「あなたはやっぱり忘れられた」
2001年1月26日、東京・JR新大久保駅で、ホームから転落した男性を助けようとして、韓国人留学生と日本人カメラマンが亡くなるという惨事がありました(うっかりしていましたが、転落した方も亡くなっています)。ちょうど一年前、「あなたは忘れられている」というエントリーで、マスコミ各社の多くが、韓国人留学生、李秀賢さんばかりを報道し、同じ勇気ある行動をとり亡くなった日本人カメラマン関根史郎さんを、無視していることが多いということを書きましたた(前回エントリーにも書いたのですが、李秀賢さんにケチをつけるつもりは毛頭ありません)。この事故をモデルにした映画「あなたを忘れない」の撮影が進んでいるとのことだったため、まさか、映画の中でも関根さんは忘れられていないだろうか大変気になっていたのですが・・・。
そしてついに、この映画「あなたを忘れない」が1月27日公開され、それに先立って行われた試写会には、天皇皇后両陛下も出席されたようです。しかし、その内容はというと、どうも残念ながら私の憂いが当たってしまったといううわさがもちきりです・・・。
私はこの「あなたを忘れない」を見ておりませんので、本当はなんとも言いようがないのですが、オーマイニュースの記事を見たところ、予想通りというかなんというか、マスコミ報道で関根史郎さんの扱いが小さいのと同様に、この映画においても、関根さんの扱いは脇役程度のようです。上記リンク・映画のオフィシャルサイトのキャストにも関根史郎の名前は出ていません。これが、韓国人による韓国人のための映画であれば、それはそれでいいのかもしれませんが、日韓合作映画であるということを考えると、極めて残念というか、日本人スタッフがいながら、なんとも思わなかったのか?が不思議でなりません。そんな扱いで、「故・李秀賢さん、関根史郎さんにささげます」というのは、大いに問題があるでしょう。
実は前回エントリーで、関根史朗さんの母方の従兄弟という方からコメントをいただきました。エントリーで紹介したいと思いつつ、一年が経過してしまったことをこの場でお詫びします。ここで紹介させていただくと、
古い話になりますが、事件直後よりマスコミの報道は李さん中心でありましたが、それを気にされて李さんのお母様が史朗さんのお母様に「私の息子ばかり取り上げられていて申し訳ありません」と仰られたと聞いています。悲しみの最中の心遣いに私も大変感謝したことを覚えています。この内容が真実だとすれば、この映画を関根さんのご家族の方がどんな気持ちで見られるのかということはもちろんのこと、李さんのご両親も心から納得して見ておられるのかどうか、疑問が残るところです。そんなことを考えると、故人にささげるというよりは、「そこに美談があったから映画にしちゃえ!」っていうノリが見え隠れしてしまい、なんともいえない気持ち悪さが残るのは私だけでしょうか。
それにしても、どうしてこの映画のタイトルに「あなたを忘れない」を選んだのでしょうか。本当に皮肉としか言いようがありません。そして私は、「関根史郎さん、あなたを決して忘れない」と宣言させていただきます。もちろん、李さんも・・。
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