総論各論マジック2
連休をぼーっと過ごした私です。人出の多い時期には外に出ない主義ですので・・・。
今回は、前回の続きで、総論各論を使い分けて、批判上手になろう・・・、もとい、総論各論を上手に使った批判に気をつけろの第二弾、「総論を各論で批判する」について理屈っぽく屁理屈こねます。
連休といえば、春の(秋も)大型連休の分散化という話題が一時ニュースにでました。分散化というのは、各地域で分散化するという案ですね。日本を5つのブロックに分けて、日本全国一斉ではなく、分散して休みを取ろうということのようです。職業柄やぶ医者をやっている私は、あまりカレンダー通りに休みが取れませんので、いい案なのか悪い案なのかわかりませんが、まあ、いろいろと賛否両論あるようです。
ちょうど私が語ろうとする「総論各論」の例として、いい記事がありましたのでリンクしておきます(連休分散化より有給完全取得の義務付けが先だ)。ぜひ一読していただきたいのですが、一見全く普通の批判記事(休日分散化案に対する)ですが、これこそ私が言いたい典型的な批判テクニックを使った記事と言えるかもしれません。こういうプロの方の記事を批判する立場にない私が、批判的にこの記事をとらえるのは実に問題ですが、このブログが、ネットの片隅で独りごちているということで何とか許してもらえないでしょうか・・・。また、すべての中身がおかしいと言っているわけではないのであしあからず。
まず、休日分散化の目的、すなわち総論について、この記事によると、
年末年始や盆暮れ、GWに客が集中している観光地や交通機関の需要を平準化
させることが目的としています。それによって、観光振興や内需拡大につなげようということらしいのです。そして、この記事では、この総論に対して批判するわけですが、いみじくも、小見出しには「総論賛成、各論問題」として、各論問題が述べられています。まず、商工会議所会頭、経済同友会代表幹事なる方のコメントで、休日の分散化によって、全国の企業のネットワークがバラバラになることの懸念が述べられ、記事著者の意見としても、
地域をまたぐ仕事はシステムを変更するだけでも膨大なコストと時間がかかるし、仮にこれが実現できても効率が落ちる
と批判しています。さらに、
・大企業が休みになることで中小企業に仕事のしわ寄せがいくかもしれない
・運輸業者は他のブロックの顧客に納品するために休みを取ることはできない
・単身赴任者や遠方に住む家族や友人と旅行に出かけるのは難しくなる
・勤務地や通学先で家族の休みがバラバラになる
・全国規模のスポーツ大会の開催日にも影響が出る
・「憲法記念日」など、それぞれに歴史的、文化的な意味のある休日を一概に平準化してしまうことへの抵抗や批判もある
とまあ、各論での批判が並んでいます。一つ一つの各論は、確かにごもっともという内容です。こういう記事を読むと確かに、デメリットが多すぎて、こんな制度はダメだこりゃと思うわけです。
ところで、総論について、著者はどう考えているのでしょうか。残念ながら、直接的に、総論に対する意見は書いてありません。しいていえば、「企業活動からみてマイナス面が大きい」とし、前段のように莫大なコスト云々によって総論を批判しているようです。また、上記各論による批判を書き連ねて、デメリットが多すぎるから、総論反対ともとれるでしょう。
で、結局のところ、総論、すなわち、この休日分散化のメリットについての、評価というのが、全くないわけです。素人的には、この総論のメリット、例えば交通渋滞が緩和されるメリットや、観光業が分散化で潤うメリットと、この著者の言う、企業の非効率化によるデメリットの差というものが知りたいわけなのですが、総論の評価がないため比べることができません。何となく、莫大なコストという言葉で、ごまかされてしまっています。
それこそ、批判のためだけにこの記事の書き方を批判するのであれば(笑)、「あのひどい交通渋滞に巻き込まれても仕方ないとお考えですか?、交通渋滞がイヤなら、旅行に行くなと言いたいのですか?」と意地悪く書けばいいわけです。著者は何も書いていないので、どう思っているかがわからないわけですから。
ちなみに、後段の各論のオンパレードですが、私的に言うと、あまりに細かい各論過ぎるという印象があります。つまり、「批判の水増し」といえばいいでしょうか。総論反対の材料にするのはいいのですが、しっかりした考察がないと、屁理屈屋の私の格好の批判ネタになります。
例えば、大企業の休みが中小企業のしわ寄せって、別に休日を分散化しようがしまいが、同じだと思いますし、運輸業者も、分散化しようがしまいが、休みなく働かないといけないのは当然でしょう。連休中、とある観光地で、山のように積み上がった、お土産の地方発送の処理を運送会社の方が必死にやっておられました。全国規模のスポーツ大会の開催日・・・・、う~ん、実に各論ですが、総論を覆すようなことはないでしょう。はっきり言って何とかなるような・・・。ちなみに、最後の休日の意味的な問題だけは、各論ではなく、総論批判に当たるというのが私の解釈です。
最後に、この記事は、有給休暇の取得率が、日本では低いとして、有給休暇の取得率を上げることで休日分散化の目的、すなわち、内需拡大、観光振興が達成できるとしています。つまり、休日分散化のメリット部分の埋め合わせをすることで、デメリットを浮き上がらせようとということだと思いますが、残念ながら、今回の休日問題と有給休暇取得の話は別問題です。有給休暇の取得率アップを先にすべきだと著者は述べていますが、それが達成されてから分散化しろという意味でないことは明らかですし、分散化と関係なく、取り組んで悪い問題でもありません。分散化、有給休暇のメリット両取りができればそれに越したことはないわけで、別に相反することでも、なんでもありません(これは、別問題を持ち出して問題点をすり替えてしまう駐禁症候群的批判に近いかもしれません)。ちなみに、各論オンパレードの中に、単身赴任などで家族がバラバラだと、休みがずれるとの話がありましたが、これを有給休暇取得で補うという彰の介案はどうでしょう。一石二鳥では?。
正直言えば、私を含め、休日に休めない職業の人は世の中にたくさんいると思うのですが、そういう方々はもともと家族と休みがずれているわけで、上記批判も各論中の各論だなあと思っていたわけですが・・・。
ちなみに、こういう記事を書くと、私が休日分散化賛成なのか?と思われるかもしれませんが、一応、総論賛成です(笑)。コスト云々、経済効果云々なんていう話は素人にはわかりません。一つ言えることは、やってもいないのに、本当に問題かどうかは、おそらく誰にもわからないと思うことです。例えば、今まで休日が分散化されており、急に全国一斉長期休暇にしようという話になれば、「交通渋滞がひどくなるのではないか、長期にわたって企業活動が停止され効率が下がるのではないか、中小企業にしわ寄せが行くのではないか・・・」な~んていう批判がされるのでしょうから。
この記事の著者は批判的材料としてとらえていますが、私の考えは、経団連会長の意見と同じかもしれません。御手洗会長の言葉を要約すると、
地域の活性化や観光業の雇用平準化には意義があるが、企業の生産活動に影響もあり、各論では解決すべき問題が多い
おそらく、著者の意見も、総論には意味があるが、各論に問題が多いと要約できると思うのですが、いつの間にか総論反対になっているわけです。不思議ですね。各論の問題点を一つ一つ解決しようという気はないわけで、面倒くさいからやめようと言うことでしょうか。まあ、できれば、最初に総論の評価をすべきではないかと思うことと、各論の水増しで、総論批判をすべきでないというのが、私のまとめになりましょうか。
ということで、批判記事にありがちな、各論での総論批判の一例を見ていただきましたが、無論、私の屁理屈に過ぎません。真剣に、この記事の批判をされないようお願い申し上げます・・・。
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