医学博士
またしても随分あけてしまいました。皆様お久しぶりでございます。やぶ医者の彰の介でございます。
実はなんだかんだありまして、このたび俗に言う「学位」なるものをいただきまして、晴れて「医学博士」を名乗ることができるようになりました。
昨今、国公立大医学部において、学位の審査時の教授陣への金銭授受が問題になりましたが、私からすれば正直「今さら・・」的な話です。はっきり言って、昔は慣例です。たぶん。
昔も今も正義を貫く人間はいるもので、“正式な学位審査料を支払っているにも関わらず「付け届け」などする必要はないはずだ”と主張し、断固拒否した御人がいたようですが、当時は(当然大学の内々で)大問題になったようです。いやな世界ですね。
現在はどうかと言えば、最低限、「もらえなかった」「わたさなかった」ということが問題になることはあり得ないと思われます。教授の方が請求したりしたら、そっちの方がアウトです。まあ、今後の自身の出世や安泰な生活のための貢ぎ物が、この世から消えるとも思えませんが。ただもっと言えば、その程度の貢ぎ物くらいで、自身の未来が安泰になるとも思えません。もらって10秒もすれば、もらったこと自体忘れられてしまうと思います。大学教授なんてそういう生物です。
さて、学位とはなんぞやと考えてみますと、今のところただのステータスとしか言いようがありません。大学医学部で一生をすごそうと思えば、出世に不可欠かもしれませんが、そうでなければ、名刺に「医学博士」の文字が刻める以外のメリットが思いつきません。むしろ現在では、各学会の認定している「専門医」の方が、臨床医としては重要かもしれません。
うちの姪っ子には、「博士(はかせ)になったから何でも知ってるんだよね」なんて言われて逆にプレッシャーをかけられましたが、もちろん医学的なことを何でも知っている人でもなければ、生涯の研究者を意味するものでもありません。正直、大学によっては貴重な収入源でもあり(正式な学位審査料や、大学院授業料での話、裏金ではありません)、よっぽどのへまをしない限り、論文さえ1つ書けば、その論文の程度によらず、審査で落とされることはあまりないのではないでしょうか。
ということで、私みたいなものでも「医学博士」ですから、本屋さんの健康系の書棚に置いてある医学書籍の著者の肩書きが「医学博士」である場合、内容の鵜呑みには気をつけろという警告を発しておきます(笑and本気)。書籍の著者に、医学博士しか肩書きがない場合、大学病院の教授や大病院の部長医長クラスではないはずで、開業医の先生でなければ、全く臨床をやっていないDrということになります。もちろん全てではありませんが、これら「医学博士」なる方々の書籍には「がんが治った奇跡の治療」とか、「サプリメントがきく」といった根拠の薄い内容のものが多く、我々専門家からみると「有害図書」に指定すべきものもたくさんあるというのが実感です。逆に内容を信じさせるために、ステータスシンボルとしての「医学博士」を名乗っているとも言えましょう。
残念ながら結論としては、「医学博士には気をつけろ」です。テレビに出ている医学博士も怪しい人がいっぱいいます。当然ですが、私にも気をつけてください。
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コメント
同じ誕生日の私がやってまいりました。
まずは「学位取得」おめでとうございます。
そして、遅ればせながら誕生日おめでとうございます。
私は経営学修士(MBA)で、博士にはまだまだ及びません。何とか、お互いの誕生日を日本国民が祝ってくれるよう、ノーベル賞受賞を祈念しております。(今の総理大臣なら、勢いで国民栄誉賞をくれるかもしれませんね。)
ではまた。
投稿: 小島愛一郎 | 2008/12/03 19:05
小島様コメントありがとうございます。
いやいやいや、私が何かできるわけありませんので、小島様だのみの他力本願でなんとか祝日に・・・。
祝日ではありませんが、10年後くらいに、日曜日に当たる日はあります(笑)。ご縁がありましたら、国民の休日と言うことでパーティーでも開きましょうか。
投稿: 彰の介 | 2008/12/03 20:31
本格的にますます寒くなってきましたね お疲れ様です。 御世話になります。18歳の時、自分は、大きな事故で奇跡の生還でした。可愛い・面白画像・動画等で毎日更新中で、自伝ブログも【サラリーマン編】突入してます!12/5:研修:【新卒サラリーマン研修終了に関して:その1】研修編。:ナショ○ル住宅協業大学院研修現場監督研修始まる!・・前妻は「膠原病」(他界)・自分は「脳挫傷」・母は「脳梗塞」(2級障害者)姉(長女)は「小児麻痺」(2級障害者)として誕生し、我が家は障害家族の様・・でも、笑顔・絶やさずに頑張ってます。・・自分は静岡県在住 40歳になりました。 現在は建築現場監督休業してます。ブログは、学生編も終わり、サラリーマン編で書いてます。自分の学生編当ブログにも、当時の写真・面白い・可愛い・画像・動画ありますので、時あれば、楽しんで見てやって下さい。 18歳時、大学合格後・交通事故にて脳挫傷で1ヶ月意識不明・・CT検査(脳の断面レントゲン)では一時は脳が半分に・・ 人からは分かりにくい障害持ち奇跡の復帰!しかし.社会に出て絶えない苦 労ですが、楽観主義で闘ってます!よろしければ、コメント等、いただけたら幸いです。
投稿: 智太郎 | 2008/12/06 10:57