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2007/09/14

自民丸沈没の予感

 私は、一応、中国史というのを趣味にしています。特別な知識を持ち合わせるわけではありませんが、その血みどろの権力闘争を通読し眺めていると、人間のおろかさを十分堪能できます(笑)。

 別に中国に特異的な話ではありませんが、何故か王朝と言うのは、数百年のスパンで交代する宿命を持っているようです。どんなに隆盛を極めた王朝も、なぜかほころびが生まれ、乱れ、そして滅亡していきます。日本史でも同じことが見られますが、盛者必衰とはよく言ったものです。

 この滅亡の原因はなんなのでしょうか。な~んて、専門家でもない私が解説するようなことではありませんが、そこは趣味ですので、いろいろな原因の1つを挙げさせてください。あくまでいろいろある原因の中の、ひとつの仮説です。

 それは、権力闘争にあります。王朝ということになれば、皇帝の座を巡る権力闘争もありますし、家臣たちの権力闘争もあります。権力闘争も、よい意味での競争となれば何の問題もありません。しかし、権力闘争のためだけの権力闘争、あるいは、いわゆる足の引っ張り合いが始まると目も当てられなくなります。
 
 例えば、ある王朝の家臣AとBの間に、ライバル関係が生じたとします。例えば戦いの時に、より大きい戦果を上げた方が上位に立てるわけですが、逆に、相手が失態してくれるとこれまた上位に立てるという理屈もあります。ですから、Aが戦いに出たときに、BはわざとAが負けるように画策したりし始めるわけです。

 AとBだけの関係であれば、Aが負ければ、Bが権力的に強くなって、めでたしめでたしという話ですが、王朝にとっては、戦いに負けるのですから、王朝の弱体化につながります。戦いだけではありません。往々にして優秀な人物というのは、無能な権力者にやっかまれ、罪を着せられ殺されたり追放されたりすることがあります。権力者にとっては、ライバルの出現の芽を摘み、権力を安定させることにはなりますが、王朝にとっては優秀な人物を失い、これまた弱体化につながってきます。

 つまり、王朝を船に例えるのであれば、わざと船底に穴を開け、穴が開いた責任をライバルに押し付けるようなもので、そんなことをしてまで権力の座についたとしても、気付いた時には、船は沈没寸前だったりするわけです。あくまで船あっての自分、王朝あっての自分の存在というものを忘れ、ただただ権力におぼれ、自分のためだけに行動していれば、いつの間にか、自分自身が身をおいていた存在がなくなってしまうことがありうるという話です。

 まあ、そんな話とは一見関係なさそうですが、安倍首相辞任後の自民党を見ていると、船底に開いた穴に気付かないまま、自民丸の船長を誰にするかにきゅうきゅうとしているように思えてなりません。
 例えば、農水大臣が辞任することを、「船底の穴が広がった」と考えている人は少ないでしょう。早めにやめればそれで問題なし、誰かにポストを譲ればそれで良しとでも考えている雰囲気さえあります。自分さえ、身体検査に合格すれば、あとの人間は合格しない方が自分の株が上がるなんて考えている人も多いかもしれません。しかし、それでは、自民党不信はどんどん広がるわけですから、気付いた時には自民丸は沈没し、身体検査合格のはずの自分の存在自体の身の置き場が消えていたということになりかねないわけです。

 といいつつ、自民党という党は私の考えるようなボロ舟ではなく、不沈艦かもしれません。沈んだら沈んだで、「潜水艦だ」と言い張りそうですし・・・(笑)。まあ、なんといっても、ライバルの船の民主丸も怪しい限りですから。政治という大きなくくりでいえば、自民党の失態を民主党は喜んではいられません。政治不信自体が、民主丸の底に穴が開いたことと同じなのですから・・・。でも、それを追い風だと信じてやまないところは、それはそれで末期症状なのかもしれません。うむ、誰か早くそれに気付いてくれないと、日本丸が沈没しますぞ!。

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コメント

お久しぶりです。ここまではっきりした論功行賞は、ある意味気持ちがいい?思いっきり昔に逆戻りしてますね。

投稿: でめ | 2007/09/24 19:12

 でめ様、コメントありがとうございます。
論功行賞は大事ですね(笑)。私個人は、サプライズ人事よりサプライズという感じです。さて、大臣人事はどうなるのでしょうか。
 そのあたり、上に書いたように、論功行賞がうまくいかなければ、自民党が立ち行かないというのであれば、あるいは、論功行賞にありつくための、総裁擁立だとすれば、それはそれ末期的であって、終わりが見えてきているのかなと感じなくもありません。

投稿: 彰の介 | 2007/09/25 16:07

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