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2007/01/12

里山の柿の木

 昨年の秋だったと思いますが(古い話ですみません)、テレ朝の報道ステーションで里山の中継がありました。秋の里山の中に、古びた一軒家があり、その隣に、見事に実をつけた柿の木が一本あるという、それは美しい風景で、写真愛好家の方々の格好の撮影スポットになっているとのことでした。番組では、ライトアップされた柿の木を放送していましたが、木の枝一杯に実をつけたその柿の木は見事の一言で、なくならないでほしい日本の風景だなあと感じていました。

 しかし、この中継の中で、きわめて残念だったのは、中継したアナウンサーの発した次の一言でした(といっても、実際話していた言葉を忘れてしまったので、ちょっと恣意的に改ざんして、私の気持ちがわかるように加工させていただきました)。

この柿の木は、なぜか2年に1度だけ、このように見事に実をつけるそうです
 うむむ、残念。2年に1度しか訪れない貴重な風景であることを強調したかったのでしょうが、言わない方が良かったですね。家の庭に柿の木があり、柿を非常に身近に感じている(故郷岐阜は、柿の産地でもある)私としては、一言突っ込まざるを得ません。じつは基本的に柿というのは、一年おきに実がなったり、あまりならなかったりする植物であり、この中継された柿の木に特有の現象では全くないのです。ごく当たり前のことを、なんとも不思議で神秘的だと演出されてしまったことは、知っているものからすると、あまりに興ざめしてしまう一言だったのです。

 おそらく現地のアナウンサーは、原稿を読んでいたのでしょうから、そのアナウンサーだけが知らなかったわけではないでしょう。原稿を書いた人も、テレビのスタッフも、誰も柿の木のそんな性質を知らなかったのでしょう。私からすると、あまりに当たり前すぎる話なので、誰も知らないというテレビのスタッフにはびっくりしますし、それでいて、里山の風景が美しいという感覚には、なんとなく違和感というか、うさんくささを感じてしまいます。
 何も知らない人間が、何も知らないことを評価するという矛盾、私が偉そうにいう話ではありませんが、昨今のテレビ番組や報道はそんなパターンばかりです。

 そんなことを、あざらしさん▽どっちもどっちという記事を読んで思い出してしまいました(あまり関係なかったらごめんなさい)。しかし、私自身も、全てを知って、モノを書いているわけではなく、そのあたりが自己矛盾なわけですが、そんな自己矛盾ネタを、次回・・(予定は未定)。

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コメント

♪おはようございます、TBありがとうございます。

この報道ステーションは見ていませんが、柿の話(一年おきに実がなったり、あまりならなかったりする)は、私も知っています。
ただ、私がその話を初めて聞いたのも40の頃でしたから、おそらくアナウンサーも、その他のスタッフも、若い方ばかりで知らなかったのでしょう。
そういう意味では、近年はよく「年功序列=悪」みたいに言われますが、見方を変えると「経験値による客観的な能力評価」と考えることも可能ではないかと思います。

さて本題の方ですが、私もテレビや新聞でさも正しいことのようにいいかげんなことを言っていることが不満なのです、笑。
以前に書いたことがありますが、自分の専門分野に限ると、テレビや新聞で報道されていることの3割位は、事実誤認や誤った見解が混在しています。
ということは、その他のカテゴリーでも専門家が見るとほぼ同じ割合で間違いが混在していると想像すべきで、玉石混合は、ネットとなんら変わらないと思っています。
もちろん、報道する側が全て意図的に間違ったことを伝えているとは言いませんが、テレビや新聞が伝えると視聴者は間違いであっても正しいことのように受け入れがちです。
ですから、国民に正しい情報を伝えるのがマスコミの使命なのであれば、せめて間違いの指摘を受け入れるための「受け皿」くらいは用意すべきでしょうね。

投稿: あざらしサラダ | 2007/01/14 07:29

あざらし様、コメントありがとうございます。
 柿の木のことは、実に細かい私の突っ込みであり、テレビのスタッフが知らなくてもそんなものかなあ、とは思っています。それはともかく・・。
 ちょっと気になるのは、あざらし様ご指摘の、年齢的な問題もそうですし、もっと気になるのは、日本の場合、情報の発信地が、東京であるということも問題があるように思います。要するに、東京ローカルな人間で、ある限られた年齢層の人間が、限られた知識の中で情報を発信していることです。
 とまあ、本文でも書きましたように、偉そうに私が言うことでもないのですが、マスコミが全能であるような錯覚はしてはならないですね。

投稿: 彰の介 | 2007/01/14 21:53

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 最近またしても鬱の症状が悪化してきている。折角去年は調子が良かったのであるが、 [続きを読む]

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