マスコミによる「第1号叩き」の罪
なんとなく、今回のインフルエンザ騒動は、マスコミの報道を見る限り収束向かっているようです。というか、マスコミの報道が下火になってきたから、インフルエンザが収束してきているともいえますが・・・。
ところで、今回の騒動で、マスコミの患者叩き?というか「第1号叩き」は度を越えていたと思います。報道することはともかく、叩く必要はありません。もちろん、あおりも必要ありません(「あおる」?「過対策」?どっちなの?インフル報道)。
そんな中、我々・・と言うと語弊があるので、医療関係者たる私が考えたことと言えば、「地域における第1号患者が来ませんように・・」という切なる思いです。まだ私の場合、病院の勤務医ですからいいほうかもしれませんが、開業医の先生の中に、相当に風評被害というのを意識した方は多かったのではないでしょうか。また、今のところ聞いていませんが、医師の中で「感染第1号」にでもなったら、ものすごい吊るし上げを食うことになるでしょう。これは想像を絶するバッシングの嵐になると思われます。
そこで、全くの創造的ファンタジーな話ですが、そのあたりのマスコミ対策を想定し、危機管理体制をとった医療関係者、医療機関、場合によっては自治体?がおそらくあっただろうということです。
まあ、その一つの手段が、発熱患者の診療拒否なわけですが(発熱で診療拒否)、そこまでしなくても、怪しい患者に、インフルエンザの検査をしなければいいだけの話です。インフルエンザの検査さえしなければ、新型インフルエンザは発生しません。発生さえしなければ、吊るし上げや、風評被害は出ないわけです。特に弱毒とわかってからを考えれば、人命にかかわる話でもありません。ほんの数年前まで、インフルエンザの薬なんてなかったわけですし、まじめに対応すれば損をしそうだと考えることは想像に硬くありません。
さらにファンタジーな話を考えれば、自治体レベルで新型陽性を握りつぶしたところはなかったのでしょうか。都市部はもちろん、田舎でも観光地などで発生すれば、その風評被害ははかりしれませんから。握りつぶしはひどい想像かもしれませんが、まじめに検査し検体を送ってくる普通の医師を、煙たく思っていた自治体はあったかもしれません。上でも書いたとおり、検査さえしなければ、新型は発生しないのですから・・・。
まあ、日本はともかく、隣の大国あたりは、握りつぶしているか、あるいは途中で検査をやめてしまったのではないかと考えている、私、彰の介でございます。
上記の話は、私の勝手な想像で、なんの根拠もありませんが、マスコミの報道のあり方への警告とだけ受け取っていただければ幸いです。とにかく、第1号はごめんこうむりたいというのは、私の中では本音中の本音です。残念ながら、私の勤める病院では、今回のインフル対策がマニュアル化されているため、なかなか自分だけの一存で逃げ切れるものではありませんが、まあ運が悪かったと考えるしかありませんか。
今後、強毒で伝染力の強い病原体が発生したとき、今回のような報道の問題ごときで、対策が後手後手に回りでもしたら最悪と言わねばなりません。というか、今回弱毒で、政府の初期対応がやりすぎとの批判もあり、「まじめな対応は損するだけだ」というのが今回の教訓だとすれば、これまた最悪です。
そしてこの秋、街中で何かが起きていても、誰も何も言い出さないかもしれません。そして、誰かが「第1号」のリスクをとって語り始めたとき、すでに日本中で新・新型が蔓延していたとしても、不思議ではありません・・・。
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コメント
すぐ隣町に、新型インフルエンザが来ているので、毎日がどきどきなのですが、あまり過剰に構えても逆効果なので、無防備すぎるのですが、マスクの着用はしていません(^-^;
ここでいったん収束後に、秋口に来るだろう第2波が、どの経度のものになるかを見極めることが重要となるでしょうし、南半球では、まさにこれから流行せんとしているなどの情報もありますので、油断はできないですが。
投稿: demecchi | 2009/06/07 16:16
でめ様、コメントありがとうございます。
上記文章通り、私は、私自身がかかることに戦々恐々としております。まったく役立たずのダメ医者ですが・・・。
何しろ、相手は見えませんので、基本的な手洗い、うがいといったことを習慣にすることが最善の策かと思います。意外に多くの人が、すでに免疫を持ったかもしれませんが・・・。無作isベスト・・・。
投稿: 彰の介 | 2009/06/07 18:18