だますメリットありますか?
姉歯建築士による耐震強度偽装事件が世のマスコミをにぎわせています。今は姉歯氏よりもヒューザーの小嶋氏の方が格好のマスコミの餌食になっていますが、このとんでもない事件が私にはいろんな意味で理解できないんですね。金儲けのためにやったとは思うのですが、そのあまりに幼稚な思想に、私は首をかしげざるを得ません。
その昔、豊田商事事件というのがありました。お年寄りなどに「金(gold)を買いませんか?」と言葉巧みに持ちかけ多額のお金(かね)を集めたのですが、実は金(gold)は存在せず、集めたお金もどこかに消えちゃった?ってな事件だったかと思います。ついでに、会長宅に押し寄せた被害者・マスコミの前で、この会長が殺されるというショッキングなこともありました。
私は当時この事件がどうにも理解できませんでした。あまりにも理解できないので父親に質問しことを思い出します。
「なんで金(gold)はないのに、こいつらはあるなんて言ってだましたの?。返してくれって言われれば、いつかはバレるじゃん!。」そのあまりにも究極的な、ある意味、宗教的、哲学的な質問に、父も禅問答的に私に答えました。
「お前は、悪い事ができんと言うことだ・・・。」悪い事をやってるのをバレるのが心配な人間が、悪い事をするはずがない・・・、まあ確かにその通りかもしれません。しかし、当時中学生で純粋だった私の疑問は、中年のオジサンになりかけている今の私にとっても、理解しかねる疑問なのです。いくらお金をうまく集めたとしても、いずれ破綻することは目に見えています。破綻すれば、逮捕されるのも目に見えています。うまくいって夜逃げして隠遁生活か、海外逃亡か?、しかし最悪の場合、殺されます・・・、っていうか、会長は殺されました。殺されてまで、人をだまして金を集める行為が、やっぱり私には理解できません。命をかけて悪いことしているのにそのメリットが見当たらない・・・、そう思うのは、私だけなんでしょうか?。
今回の耐震偽装住宅を設計した、検査した、建設した、あるいは売りつけた人たちのことを考えると、この豊田商事事件のことを思い出してしまいました。この人たち、「バレたらどうしよう?」とは全く思わなかったのでしょうか?。バレたら、会社は倒産、責任者は逮捕されるに決まっているじゃないですか。というか、すでにその方向に進んでいるようですし・・。国会議員を使って、国に働きかけたところで、小嶋社長がどんなにテレビで叫んだところで、ヒューザーがすでに死んでいるのは明らかです。それに、例え今回バレなくても、それこそ地震でも起きて、少ない鉄筋があらわになったらヤバいとも思わなかったのでしょうか。いずれにしても、私は、今回のような結果を招くリスクをとってまで、鉄筋を減らしたメリットがわからないのです。一時的に儲かるかもしれませんが、やっぱり私には理解できません。
ただ、ヒューザーの小嶋社長は、私の考えている疑問を逆手に取る形で言い訳を繰り返しています。お金を払って欠陥マンションを買うわけがないと・・。さらに言い訳として、その欠陥マンションに、従業員が現在入居していると言うんですね。つまり、欠陥住宅を買うメリットがないのは明らかだし、欠陥を知らなかった証拠として従業員が住んでいる、だから、我々はだまされた、責任は無いって言うんですけど、どうでしょう。もし、この言葉を全面的に信用するとしても、それはマンションを売る専門家として、マンションを売る資格は無かったという、ある意味、自らの恥をさらしているに過ぎないと思います。魚屋さんが腐った魚を売って、仕入先の市場に文句言ってるようなものでしょう。腐っているかどうかもわからない魚屋さんは魚屋をやめた方がいいでしょうからね、きっと。
昔、宿題をやらずに学校に行き、先生に「なんで宿題やってこないんだ」と怒られた時、「宿題はやったんですけど、ノートを忘れました。」という言い訳がありました。私は、今回の事件に関わった人々が、だいの大人でありながら、この程度の幼稚な思想しか持ち合わせていないのではないかと思っています。言い訳をして、その場をやり過ごせば何とかなる・・という、実にある意味前向きな考え方なんですが、こと人命に関わることまで同じ思想では話になりません。なにしろこの言い訳、先生の次の言葉に青ざめることになるのですから・・。
「じゃあ、今から家に帰ってそのノートを取って来い!!」実は、今回の事件で一体一番悪いのは誰か?と言われれば、私は小嶋社長や姉歯建築士だとは思っていません。そのあたりは次回、手短に私の意見を書こうと思います。
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