学生帽と安全タスキ
現在、中学や高校の校則、服装の指導というのはどの程度厳しいのでしょうか。まあ、昔よりは自由な方向に進んでいるのでしょうか。
私の若かりし高校時代、あれこれ20年近くも前の話になってしまいましたが、まだまだ「校則」なるものが生徒と教師との軋轢を生んでいる時代でした。
例えば学生帽。まあこの時代、この年頃、この学生帽は正直かっこう悪いものとされていました。ですから、誰もかぶっていませんでしたが、かぶっていないと先生にしかられるので、学校の校門が近くなったらかぶる、学校から帰るときだけかぶる(離れれば脱ぐ)というのが常でした。
しかし、そんなことは先生方に当然ながらバレバレです。生徒指導などの先生が何とかして生徒に学生帽をかぶらせようとするのですが、ますますかぶらなくなるばかりです。そんなおりもおり、全校集会の場で、生徒指導の先生が、ついに禁じ手の一手を繰り出してしまいました。
「ちゃんと学生帽をかぶらなければダメだ!!。かぶっていれば、転んだ時に少しでも頭にケガをしなくてすむんだから!!」
あーあ、言っちゃった!。全校集会大爆笑で、生徒指導の先生が赤っ恥をかいたのは言うまでもありません。学生帽はヘルメット代わりですか・・・、だったら普通にヘルメットのほうが理にかなってますね。もちろんヘルメットを強制されても、誰もかぶらなかったと思いますが。まあ、先生も学生帽をかぶらなければいけない正当な理由を持ち合わせていなかったことがはっきりしてしまった瞬間でした。使い古された言葉ですが、「高校生らしく・・・」なんて言葉の方が、まだよかったかもしれません。もちろん、学生を納得させる言葉でないことは明らかですが。
時代はもう少しさかのぼって、私の中学時代。あれこれ20数年前のお話。私の通っていた中学は、いわゆる普通の学生服登校だったわけですが、なぜか、学生服に、蛍光の布が縫い付けてある、黄色い安全タスキを肩からかけることが義務化されていました。
当時、大変まじめで、先生の言うことは絶対であった私は、ちゃんとこの安全タスキをかけて登校していたわけですが、ちょっと大人びるこの頃、このタスキがかっこ悪くて、かけていない生徒は結構いました。これも、先生の目が届く範囲内のみかけて後ははずすというパターンだったと思います。
これもまた、生徒指導なる先生が生徒に注意するわけですが、この安全タスキは学生帽のケガ防止とは比ぶべくもない重要な機能があり、かけることの正当化はたやすいものでした。すなわち、学生服は黒いため、日が暮れれば真っ暗で、自動車などから発見されにくく大変危険であり、蛍光が反射するこの黄色いタスキをかけていれば安全であるという大義名分です。全校集会などで、それらの説明がされたかどうか忘れましたが、「タスキをしなければ危険で、交通事故に巻き込まれかねない」ということは繰り返し聞かされていたと思います。
しかし、しかしです。当時は、このタスキに全く疑問を持ちませんでしたが、今更のように20数年の月日がたった今になって、ふつふつとある疑問が沸きあがってきました。あの頃に戻れるのなら、先生たちにその疑問をぶつけてみたかったですね。実に残念です。
「学生服は真っ黒だから、夜は危険なんですよね。だから安全のために黄色いタスキをかけろと言われるのですよね・・・・、おや??、だとしたら、先生方は、なぜそんなに危険な、真っ黒の学生服を我々生徒に着させるのですか??」
多分私の疑問は正論だと思われます(笑)。本気で生徒を守りたいのであれば、タスキではなく、真っ黒の学生服を蛍光色に変えるとか(大笑)、この危険を作り出す元凶を何とかしなければならないと考えるべきでしょう。タスキをしろしろと注意するわけですが、ちょっと視点を変えて考えてみれば、このいかにもありそうな大義名分も、実に怪しいものだと感じざるを得ませんね。
時々地元に帰り、私たちの後輩たちの登下校の様子を見ると、学生服ではない子供たちをよく見ます。体育の授業用のジャージ姿が多いようです。いつの間にか学生服の登下校、ましてやタスキの義務化はなくなってしまったのでしょう。まあ、ただ単に時代が変わってしまっただけなのでしょうが、まさかこれが、学生服の危険性に気づいた先生方の考えだったら、拍手喝さいといきたいところですが・・・。ありえませんね。
と言うことで、前回のエントリーで、「駐禁症候群」なる言葉を勝手に作ってしまいましたが、今回の逸話になぞらえて「安全タスキ症候群」なる言葉もできそうです。いかにもありそうな大義名分も視点を変えれば、全く名分の体をなしていない・・・まあそんな感じでしょうか。いずれ使うかも・・・。ということで、懐かしき学生時代を思い出してみました。
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