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2013/02/25

新平等主義 「バカにバカと言える社会」-①-

 変なタイトルになんだこりゃ?と思われた方は、新平等主義 「バカにバカと言える社会」-序-をお読み下さい。

 もちろん、前回の序を読んでいただいても、何を言おうとしているのか、何のために書き始めているのか、見当もつかないかと思います。基本的には、新自由主義による、格差社会について考察したということなのですが、私自身、格差社会について真剣に考えたこともなく、失業なんてものについて考えたこともありませんでした。そんなこんなを考えながら、これを書き始めたということなのですが・・・。(以下本文)

 平等ということについて、例を挙げてみます。
 例えば、江戸時代の日本(あくまで一般論)。将軍家や藩主の子として生まれれば、とくに努力しなくとも特権階級となります。お殿様ではなくとも、江戸時代の身分制度で言えば、武士に生まれれば勝ち組、すなわち搾取する側であり、百姓に生まれれば負け組すなわち搾取される側となります。武士に生まれれば、幕府や藩の運営を担うことになるのでしょうが、その才能が絶対に備わっている保証はありません。ただただ血統が全てということになり、身分を超えて出世するということは、基本的にありえません。いくら努力しても無駄ということになります。

 無論、江戸時代の統治に関して、血統が無視できないことは言うまでもありませんが、基本的に、生まれながらに努力無しにその人の未来の階級、役割が決まる状態を、平等とは言いません。
 では、身分制度がなくなり、すなわち、人間の役割を血統で決められることが無くなり、身分的に平等な社会になったとしましょう。そして、その社会において、全ての人が本当の意味で平等だと言えるのでしょうか。

 そんな状況を、現代社会において一般に平等と呼んでいるわけですが、新自由主義が提唱している、ルールのほとんど無い、市場原理に基づいた社会に人々が放り込まれると、実は、決して平等とは言えないというのが、私の考える新平等主義の考え方です。なぜならば、単純に言えば、その人の能力によって与えられる役割が決まるのですから、生まれ持って高い能力を持っている人間が明らかに優位だからです。

 高い能力、例えば、「頭がいい」という能力。これは本人の努力で獲得したものではなく、生まれながらに持っていたものです。両親から遺伝的に受け継いだもの、或は突然変異的に獲得したものですから、本人の努力とは関係ありません。

 「頭がいい」、という能力について、それは努力して勉強することで上昇するのではないかと考える方もいるかもしれません。努力をして、後天的に知識や問題解決能力を獲得したのであれば、それは先天的な獲得ではないのではないかということですね。

 しかしこう言っては何ですが、残念ながら、生まれ持った「頭のよさ」というのは差があるのが現実です。これはどなたも感じることでしょう。
 もう一つ言うと、努力して、一生懸命勉強して知識や問題解決能力を獲得するというのは確かに後天的な付け足しではあるのですが、残念ながら、「努力できる」という能力も、ある程度生まれながらに差があると言わざるをえません。したがって、もともと「頭がいい」という能力を持っていることと、さらに、「努力できる」という能力を先天的に持っている人間こそ、生まれながらにして圧倒的に優位な状況に立つことができるのが現代社会であり、さらに新自由主義が唱える社会であれば、それはより鮮明に際立つことになるのです。

 要するに、身分制度のある時代から、身分制度の無い時代に変わったとしても、それは、純粋な血統から、「能力」という結局先天的なもので決定する階級社会になっただけだと言いたいわけです。

 しかしそれはあまりにも無味乾燥的な考え方であるが故に、現代社会ではそんな明らかな事実を何となく覆い隠し、「努力する者が報われる社会」であるということ社会通念とし、それこそが人間本来の姿なのだと信じ込まされています。努力することはすばらしいこと、美しいこととされています。

 ただ、この「努力する者が報われる社会」という言葉が大変曲者で、これを利用しているのが新自由主義者なのですが、それは今後お話しいたします。
 おそらく、本日の話の展開では、「それを言っちゃあ、夢も希望もないじゃないか」と思われた方がほとんどだと思いますので、夢を崩さないように、徐々に話を進めたいと思います。

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