前世とシュバイツァーと(5)
男性をやっていて困るのが、家の中で虫が出現すると「何とかして!」と言われることです。前回書いたように、虫一匹といえども殺したくない心優しい私は(笑)、できれば屋外へ逃がしてあげたいわけですが、これは女性からはあまり評判が良くありません。母、姉、嫁などの女性陣から、「何とかして」と言われることは、正直少なく、「はよころしゃー!!」(訳:早く殺さんかい!!ボケ!!)と、命を奪うことを命令されることが多く、困ってしまうわけです。ティッシュのたぐいで、虫をぎゅっとつぶして、ゴミ箱へポイっとするのが男の使命とされているようですが、私に男としての誇りはありません。
女性といっても、今は亡き明治生れの私の祖母は、そんな軟弱な現代女性とは違いました(軟弱な私は置いておいて・・・)。ゴキブリを見つけると、素手でつかみ、上下半分に折り曲げて「ブチ」っとつぶし、あの世に送っていました。まあ、相当に衝撃的な現場であったことはいうまでもありません。私自身、大半の虫やら蛇やら、苦手なものはありませんが、ゴキブリだけは苦手で、この世で一番恐ろしいものといえば、「空飛ぶゴキブリ」だと感じています。ゴキブリ、飛ぶんですよ・・・(鳥肌・・)。
虫一匹殺さないと言いつつ、差別的にいろいろ殺していることは前回書いたわけですが、もちろん、この苦手のゴキブリも命を奪う以外の選択肢は私にはありません。大学時代の下宿先では、ゴキブリホイホイを大量に配置していました。そしてこのゴキブリホイホイにかかったゴキブリが死ぬのは当然ですが、一度誤ってヤモリがかかっていたことがありました。まあ、東京にもヤモリがいるのだなあと感慨深く感じたのはともかく、このヤモリにまだ息があったため、ゴキブリホイホイの粘着剤をちまちまと解いて、外へ逃がしてあげました。ゴキブリに生まれると殺され、ヤモリに生まれると助けられる、この差別社会を形成している張本人が私だと思うと、まあ複雑というか何というか・・・。
結論的には、殺すも殺さないも、自己満足、個人的納得の世界ということでしょうか。
「はよころしゃー!!」と叫ぶ嫁に、少しは命の大切さ、生命への畏敬をはらってもらいたい(特に大病した嫁ですから、あまり命を粗末にしてほしくない)と真剣に思っている私ですが、嫁から「今日何が食べたい?」と聞かれれば、「ステーキか焼き肉、霜降りのええとこ!!」と答えている自分に、何か釈然としないものを感じているという、どうでもいいお話しです。
ましてや、この程度の生命への畏敬で、将来地獄ではなく天国へ行こうとしている私は、まさに「むしがよすぎる」かも。おあとがよろしくない?ようで・・・。
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