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2009/04/07

芸能人肺結核報道

 ハリセンボンの箕輪はるかさんが、肺結核で入院だそうですね。
 ぜひとも療養につとめて、早期に復帰してほしいと願っております。

 ただ、患者が売れっ子の芸能人ということで、各方面、対応の大変さは並みのものではないと思います。私も職業柄やぶ医者をやっていますから、その大変さを考えると顔面蒼白です。

 対応の大変さとは何のことかといえば、結核患者が出た場合、接触者を洗い出す必要があるわけです。ところが、患者が芸能人で、各地で番組やらライブやらやっていたとすると、接触者数は計り知れません。

 医療機関でも、結核患者が出たとなれば、患者家族、職場・友達などはもちろん、院内の医療従事者も、ほんの少し接触したかもしれないというだけで、レントゲン等の検査を受けることになると思います(そのときの状況によりけりですが)。たとえば、その患者さんと直接会っていなくても、そのとき外来にいたとか、外来に出入りしたという理由でも接触者リストにはいる可能性があります。もちろん入院中の患者さんから結核菌が検出されたとなったらさらに大変なことになります。

 今朝、フジテレビの小倉さんの番組をちょっとだけ見てから出勤したのですが(最後まで見てないのでどうなったのかわかりませんが)、最初にこの肺結核のことが取り上げられていました。その中で、小倉さんが、
 

「現在治るようになってきている病気であるのに、本人の実名公開や、パニックのような報道をしていいのか」

 的な発言がありましたが、残念ながらまったくの認識不足としか言いようがありません。本人と事務所の考え方もあるかとは思いますが、私は実名公開したことは、最悪の事態(結核の大発生)を考えると英断であり、逆に当然かなあとも思えます。

 また東京都に届出があったとき、担当の都の職員は顔面蒼白になったに違いありません。何しろ接触者が尋常な数ではないのですから。だからこそ、電話相談を受け付けている現在の対応も、当たり前というか、それしかしょうがないと思われます。間違っても、パニックの助長とは思えません。

 まあ、新聞の見出し一面にば~んと載せる行為が、いいかどうかはなんとも言えません。上記感染拡大の危険性を考えての報道ならともかく、そんなことはまったく考えてはいないでしょうから。それはただのパニックへのあおりに過ぎないかもしれません。

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コメント

はじめまして。
あわせて読みたいからきました。
個人情報保護法ですが、適応されないケースがあるんですよね。
そのひとつが
「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。」
因みに自分は製薬企業で研究してます。
ではでは。

投稿: ミュジニー | 2009/04/19 20:43

 ミュジニー様、コメントありがとうございます。
 個人情報も大事ですが、さすがに結核となると当然制限されると思われます。感染が蔓延してからでは遅いですから・・・。
 ところで製薬企業の研究に携わっているとのこと、我々やぶでも簡単に病気が治る薬の開発をよろしくお願いいたします。

投稿: 彰の介 | 2009/04/20 09:08

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