エコ・幻想(3)
ガソリンなど燃料価格の高騰とともに、現在問題になっているのが穀物価格の高騰です。原因はいろいろといわれているようですが、その一つに、トウモロコシ等の穀物が、食料や飼料として使われず、バイオエタノールの原料になっていることがあげられています。
私はどうしても、この直接間接的に人間の食料にするべき穀物を、燃料に変えるという行為が、とても「エコ」とは思えないのですが・・・。
そもそも論として、食料を燃料に変えるということ自体が本末転倒という話もあります。車を動かすために、飢え死にする人間がうまれてしまうことは、まったくもっておかしな話です。
ついでにいえば、高く売れる穀物の生産のために、森が切り開かれているという噂もあり、これまた全く持って本末転倒もいい話です。
そんなそもそも論を置いておいたとしても、本当にバイオ燃料はエコなのでしょうか。
理屈としては、バイオ燃料を燃やして発生したCO2は、また畑でトウモロコシに生まれ変わるので、計算上CO2は発生しないというのですが。どうもこの理論、聞けば聞くほどうさんくさい話です。
私の感じるうさんくささは、この話が「永久機関」の話によく似ていると思うからです。太陽電池で電球を光らせたら、太陽電池を使って、その光を利用して発電し、また電球を光らせる・・・、という誰もが一度は考える永久機関の幻想と何かだぶっているように感じるのです。要するに、永久機関の話は、どこかに「抵抗」が働いていて、うまくいきません。電球の光のエネルギーを100%の効率で電気に変えることはできないでしょうし、電球そのものに電気抵抗がありますから、どんどん電気が目減りしていくのは明かです。
つまり、トウモロコシに蓄えられたエネルギーは、100%の効率でバイオエタノールへ変換され、100%の効率で自動車の動力に変わっていくのでしょうか。だとすれば理想的ですが、この効率が100%でなければ、目減り分のエネルギーが必要になりますから、そのエネルギーを生み出すために、CO2が余分に発生しませんか?。
そう考えれば、このエネルギー効率は、本当に、トウモロコシの育成収穫のサイクルに見合う効率なのでしょうか。ひいては、トウモロコシを作るに見合う効率なのでしょうか。
値段がつり上がったことで、農家の金銭的な効率は相当に見合っているのでしょうが、エネルギー効率はちゃんと「エコ」と呼べるものなのでしょうか。
このあたり、私には知識がないので、明確にお答えいただける方がおられれば教えてください。
私は、極めて非効率だろうと感じていますが・・・。
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コメント
こんにちは、
一応、CO2排出系の仕事のはしくれなので、若干の知識があるのですが、一応バイオエタノールは炭素の「同時代性」なので化石燃料を使わないのですね。ただ、コーンっていかにも無駄な部分(葉とか茎とかしんとか)が多く、いずれくさっちゃうのでしょうか。天日で干してから、燃焼エネルギーに使えばいいと思います。
よく、太陽光発電ばかりに目が行きますが、濡れた植物とかゴミをそのまま燃やすと、水分の気化にエネルギーが必要になるので、太陽光乾燥も使えばいいのに、と思っています。
実際に、エネルギに詳しい人はエネルギ産業にいるのですが、自社が不利になるようなことは知っていてもいわないのですね。
投稿: おおた葉一郎 | 2008/07/13 20:23
おおた様、コメントありがとうございます。
トウモロコシのうち、燃料にするのは、あの食べる実の部分なのですよね。だから、茎とか、芯とかを有効にエネルギーに変えられるのであれば問題ないようにも思うのですが。
太陽光乾燥という概念はありませんでした。究極的に言えば、地球のエネルギーの根源は太陽ですから、効率的な利用法、技術革新を望みたいです。
投稿: 彰の介 | 2008/07/14 09:03