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2006/12/02

罰則の強化の意味するもの

 飲酒運転や、それに関連する事故が厳しく罰せられる世の中になりました。少年法も改正され、子供だからと凶悪犯罪でも許されるなんてことはなくなりつつあります。死刑と判断されるハードルも低くなり、死刑判決も今後増えてきそうです。いずれにしても、罰則が強化されて、その犯罪抑止効果を期待していると思われるのですが、さてさて、本当に罰則の強化が抑止につながるのか、抑止だけがその意味するところなのかと考えると、いろいろと考えさせられることがあります。

 飲酒運転はさすがに出来なくなりました。公共交通の発達した東京生活ならいざ知らず、少し地方に行けば、車しか移動手段がありませんから、家から少し離れた飲食店にも行くの車ということになります。しかし、それがお酒のおいしいお店だったら困ります。自然、移動手段がないから、お気に入りだったお店から遠のいてしまうなんてこともあるのではないでしょうか。飲酒運転という意味では、抑止効果ばっちりという実例で、それで交通事故が減ればいいという考えもあるでしょうが、道中検問さえなければ車で行ってもいいか・・なんていうことも頭にちらつく方、私以外にも結構いるのではないでしょうか。

 しかし、この飲酒運転の問題の本質を考えれば、この罰則強化というのは本末転倒な話だと思えてなりません。「飲酒運転をすると罰則がきついからやめる」というような考え方は、まさに抑止効果そのものですが、本来は「飲酒運転をすると事故を起こす可能性が高くなり、場合によっては悲惨な死亡事故をも誘発するかもしれない」からこそ飲酒運転をやめるべきなはずです。事故を起こす可能性が増すことはどっかに行ってしまって、罰則だけに目が行ってしまう現実を考えると、所詮程度問題(見つからなければいいかと考える勇気?の度合いの個人差)で、まあいいかと考える人間が結局事故を繰り返すことになるのでしょう。

 誤解を恐れつつ?言えば、罰則の強化は、起きてしまった事故による被害者家族のやりきれない気持ちの代償に過ぎません。それ自体に意味がないとは思えませんし、当然のこととは思いますが、やはり事故を撲滅することが目的であるならば、罰則をちらつかせた抑止効果には所詮限界があると思うのです。
 もちろん、性悪説的に言えば、罰則の強化以外に、事故を減らせる有効な方法があるのかといわれると、残念ながら私に有効な方法を答えることはできませんが、昨今の日本の倫理観の欠如から生まれる数々の問題を考えると、性善説的に問題の本質を訴える必要があるのではないかと考えてしまうのです。実に遠回りで、実に悠長な方法ではありますが、急がば回れです。

飲酒運転は痛ましい事故の加害者となる可能性があります。だからこそ、見つからなければいいなんて考えはやめようではありませんか。

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コメント

性善説に基づくあなたのような考えを持つ人もいれば、法の隙間をくぐって自分達が好き勝手しようという者もいる。いかに法の隙間をくぐり抜けるかということを、多人数で知恵をしぼって考えている集団もいることを考えれば、その隙間をふさぐのは、安全な国家を築く上で必要不可欠なことです。今後は人間生悪説が、法の基本となるはずです。

投稿: オトナ | 2006/12/03 00:34

オトナ様、コメントありがとうございます。
エントリーしようと思うのですが、私がうれいているのは現代の子供たちのことです。そもそも子供は隙あれば悪さをするものかもしれませんが、最近ますます罰せられなければ何をやってもいいという印象があります。これは現代の大人の世界の裏返しのような気がしてなりません。子供に性悪を教え込むというか、それが当たり前とする社会はまずいかなあと考えているのです。

投稿: 彰の介 | 2006/12/03 09:19

 そもそも罰則の強化自体に犯罪を減らす効果はありません。あなたが指摘するように単に報復感情をはらすだけのものです。それどころか、罰則を強化していくと、「いかに法の隙間をくぐり抜けるか」という発想がでてくるようになりますし、事故を起こしたときに「怖くなって逃げる」人を増やすことになります。

投稿: | 2006/12/03 09:20

子供達が、大人の影響を受けているのではないか、というのは同感です。子供達は大人の真似をし、なおかつなるべく楽しい道に逃げようとする。となれば、大人社会の悪しき部分を濃縮したのが子供社会、だということになりますね。それを放っておくと、その濃縮された悪がいずれ大人社会に放出され、その後また別の子供達がそれに学び、さらに悪を濃縮し、という悪循環なのでしょうね。
その悪循環をどこで断ち切るか、というと、確かに罰則強化だけでは不十分な気もしてきました。

投稿: オトナ | 2006/12/03 15:56

○○様、オトナ様、コメントありがとうございます。
罰則強化が、罰則の適正化であれば、それを否定するものではありませんが、それが究極の解決法と考えるのはまずそうですね。
子供と大人の悪の悪循環は全くの同感です。いじめの問題なども、大人の社会と同じのような気がしてなりません。

投稿: 彰の介 | 2006/12/03 19:17

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