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2011/10/20

命めぐる水辺 針江生水の郷(1)

 琵琶湖一周の旅を逆に辿るシリーズの第4弾、湧き水のあふれる里山、高島市針江地区の見学に行ったお話です。

 なぜ今回、夏休みに琵琶湖に行くことになったのかは全くもってわかりませんが(妻の専権事項なので)、琵琶湖と聞いて私が妻に一つだけリクエストしたのが、彦根城でも竹生島でもなく「川端(かばた)を見に行きたい」というものでした。つまらそう、行きたくない・・・と却下されるかなあと心配していましたが、意外にも妻から「行こう」と快諾を得ました。

 今を去ること7年も前になるのですが、NHK大好き、自然大好きの私が、特に見るつもりもなかったとあるNHKの番組を見てしまったことが今回の出発点です。それが、NHKスペシャル 映像詩 里山 命めぐる水辺という番組だったのです。これを見て以降、この番組で取り上げられた町へ一度は行きたいという気持ちをずっと持ち続けておりました。オンデマンドのページをリンクしましたので、ご興味のある方はぜひ番組をご覧ください(有料ですけど・・)。

 滋賀県高島市の針江地区というところですが、地下水脈が豊富で、琵琶湖にぶつかる圧力のために、管を地下に差し入れれば、大変きれいな湧き水が自噴してくるようです。町には水路(といっていいのやら?)が各家庭に張り巡らされ、家庭の湧き水とこの水路をつなぐ「川端(かばた)」という仕組みを作り、飲料水、生活用水として使っているというわけです。町の方の命名なのでしょうか、この水の町のことを「針江生水(しょうず)の郷」と呼んでいます。生きる水、生かされている水という意味とのことです(針江生水の郷委員会のページから、川端の概要もこのページでどうぞ)。

 その大変美しい湧き水と自然のつながり、そして人間の関わりに感動してしまったため、7年の月日をもっても、私の心からその情景を忘れ去らせることはできませんでした。ただ、今回、この町のことをいろいろと下調べしている段階で、意外な?ことがわかってきました。

 それは、そのNHKの番組を見て感動し、この町に行ってみたいと思った人が、私だけではなかったどころか、非常にたくさんいたということです。以下、Wikipediaの引用です(ちょっと改変)

NHKの放送をきっかけとして針江区には多くの観光客が押し寄せることとなったが、もともと針江区は観光地ではなかったため、多くの問題が発生することとなった。最大の問題となったのは、小さな集落の中を突然外部の人間が多数歩き回るようになったため、地区内の住人、特に子供が不安を覚えるようになったことであった。そこで、地区内の有志によってボランティア団体「針江生水の郷委員会(すなえしょうずのさといいんかい)」が設立され、ガイドツアーという形で地区内の川端を案内するようになった。すなわち、川端を観光資源としたエコツーリズムの始まりである。

 川端そのものが、各家の仕組みであって、それを見ようとすると、各家庭に勝手に「おじゃましま~す」っていう感じで見学することになります。これをやっちゃった観光客がいたんですね。といいますか、私自身も、せっかくこの町に行ったとしても、家の川端が見られなければ意味がないとも感じていました。しかし、上記の通り、地区内の有志の方が案内をして、見学O.Kの家庭の川端を見せていただけることを知りました。リンクをつけた針江生水の郷委員会に連絡をして、案内の予約をとりつけました。我々は「川端と街並コース+里山湖畔コース」をお願いしました。

 川端や、この里山で取り組まれている琵琶湖の自然復活プロジェクトについては、次回にするとして、この町に流れる川の様子が下の写真です。

Dscn0047

 川の水は大変美しく、梅花藻などがゆらゆらと揺らめいています。案内の方によると、川の様子を見て「安曇野みた~い!」って感動する人がいるらしいです(NHK派の方でないと何のことかわからないかと思いますが・・・、ちなみにもうカーネーションですけど・・・)、しかし、この川、ただきれいな水が流れているだけではありません。よーくその流れを見てみると、

Dscn0050

 見えるでしょうか。ものすごい数の魚が泳いでいます(クリックすると拡大します)。写っている魚はすべてアユです。琵琶湖産なので小ぶりです。これも案内の方に、勝手に捕まえていいのか?尋ねてみたのですが、問題はないようです。つまり、漁業権問題はないんですね。一日遊漁券とかも存在しないようです(本当かどうかわかりませんけど)。各家の脇には、小さな水路が走っていますが(場所によっては本当に小さな水路です)、この水路もアユでいっぱいでした。ちなみにこの小さな水路にはサワガニも住んでいました。カワニナもたくさんいて、初夏にはホタルが舞うとのお話でした。

Dscn0051

 上の写真、夏休みには子ども達の遊び場になるところだそうです。右手の階段状のところから川に降りて、川下りをするらしいのですが、想像しただけで楽しそうです。案内の方が「この川で子どもが遊ぶ」ということをしきりに繰り替えされるので、「大人は遊んではダメですか?」と聞いてみましたが返事がありませんでした・・・。TVの取材で芸能人(大人)が川下りをしていったようですが、基本的に昭和生まれはおとなしくして、遊び場を子どもに譲らないとダメなようです。でも私は遊びたい・・・。アユつかみしたい・・・。

Dscn0053

 川ではないですが、水路には鯉が飼ってあります。この鯉のおそうじパワーによって水路をきれいに保っているとのことでした。ちなみに上のリンクでも見られると思いますが、川端の中にもたいてい鯉が飼ってあって、家庭の食事の後片付けをしてくれるとのことです(そのあたりは次回に)。

 ここで勘違いしていけないことは、この町の多くの部分は、いわゆる自然ではないということです。水は勝手に湧き出しているところもあるのでしょうが、基本的に人工的に管を掘り差し込んで自噴させています。梅花藻は美しいですが、ほっておけばドンドン成長して川の流れを止めてしまうため、年何回も刈り取る必要があるとのことです。鯉も自然のものではなく、移入したものです(アユは自然です)。川の護岸は自然に配慮されていますが、人工的に工事されています。

 それは人間が手を加えることで、より美しい自然と共存していると言えばいいのでしょうか。里山も基本的に人工物であり、そしてこの生水の郷も人も手でつくられた人工物です。しかし、逆に人間が関わるこの自然により魅力を感じてしまったのが、この私ということになります。それは間違った自然観ではないと思っていますが、皆様はどうお感じでしょうか。

 正直余生は四万十川のほとりで過ごそうと思っていたのが、急に琵琶湖のほとりが有力候補になったという感じです。ということで、この続き、川端の様子と、自然復帰の取り組みについて、次回を期待せずお持ちください・・・。

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