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2010/08/05

紙媒体への価値観2

 前々回、「紙媒体への価値観」という記事を書きました。情報としては、ネットも本も新聞も同じだと思うのですが、すでにネットにある情報と同じ本を作りたい、買いたいと気持ちがなぜか起こってくることや、すでに知っている情報(のはず)を、わざわざ新聞を買って確認するという不思議な行動を起こしてしまうことは、実に不思議・・・という話でした。

 この、ネットの情報と、本や新聞といった紙媒体との大きな違いといえば、基本的に、ネットの情報は「無料」、本や新聞は「有料」という点が挙げられると思います。となると、上記ネットから紙媒体へという行動は、無料から有料への行動とも考えられ、この不況のさなか大変不思議な行動であることは間違いありません。もちろん、この無料の情報が、有料の情報のシェアを食っている現実はあるわけですが、そういった有料から無料へ一辺倒に流れがあるわけでも無いところに不思議な感覚を感じているわけです。

 この不思議さの答えをず~っと考えていたのですが、答えかもしれないあることに気付きました。
 先日、池上彰さんについて記事にしたのですが(池上彰さんの意見発信に注目)、この池上さんの書籍が随分売れているようです。いろいろ著作はあるようですが、中には、テレビ番組(そうだったのか・・・など)の書籍もあるようです。なぜ番組の内容をまとめた書籍が売れるのか、これも、よく考えてみれば不思議なことです。なにしろ、テレビでもうすでに放送してしまった内容なわけですから、なぜあえて本という形で買って内容を確認しなければいけないのかというのは不思議な話です。実はこれも、テレビ番組として見れば「無料」、本として買えば「有料」ということになりますから、上記、ネットから紙媒体という話と同じということになります。

 全く想像に過ぎませんが、テレビの情報をなぜあえて紙媒体で確認するのかという答えは、テレビの情報伝達手段に原因の一つがあると思われます。つまり、テレビというものは、情報を、時間的に、一方的に、視覚と聴覚で我々に伝えるわけです。その情報を伝えている瞬間は実に鮮明ですが、情報としての実物感は花火のようにパッと消えてしまいます。よほど頭のよい方でなければ、番組内容をすべて記憶することはできません。いい番組だったなあと思えば、その記憶を本に託すという意味で、この番組本を買ってみるかと思うことは決して不思議ではないようにも思います。もちろん、もっとわかりやすい例としては、料理番組を見ただけで、砂糖が小さじ何杯で醤油が大さじ何杯で・・・なんてことを記憶することはできないでしょうから、番組の料理本を買ってみようかと思うことはごく普通かもしれません。

 そんなことを考えていると、あまり意識をしていませんでしたが、テレビというのは非常に優れた「無料媒体」だと感じるわけですが、「記憶」ということになると紙媒体にはかないません。もちろん、ドラマや映画となれば、ビデオに撮らないとだめですが、情報番組やそれこそ料理番組などの内容を記録閲覧しようと思えば、ビデオでは明らかに不便で、本にはかなわないのは明らかでしょう。
 そんな例からは少し外れているかもしれませんが、ニュースのたぐいも同じかもしれません。テレビでニュースを見たとしても、もう一度新聞で確認するということは、記憶という意味で無意味な行為ではないのかもしれません。新聞の場合、本と違って、時間がたてば、ちり紙交換(最近こないかも・・・)行きになるわけで、本とはちょっと違うような気もしますが、パッと消えてしまうテレビよりは、情報を記憶するという点で安心感があるのかもしれません(このあたりの考察は明らかに甘いですが・・・)。

 もしかすると、テレビの出現によって、決して紙媒体が無くならなかった理由は、テレビの情報と、紙媒体の情報が、それぞれ相補う関係にあったからかもしれません。もちろん、それぞれが食い合ったところもあったのでしょうが、「無料」で配信された情報を「有料」の紙媒体で補うという蜜月関係??は、ネットの登場まではさほど問題にならなかったのでしょう。

 私は前々回、ネットから紙媒体への動きがあるということを書いたのですが、おそらく、ネットの情報というものが、今のところ「本」等と比べて記憶としての安心感や利便性がないため、有料であっても本が買いたいという発想になるのかなあと今回考えたわけです。つまり、テレビの情報を補う本のように、ネットの情報を補う本という関係です。
 しかし、実際には、ネットの情報というのは、テレビと比べれば、遙かに紙媒体によく似ています。文字の羅列が多いですし、一瞬で消えていくこともありません。つまり、ネットから紙媒体という流れよりも、実はテレビ等の情報を補う役目を、紙媒体から奪っている流れの方が遙かに大きいのではないかとも考えるわけです。すなわち、これは「無料」から「無料」への流れということになります。今後電子書籍が普及すれば、それ自体無料ではないでしょうが、音楽コンテンツと同じように、安価に配信されることは明かです。およそ、「無料」から「無料」の流れと考えてもいいかもしれません。

 こういう、紙媒体がネットに置き換わってしまうかのような話は、大昔からあるわけですが、実際そうなっていくのかならないのか、それはいいことなのか悪いことなのか、そのあたりを解く鍵の一つが、この「無料」から「無料」への流れを考察することにあると思われます。
 
 ということで、そのとっかかりとして、テレビと同じ無料媒体であるこのネット世界の「無料」について、今後考えを書いていきたいと思います。たぶん・・・。

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