新・警察の怠慢
以前「警察の怠慢」という記事を書いたのですが、またしても警察に怠慢な対応があったので、密かにネット上でチクらせていただきます。
私は職業柄やぶ医者をやっているわけですが、先日病院に運ばれてきた患者のお話です。その患者さん、誰かにある飲み物(ペットボトル)をもらったらしいのですが、その飲み物を飲んだ後(2口ほど)、吐き気をもよおしたというのです。近医にいって治療を受けたようですが、吐き気が止まらず、血圧まで低下してきたとのことで、救急車で私のつとめている病院へ搬送となりました(細かいところまでは当然ながら書けませんのでご容赦を)。ちなみにその飲み物、異臭がして泡立っていたようです。
他人から飲み物をもらい、飲んだら調子を崩したわけですから、なんか事件臭い話のように感じませんか。もちろん、事件かどうかは全くわかりません。患者さん本人の言っていることも全て鵜呑みにはできません。とにかく、捜査しなければならないでしょう。しかし、この件で近医から通報を受けた警察の対応はこれまた極めて怠慢なものでした。
警察がとった行動は、「患者本人の容態がよくなったら話を聞きに行く」とそれだけだったといいます。担当した当直医が、当然のごとく「飲んだペットボトルを本人が持ってきているが、どうすればいいのか」と尋ねたところ、なんと
「捨ててください」と答えたらしいのです。最大の物証である、このペットボトルを捨てるよう指示するのは信じられません。
さらに翌日、担当医が再度警察に連絡を入れたのですが、逆に警察の方から、その患者に自殺企図があったのではないかということを聞かれたようです。つまり、他人から飲み物をもらったのではなく、本人が自殺しようとして、何らかの物質を飲み物に混ぜて飲んだのではないか?というんですね。まあ、何も捜査していないくせに、勝手な作り話をするなという話ですが、むろんその患者に自殺企図は無く、むしろ、そんな話をでっち上げようとしている警察の豊かな想像力には感心せざるを得ません。自殺でも何でもいいのでしょうが、とにかく事件にはしたくないという、警察の意図をまざまざとみせられている感じです。
そのときの電話でも、結局その飲み物の回収の話にはならず(当然ながら、捨てずに残しておいた)、そんな状況のままでいいのかということを担当医から相談され、とにかくその飲み物だけは、警察に回収してもらうことになったというのが、今回のお話の顛末です。その後音沙汰もなく、飲み物の検査が行われたかどうかは全くわかりません。まあ、患者さんは快方に向かっていますから、適当に処理して事件にだけはしないでしょう。
しかし、それにしても世間で毒餃子が大問題になり、毒物に関する関心が高まっているこの時期に、また、相撲部屋での力士死亡事件で、警察の初動に問題があった(事件性はないと判断した)とされているこの時期に、まあ、何もしないを絵に描いたような行動をとる警察にはびっくりです。何もしないなら何もしないで、せめて、飲み物だけでも回収しておけばよかったのにと思うのは私だけでしょうか。こちらは治療に当たっている立場なので、捜査上のことをねほりはほりすることはないわけですから、飲み物だけ回収して、警察の方で捨てればよかったと思うのです。
結局のところ、どれほどに警察がたたかれようとも、その場で反省したとしても、末端レベルでの体質というのは全く変わっていないということでしょう。人間の本質、それは楽がしたいということで、ある意味、けなげな努力を惜しまず、仕事量を少なくしようとするその本能は、いかんともしがたいということなのでしょうか。
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