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2006/01/28

「あなたは忘れられている」

 2001年1月26日、東京・JR新大久保駅で、ホームから転落した男性を助けようとして、韓国人留学生が亡くなるという惨事がありました。母国韓国はもちろん、日本国内でも、彼の勇気ある行動を称える声は少なくありません。そして、その事故からちょうど5年、彼を「偲ぶ会」が行われたという新聞記事を目にしました。彼をモデルにした日韓合作映画「あなたを忘れない」の撮影も順調で、来年春には公開予定とのことです。しかしながら、彼の勇気ある行動にケチをつけるつもりはもうとう無いのですが、この関連ニュースを見るたびにずっ~と思い続けていたことがあります。そう、誰かが忘れられていないでしょうか?。

 インターネットに記事を公開している大手新聞社で、見つけることができた、この「偲ぶ会」関連の記事での、事故の説明を含んだ書き出し部分を抜き出してみましょう(朝日新聞、東京新聞ではこの関連記事を見つけることができませんでした)。
 
 日本経済新聞は「JR新大久保駅事故から5年・都内で李さんをしのぶ会」、産経新聞は「「日韓両国民の扉開けた」 JR新大久保駅事故・李秀賢さんしのぶ会」と題し(両新聞とも同じ文章)、

東京都新宿区のJR新大久保駅で2001年1月、ホームから転落した人を助けようとして韓国人留学生李秀賢さん(当時26)が死亡した事故から丸5年の26日、「しのぶ会」が東京都内のホテルで開かれ、約250人が李さんをしのんだ。
 毎日新聞は「東京・JR新大久保駅事故:発生5年 「あなたを忘れない」 李さん偲び200人」と題し、ほぼ同じ内容で
東京都新宿区のJR新大久保駅で01年、線路に転落した男性を救おうとした韓国人留学生、李秀賢(イスヒョン)さん(当時26歳)が亡くなってから、26日で丸5年を迎えた。李さんを「偲(しの)ぶ会」が同日、千代田区のホテルで開かれ、李さんを描いた来春公開の日韓合作映画「あなたを忘れない」の撮影が、順調に進んでいることが報告された。
 残念ながら、上記3紙は、この事故の大事な部分を忘れてしまっているようです。(見つけた限りで)唯一、読売新聞だけが、「新大久保駅の人命救助から5年、韓国人留学生を偲ぶ会」と題し、次のように書き出しています。
東京・JR新大久保駅で2001年1月、ホームから転落した男性を助けようとした韓国人留学生の李秀賢(イ・スヒョン)さん(当時26歳)と、写真家の関根史郎さん(同47歳)が死亡した事故から丸5年がたった26日、千代田区のホテルで、李さんを偲(しの)ぶ会が開かれた。
 もう一度繰り返しますが、私は李秀賢さんの勇気ある行動に、ケチをつけるつもりはありません。しかし、この関連ニュースを見たり聞いたりすると、なぜか関根史郎さんのことが、抜け落ちていることがほとんどなのです。確かに、日本国内で起きた事故ですから、韓国人留学生の死の方がニュース性があるのはわかります。しかし、だからといって、全く同じ勇気ある行動をとり亡くなった関根さんをほとんど無視し、その行動への賛辞を忘れてしまっているのは大問題でしょう。

 そうなると気になるのが、李さんをモデルにしているという「あなたを忘れない」という映画です。韓国映画ではなく、一応日韓合作映画ということですから、主人公は李さんとしても、関根さんの扱いはどの程度のものなのでしょうか?。まさかと思いますが、マスコミ同様、「あなたは忘れられている」状態でないことを願うばかりです。

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コメント

「あなたは忘れられている」を読んだに違いない、読売新聞30日朝刊の1面「編集手帳」で
唐突に『26日(5年前)夜に起きたできごとに、胸を打たれた人は多いだろう(中略)危険も顧みず、とっさに身を動かしたのは、カメラマンの関根史郎さんと韓国人の日本語学校生、李秀賢さんだった。無念な結果になったが、2人の無私の行動が示した勇気の気高さを忘れることはできない』と述べられています。
 忘れられていなかったですね。

投稿: makyabery | 2006/01/30 16:48

makyabery様、コメントありがとうございます。
読売新聞は忘れていないようですね。その他の新聞各社、メディア各社の記憶の中にあるかどうか・・・、どうでしょうね?。

投稿: 彰の介 | 2006/01/30 21:44

私は関根史朗の母方の従兄弟に当たる者です。こうして今も史朗さんを忘れずにいて頂けている方がいらっしゃるだけでも大変嬉しく、一族の端くれとして御礼申し上げます。古い話になりますが、事件直後よりマスコミの報道は李さん中心でありましたが、それを気にされて李さんのお母様が史朗さんのお母様に「私の息子ばかり取り上げられていて申し訳ありません」と仰られたと聞いています。悲しみの最中の心遣いに私も大変感謝したことを覚えています。

投稿: | 2006/03/08 16:01

関根さんのお身内の方、コメントありがとうございます。
こうしてネットの片隅でごちているこんなブログへ、関係者の方がコメントを寄せていただけるとは思いもよりませんでした。コメントのエピソードはいいお話ですね。ぜひエントリーでご紹介したいと思います。

投稿: 彰の介 | 2006/03/09 02:52

僕は李さんと同い年の日本国籍を持つ在日(?)青年です。この事件のこと、本当にいろいろなことを考えさせられます。それは李さんのような同い年の人がいるということもありますが、やはりメディアの取り上げ方にしても彰の介さんと同様に、関根さんのことがあまり取り上げられていないということです。日韓という関係性もあるのかもしれませんが、関根さんという日本人もいたのだという事実を忘れるべきではないと思うし、日本人と韓国人が助け合った、このことを大切にしたいと思っています。稚拙な文章ですみません。

投稿: KZO | 2006/11/20 01:16

KZO様、コメントありがとうございます。
私も全く同感です。上記記事では、関根さんが忘れられたということを強調して書いていますが、もちろん、国籍を超えて一人の人間を助けようとしたということが大事であり、日本人も韓国人もないということが重要だと考えます。ニュース性がある方だけを強調されたことで、李さん家族もいい気持ちではないようですから(上のご家族からのコメント参)、協力して助けようとしたということをきっちり伝えるべきだと思います。

投稿: 彰の介 | 2006/11/20 09:29

中央日報の記事でも関根史朗さんの事が一言も書かれていない事実に反論されている人達は大勢します。

投稿: 睦月 | 2007/01/12 19:05

睦月様、コメントありがとうございます。
あまり、右翼系のネタにはしたくないのですが、中央日報あたりは最も注意して記事を書かないといけないのに、危機感なさすぎですね。

投稿: 彰の介 | 2007/01/12 21:48

件の映画ですが、残念ながら、関根史郎さんを完全に「忘れた」お粗末なものになってしまったようで、特にネットの映画評論ではその点への批判が溢れています。詳しくは記しませんが、経過を辿る限り、製作者の配慮のなさが一番の原因だと言わざる得ません。結果、「日韓友好」とは正反対の騒ぎになりつつあるのは悲しいですね。

亡くなられた御三方の御冥福を改めてお祈りします。

投稿: 正彦 | 2007/01/30 00:35

 正彦様、コメントありがとうございます。
映画の方は見ておりませんが、私もうわさをききつけてがっかりしております。おっしゃるとおり、本来あるべき反対の方向へ話が進んでいることは、製作者やらマスコミに問題があったといわざるを得ないと考えています。
 この記事は、平成18年1月28日のものです。
 一年後の平成19年1月29日、「あなたはやっぱり忘れられた」と題して記事を書かせていただきました。ご参考まで。

投稿: 彰の介 | 2007/01/30 01:14

はじめまして。
今から半世紀前、我が身を犠牲にしてまで見知らぬ日本人を助けようとした、ある一人のデンマーク人がいました。
彼の勇気ある行動を初めて知った時、私は感動で体が震え、涙が止まらなくなりました。
関根史郎さん、李秀賢さんもそうですが、こんな勇敢な方は世界中に居られるんですね。


http://www2.w-shokokai.or.jp/knudsen/sibai/sibai_0.htm

http://www.town.mihama.wakayama.jp/kikaku/knudsen/knudsen.html


投稿: ジョナサン | 2007/08/18 19:13

ジョナサン様、コメントありがとうございます。
国籍を超えて、人間として、人間を超越して振舞うことは、なかなかできないものですね。私は自分の命を投げ捨てるような真似はとてもできません(たぶん)。
こういう方々の記憶が埋もれないようにしてほしいものです。

投稿: 彰の介 | 2007/08/19 00:00

「あなたは忘れられている」で一番重要な
ポイントは、日本のマスコミの偏り過ぎた
報道姿勢であるということですが、他にも沢山あります。

投稿: 福島のつばき | 2008/06/12 13:49

福島のつばき様、コメントありがとうございます。
思想的な偏りという意味では、私は楽観しておりますが、私流で言うところの「それらしい」方向への偏りが多いのは間違いないでしょうね。

投稿: 彰の介 | 2008/07/07 23:01

映画について、関根さんのことがとりあげられていないとの事ですが、Wikipedia内の『あなたを忘れない』にこんな記載がありました。
以下抜粋↓
【花堂監督は関根さんの遺族が「そっとしておいてほしい」と断ったために、関根さんについては取り上げなかったとしており、最後に「李秀賢さんと関根史郎さんに捧ぐ」とのクレジットが挿入されている。】
軽視されたわけではないと思います。

投稿: アルファ。 | 2009/04/16 17:01

 アルファ。様コメントありがとうございます。
 私は本当の事実が知りたいですね。「そっとしておいてほしい」という言葉がどういう意味でどういう風に伝えられたかについてです。まさか、言い訳に使っているとしたら話になりませんから。
 まあ、映画については、おっしゃるとおり軽視ではないということであったとしても、マスコミの対応は、(何度もコメントしていますが)決して遺族の意向とは思えません。やはり、全般的に忘れられている傾向と、李さんを過剰に持ち上げる(あくまでマスコミ的な意味でですが)傾向がないとは思えません。
 上記、遺族の意向がどういう風にマスコミに伝えられているかによりますが。

投稿: 彰の介 | 2009/04/16 19:23

李さん、関根さんの行動には本当に人として感銘をうけました。
この勇気は次世代の若者に必ず受け継がれていくでしょう。

ただし偏向報道したマスゴミは自らの体である新聞紙に火を放って浄化されてくれ

投稿: | 2009/05/15 16:43

関根さんの事は 日本人のはずの自分もスッカリ 忘れていた・・・と云うより 全く 知らなかった、というのが 本音です。
あの映画が テレビで放送されて ちょっと取り上げられたので 改めて知ったと云う御恥ずかしい次第です。
関根さんの御遺族の方々に 衷心より お悔み申し上げます。

と同時に あの時 如何に一歩的に偏った報道がなされ、多くの日本人が 李さんの名前だけを 頭に刻み込まれるように マスコミが偏向報道したか、思い知らされました。
まあ、そう云った偏向報道にも一理あったのでは、とも想います。
日本のマスコミは ほぼ完全に韓国や中国に乗っ取られているのだし、韓国人が 日本国内で 立派と云えそうな事を したのは 自分の知る限り 李某のみなのですから・・・・・・

悪行は 数限り在りませんが・・・・・

猫が鼠を噛んでもニュースには ならないが ネズミが猫を噛んだっていう 唯一の事例だったのでしょう。

投稿: tama | 2010/05/25 01:08

先ほどの書き込みから いろいろ 調べてみました。 ご参考まで・・・・

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%82%92%E5%BF%98%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84

http://www.nikon.co.jp/news/2001/sekine_01.htm

http://mishisada.hp.infoseek.co.jp/alumni_meeting28/page2.htm

ウィキペディア の一番下の 映画会社2社の外部リンクは 消されていました。
一説では しばらく前には 登場人物の関根さんの名前が 抹消されていたとか・・・・

投稿: tama | 2010/05/25 02:08

 tama様、コメントありがとうございます。
韓国人云々は私の本意ではありませんが、いずれにしても、なぜ名前が消えてしまったのかは未だに疑問です。
 リンク先のように、騒ぐわけではなく、関根さんを偲ぶことは、非常に大事なことだと感じています。

投稿: 彰の介 | 2010/05/25 11:37

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この関連ニュースに接するたび、いつも「関根史郎」さんの名前がないのが気になっていました。実は、お名前は調べなければわからなかったのです。カメラマンの方ということしか記憶になかったのです。すみません。 あまりにも続報や真実に不自由しています。しかし、その後、事故の記憶が善意の救助につながったのではないかと思われる事例があったそうです。きっと関根さんも喜んでおられますね。 ... [続きを読む]

受信: 2007/01/27 19:59

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