マニュアル人間な世の中
私はお金持ちなので(笑)、数ヶ月前に、ゆえあって某金持ちカードを持つことになりました。まあ、持つだけで、大金使わなければ問題はないということで・・・。
そのカード会社?を使って、とある人気旅館を電話で予約しようとしたのですが、この時、金持ちカードだけに対応もいいだろうと思ったのが大間違い、とんだマニュアル人間に遭遇してしまったというお話です。
以下電話でのオペレーターとのやりとり(言葉の一言一句まで覚えていませんので、あえてかなり脚色してその場の雰囲気をつくっています)
私 「今度旅行で○○旅館に泊まりたいのですが、人気があると聞いていますので、とりあえず今の時点で空いているかいないかだけ教えていただきたいのですが」オペレーター(以下オ)「最初に本人確認をさせていただきます・・・」(本人確認省略)
これがまた、丁寧な言葉遣いでそれ自体問題はないのですが、随分ゆっくりとした口調のしゃべり方なんですね。丁寧と言うよりは、馬鹿丁寧と言うべきでしょうか。まあ、それはともかく、長い本人確認が終わった後・・。
オ「ご旅行のお日にちを教えていただけますでしょうか」私「○月○日か×日を考えているのですが」
オ「何名様のご利用でいらっしゃいますか?」
私「大人2人です」
オ「性別は?」
私「私と妻ですが・・・」
ごく普通の問答かもしれませんが、あくまでオペレーターの口調はゆっっっっっくりで、馬鹿丁寧が続いています。しかし、性別?を聞かれたあたりから何か変だぞ?と思い始めました。
オ「ご予算の方はおいくらぐらいでしょうか」私「予算??、えーと旅行会社のホームページに○○円となっていましたが、それくらいではないのですか?」
オ「「○○円”~”(から)」となっておりまして、その値段ではない可能性もございます。で、ご予算の方は?」
私「・・・・まあ、だいたい○○円くらいで考えていたのですが・・・。とりあえず、空き状況が知りたいので、高くてもいいので空いている部屋を教えてください」
オ「はあ・・。えーと、お泊まりの際のお食事に関しまして、苦手なものやアレルギーはございますでしょうか?」
私「あのー、空き状況が知りたいだけなんですけど、いまそれに答えないとダメですか?」
オ「はあ・・。」
実際の会話ではもう少しいろいろ聞かれていて、ここまでで10分くらいかかったような気がします。本題はとにかく空き部屋確認がしたいだけなのに、そこに話がなかなかいかないので、だんだんいらいらしてきました。が、こうやってゆっくりと、しかも関係あるような無いような話をしてきて、次に今更のようにオペレーターが放った言葉にさすがの私もびっくりしてしまいました。
オ「本日はあと10分ほどでこのデスクは終了いたしますので、本日は空き部屋状況に関しましてお答えすることはできません。」私「えー!!!。まだ時間内なのだから、調べてもらえませんか?」
オ「大変申し訳ありませんが、本デスクは○時で閉鎖されますので、明日お答えすることしかできません。」
今までゆっくりと馬鹿丁寧に余計なことをしゃべっておきながら、すぐには調べられないと、ひょうひょうと、しかも今頃言うかと「カチーン」ときてしまいました。すぐに状況を知りたかった私とちょっとした押し問答になったのですが、結局本日は終了の一点張りでした。
しかも、こちらがやや怒り気味なのは雰囲気でわかると思うのですが、今まで同様のゆっくりとした口調で、丁寧に、極めてマニュアル的に次の言葉が発せられた時は、私もついに怒鳴ってしまいました。
オ「明日お答えいたしますが、明日ご在宅でない時間帯はございますでしょうか?」私「朝からいるから、いつでもいいからかけてこい!!」 「プチ」(電話切る)
まあ、こうして振り返ってみると、このオペレーターは対応はともかく、目的が達成できなかった私がただ切れただけと思えなくもありませんが(笑)、最低限、時間内に受けたことは、その日のうちに答えなければいけないだろうと思うことと、答えられないのであれば、一番最初にその旨伝えるべきだろうと思った次第です。そして何よりも、オペレーターの対応が、最初から最後までおそらく100点満点のマニュアル通りで、こちらが何を聞きたいのか、何を求めているのかを理解したうえで対応していないというのが最大の問題でしょう。さらにこのオペレーターは、私が怒っていることを察知して、いかにも申し訳なさそうに「明日しか答えられない」と言えばいいのに、全く口調が変わらず淡々とマニュアルの台詞を話していましたから、たぶん怒っていることすら理解できなかったのでしょう。
まあ要するに、精巧なマニュアルを作ったとしてもそれを使いこなす人間がいなければ意味がないというわけです。しかも、金持ちカードのくせにこれですから、私のような偽物はともかく、本物のお金持ちの皆さんがこのサービスで納得しているのでしょうかね?。
ちなみにこのオペレーターが仕事場の同僚?先輩?上司?に事の次第を話したのかどうか、30分後に再度電話がかかってきて、旅館の空き状況について答えていただきました。やればできるじゃんと思わなくもありませんが、私のせいで残業させて、申し訳ありません。○時に閉鎖するはずだったのにねえ・・・。
先日職場の面接官をする機会があったのですが、就職活動をする若者から発せられる言葉も極めてマニュアル的な言葉が多かったような気がします。あれでは全くアピールになりません。むしろ、マニュアル外しをした方が面接官の心をくすぐるような気がするのですが、あくまで平均点狙いというのが世の風潮なのでしょうか?。というか、マニュアルが存在するということは、そのマニュアルに沿って合格させている職場が多いということで、それはまたそれで「マニュアル企業がマニュアル社員を就職させている」という、いとおかしな世の中と言えるかもしれませんが。
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コメント
私はいつも決まったファミレスで打ち合わせ等をします。ファミレスは最たるマニュアル路線。
ただ、何度も通っているので、何も言わなくとも個室へ案内され、「いつものを」と言えば、「かしこまりました」と回答がありコーヒーが。
マニュアルは必要ですが、マニュアル人間になるかならないかは、やはり個々の実力かなと思います。
投稿: 小島愛一郎 | 2010/08/20 16:58
小島様、コメントありがとうございます。
私も、マニュアルというのは使いこなす力あってのものだと感じます。つまり、マニュアル通りに対応すれば安全という勘違いがあるのかもしれません。しかしむしろマニュアルを使いこなさないと、安全度どころか不快を与える場合があるということなのでしょう。
ところで、とんちんかんなことかもしれませんが、ファミレスの打ち合わせはマニュアル路線なんですか?。
投稿: 彰の介 | 2010/08/20 19:41
>とんちんかんなことかもしれませんが、ファミレスの打ち合わせはマニュアル路線なんですか?。
今一つ、仰っている意味が分からないのですが、当社は造園・建設関連の仕事です。社員は真夏・真冬、いずれも現場で頑張ってくれています。よって、私の部屋も極力、冷房・暖房を使いません。例えば、社長だけ涼しい部屋で仕事というのは社員にとって違和感があると思いますので。
ということで、お客様とは冷暖房が効いているファミレスで打ち合わせが多いということです。
投稿: 小島愛一郎 | 2010/08/22 11:57
小島様、マニュアル路線というのは、例えば、何かの本に「他社との打ち合わせは冷暖房の効いたファミレスを使うのがが基本」等と書いてあって、それをそのまま受け取ってその通りに実行することを言うと思います。
そういう、マニュアル本がなくて、或いはあったとしても、ご自身で考えられ、ご自身の信念で正しいと判断され、そうされているのであれば、それはマニュアル路線ではないと思います。信念に基づく行いと言えると思います。
私は、そういう打ち合わせを経験したことがないため、(打ち合わせはファミレスという)マニュアルが存在するのかが聞きたかったと言うわけです。
投稿: 彰の介 | 2010/08/24 00:03
面白く、笑いを誘い、やがて深く考えさせられる話です。
前にNHKでやってたTVドラマ「男たちの旅路」の、いちエピソードを思い出しました。
警備員が自分の職掌範囲外だからということで巡回中に聞いた悲鳴を確かめずに捨て置いたところ、連続婦女暴行事件のものであった事が判明しますが、当の警備員は勤務する施設の外であったから自分の責任ではない。不可抗力だ、と抗弁します。
施設側はその説明を受け入れお咎めは無し。
彼は「生き生きと仕事がしたい。」というのをモットーにする男でした。
すると上司の鶴田浩二が、
「バカヤロー!仕事をはみ出す位でなきゃ生き生きとした仕事なんか出来るか!なぜ職掌範囲などと考えた!悲鳴を聞いたら何かあったのかと、どこでも駆けつけるのが人間だ。困ってる人を放って置くのは人間じゃない!生き生きと仕事をしたいというお前は、そんなバカヤローだったのか!」
と怒鳴りつけます。まあ、このドラマは要所要所で鶴田浩二が説教をするドラマなのですが。
投稿: 青木洋一 | 2010/09/23 13:41
青木様、コメントありがとうございます。(返事遅くなりました。すみません。)マニュアル人間とよく似た話で、自分の管轄外は何もしない人というのは結構多いと思いますね。
中学の時の先生が、「廊下が汚れていたら誰が掃除をするのか?」と我々生徒に問いかけたことがあります。「廊下掃除の当番がするのか?その日の日直がするのか?美化委員がするのか?学級委員がするのか?・・・・」その先生の答えは「見つけた人間が掃除をすればいい」というものでした。言われた当時は意味がよくわかっていませんでしたが、今となっては私の人生にとって重要な一言だったと感じています。
投稿: 彰の介 | 2010/09/29 15:38