないのでしょうか。むしろ、そんな個別の一例を詳しく説明するより、「○○町役場によると、一人が軽症を負った他、負傷者の連絡は入っていません」等とすべきでしょう。そんなふうに、無理やり怪我人を探すもんだから、私が経験したような、半でっちあげ報道が起きるような気がします。別にニュースのために地震や災害が起きているわけではないのですから、そこのところを報道の方々には勘違いしてもらいたくはないですね。

 ということで、最近人生に疲れてタリウムでも飲んでみようかと考えている私ですが、今日のところは「おビール」にしておきました。まあ、私はその程度の人間です・・・??。

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2005/11/03

やぶ医者の給料

 私は、職業柄やぶ医者をやっていますが、私の場合、今のところ大病院で働く勤務医というのをやっています。特に現在は大学病院という、病院の中では最も権威のある??ところで働かせていただいております。

 本日、こんな記事を見つけました「開業と勤務医の格差2倍 報酬の配分見直し課題に」。部分的に抽出しますと、

厚生労働省が公表した医療経済実態調査によると、開業医の報酬などを示す収支の黒字額は228万円と病院勤務医の平均月収の2倍に上った。こうした“収入格差”は過密な業務内容などとともに、近年、勤務医が開業医に転じる一方、小児救急をはじめ病院の医師不足が深刻化する一因との指摘がある。
 医療機関が公的医療保険から受け取る診療費の公定価格である診療報酬が「開業医に手厚すぎるため」といわれており、医療制度改革で、配分の見直しが検討課題になりそうだ。
この記事をそのまま読んだ方は、私の給料がまさか月給114万円だと勘違いされたのではないでしょうね・・・。そんなに稼いでいるわけはありません。私の給料、そう、職場である大学病院からいただいている給料が「0、ゼロ円」であることは、以前の記事にも書きました(私も偉くなりまして、エルメスから・・)。もちろん、他院でアルバイトをしていまして、収入はゼロではありませんし、はっきり言ってしまえば(この辺り、医療関係者はばらしてもらいたくはないんでしょうが)、私の場合、週たった一日半のアルバイトで、世間の普通のサラリーマンよりは多い収入を得ていると思います。医者の給料が高いか安いかはともかくも、我々医療界のお金の流れが、極めて”いびつ”な世界であることはわかってもらえるのではないでしょうか。我々の世界は、仕事量と収入とが、全く比例しないのです。

 私自身が勤務医なので、勤務医の不満をたれましょう。勤務医には労働基準法がなぜか適応されません。日中の8時間労働をした後に、ろくに寝れない16時間の当直、その後普段の日中の8時間労働、すなわち32時間連続勤務なんていうのは当たり前にあります。それが終われば帰れるかといえばそうでもなくて、遅くまで仕事をし、さらに家に帰っても、入院患者に何かあれば、いつ呼び起こされるかわかりません。科によっては(外科など)、夜中に緊急患者があれば緊急手術だ、緊急検査だなんてこともおまけについてきます。そして、なんと言っても、重症の患者がいつ来るかという緊張感と、来たときの責任感によるプレッシャーは計り知れません(これが、いざとなれば大病院へ転送すればいい開業医の先生との最大の差だと思います)。そして上の記事にあるように、そんなこんながあっても、決して収入に優位性があるわけでない(それどころか、私のようにただ働きさせられている病院もある)とコリャ、本当に仕事をしている意味を見失いそうです。

 そんなことで、ある一定の期間、勉強として大病院で働き、時期がこれば楽な病院へ移るか、開業するかと考えるのは、人間として当然かもしれません。医者といえども人間です。楽して儲かればそれにこしたことはありません。もちろん、勤務医、開業医、それぞれいろんな先生がいますので(これはもう、本当にピンキリです)、一概にどっちがどうとは言えないのも現実です。しかし、もう少しこの医療界の社会主義体制が改善できないものか、お国にも十分考えてもらいたいものです。お金の配分だけいじったからといって、変わるものではないと思いますが・・・・。

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