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2006/12/01

寝るのが仕事の当直

 だいぶ更新がお久しぶりになってしまいました。「忙しい」という言葉はあまり使いたくないのですが、この30日ほどで当直が6回あり、その間に「ハニーハネムーン」(大爆笑)をはさんだせいで、更新どころではありませんでした。

 ところで、この「彰の介の証言」も多少模様替えをと考えておりまして、「短文頻更新」要するに、「更新頻度をあげる」というのを第一の目標にしたいと考えています。更新頻度を上げるためには、文量を少なくするか、内容をええかげん(←岐阜弁?)にするかなわけですが、まあ、たぶんその両方なんでしょう・・。駄文という意味では今までどおりといううわさもありますが・・・。

 ということで、今回は、更新頻度を鈍らせた「当直」のお話です。私は職業柄やぶ医者をやっているわけですが、この当直業務というのはなかなか大変なものです。以前のエントリーでも書いたのですが、病院の当直業務に労働基準法は全く当てはめられません(救急外来の裏側(2)なぞを参照してください)。日中の業務をこなして、引き続き当直に入り、次の日も普通に仕事をこなす、つまり32時間労働が当たり前です。当直料が高いかといえば、私が働いているところで2万円程度です。2万円ももらえれば、6回やって12万円!!、うらやましすぎる!!と思われる方、ぜひ私と仕事を変わってください・・。16時間の深夜労働、時給1250円が不眠と緊張感の引き換えであることをお忘れなく。

 しかし、世の中いい世界があるもので、私が働いている3次救急のハードな不眠当直があるかと思えば、いわゆる「寝直(ねちょく)」と呼ばれるほとんど寝ていられる楽な当直も存在します。救急患者の来ない小規模あるいは療養系の病院で、しかし当直は必要なので、大学病院などのバイト先になっていることが多いところです。さて、こんなほとんど寝ていられる当直はおいくらほどのバイト料がもらえるかというと、私の現在の当直から見れば5千円?、1万円?なんて想像されるかもしれませんね。いやいや、実はこういった当直で3万~4万は当たり前といったら皆さんはどう思われるでしょうか。時々救急患者がくる、寝れない系の病院なら5~6万は出してもらえるかもしれません。自前の医者で当直ができない病院は、値段を上げて大学などからきてもらうしかありませんから、「あそこの病院の当直料は安い」なんていわれないような値段設定がされているわけですね。我々から見れば随分不公平な話ですが、そうはいいつ、一時そんな不公平の恩恵にあずかった私としてはなんともいいようがありません・・。
 
 しかし、そんなことよりも問題なのは、救急患者が来ないことを売りにして、当直に来てもらっている病院があるという事実です。中には救急指定になっている病院なのにも関わらず、「満床です」「今日の先生は専門ではありません」なんていって100%救急車を断ることを条件にしている病院が存在しているのです。さらに私がとある情報筋に聞いたところによると、週末の救急業務を安泰にするため、金曜日にとにかく軽症の患者でも入院させて、満床にし、土日の救急車お断りとする病院があるらしいのです。いや~ここまで来ると、あいた口がふさがりませんが。

 私個人としては、いろいろな病院を渡り歩いたおかげで、現在の救急医療の光と影を垣間見てきました。以前、脳出血を起こした妊婦の搬送を20件近くの病院が断ったなんていう話がありました。マスコミはただ病院側を批判しただけですが、インターネットの世界で、医療関係者がその一方的な報道に怒っていたようです(Ohmy Newsのこのあたりの記事がまとまっていますか)。しかし、裏の裏を知っている私からすれば、20件近くの病院がそろいもそろって搬送拒否というのはありえない話で(もちろん真の事実はわかりませんが)、罪はないと弁護するような価値は、私にはとても見出せないお話です。

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