« 被害者も加害者も | トップページ | ゼロ金利は税金でしょ? »

2005/11/21

Qちゃん、未来への激走

 東京国際女子マラソンで高橋尚子選手が見事な復活を遂げました。復活というと今まで負けつづけていたような感じですが、振り返れば、五輪選考レースの同じ東京マラソンで「2位」になって以来だそうですから、復活というよりはお帰りなさいという感じでしょうか。私は彼女が同郷ということもあり喜びもひとしおで、ゴール前には涙がちょちょぎれました。ゴール後、同じことしか聞かないインタービューアーのせいで、涙がとまってしまったのは最悪でしたが、それにもましてやっぱり出ました「何でアテネに高橋を選ばなかったのか!」議論には私の屁理屈をこねまくりたいと思います。
 
 それにしても、今回の高橋選手の走りにはすばらしいものがありました。一言で言えば、「強い」という感じです。怪我のことはともかくも、年齢的な問題で、もう往年の力はないのではないか?という憂いは全く払拭されました。そんなことで、やっぱりというか、高橋が五輪代表から漏れたことを「陸連の失策」とする話が出てきました。朝の「特ダネ」の小倉さんの発言なんですが・・。アテネに出ていたら間違いなく金メダルを取れていた?と言う雰囲気で話しているんですがどうなんでしょうね。

 小倉さんはQちゃんファンで、レースにも足を運んで、沿道で声援を送っていたようです。以前から「何で高橋を選ばなかったのか?」発言を連発していましたが、無論その辺り、人それぞれ意見があるのですから、選考直後にその手の発言があったのは仕方がないかもしれません。選考方法には曖昧さがありましたし、実績から選考レースの結果重視へ突然方針の変換があったことに反発があったこともやむを得ないと思います。しかし、オリンピックはもうすでに終わってしまっているのです。今になって「何で高橋を・・」発言は、オリンピックで走った3人にあまりにも失礼だと思うのは私だけでしょうか?。特に、私のような被害妄想系の人間からは(メジャーマイナー論)、最後まで出場枠を争った土佐選手にあてつけになってるような気がして気持ちのいいものではありません。彼女自身は何も悪いことしていないのですから・・。

 それにもまして問題だと感じるのは、この「何で高橋を・・」発言は、陸連を「一発選考」から「実績優先」へ逆戻りさせてしまうかもしれないことです。いや、今回の高橋選手の激走で、高橋選手に限っては、実績を考慮せざるを得なくなったと言えるかもしれません。今後高橋選手が順調に勝ち続け、北京五輪の選考レースで好走すれば文句ありませんが、微妙な順位を繰り返したり、怪我がちであまりレースに出ず、選考レースでこれまた微妙な順位やタイムだった場合、正直言えばそれがすでにピーク越えを意味していたとしても、おそらく高橋選手は選ばれるでしょう。実績優先の最大の問題はそこにあります。一ファンとしてはそれでいいのですが、オリンピックを最大の目標とするマラソン選手は彼女だけではないことを考えると、私自身は問題を感じます。むしろ陸連が「一発選考」の方針を貫き通すことができれば、逆に高橋選手の前回の選考漏れが浮かばれることになるのではないか?などと考えるのは、私の屁理屈に過ぎないのでしょうか?。

 歴史は一度きりしかありません。高橋選手がシドニー、アテネと二連覇していればそれはそれですばらしかったとは思いますが、逆に、アテネで撃沈していたら、そのまま引退し、今回の見事な復活劇を見ることはできなかったかもしれません。そんなこんな考えると、むしろ、一度挫折した後、北京で本当の力を見せ付けてくれる方が、感動があっていいじゃないですか。そんな夢を見たいと思うのが今日この頃の私であって、もし北京まで力が残っていなかったら仕方ありません、それはそれで後進に道を譲るべきでしょう。高橋選手だって今更過去のことをほじくり返してほしくないのではないでしょうか。今回の走りは、過去へのあてつけではなく、未来に向けての走りだったと信じます。そして、過去にこだわり、未来をつまらなくする行為には、屁理屈をこねたい私なのでした。

 人気blogランキングに登録しています。ぜひ清きクリックを!
 ↑↑クリック!

|

« 被害者も加害者も | トップページ | ゼロ金利は税金でしょ? »

コメント

関連記事をTBさせて頂きました。よろしくお願いします。

投稿: Dr.アート | 2005/11/30 09:02

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Qちゃん、未来への激走:

» マラソンでは [雑記帳]
Qちゃんこと、高橋尚子選手が見事な復活優勝を遂げましたが、「高橋がアテネに出てれば・・・」的な報道もちらほら見受けますが、そいつはいただけない感じもします。確かに代表選考におけるごたごた(ほとんどが陸連のご都合主義)は不透明極まりないものでしたが、過去...... [続きを読む]

受信: 2005/11/23 05:23

» Qちゃん復活 [七五白書 (しらけないために)]
 先頃、フィギュアのフランス杯で15歳の中三、浅田真央選手が初優勝しました。グランプリ2戦目での快挙です。スピードスケートでも、W杯男子五百メートルで20歳の加藤条治選手が34秒30の世界新記録を出して優勝したのです。若くして頂点まで駆け上がり、時代を動かす彼らには驚かされ、ただ「すごいな」と思わされてしまいます。  それが、もっとすごいのは、東京国際女子マラソンで優勝し、みご... [続きを読む]

受信: 2005/11/23 15:41

» ■復活優勝おめでとう:高橋尚子さん(2005.11.21) [アートを楽しく ―アートを身近に楽しんで頂けたら―]
昨日11月20日の東京国際女子マラソン。シドニー五輪金メダリストの高橋尚子さん [続きを読む]

受信: 2005/11/30 09:01

« 被害者も加害者も | トップページ | ゼロ金利は税金でしょ? »