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2014/07/24

人間相対性理論(医学と町工場と職人の曖昧)

 前回(人間相対性理論(医学と料理人の曖昧))、絶対的で適切な答えがあるはずだ・・・として考えられている、今の医学の傾向に、刺客を送られるのではないかということを恐れつつ、ちょっと反旗を翻してみました。説明として料理をあげてみましたが、私の意見に賛同いただけるものなのかどうかはわかりませんが。

 私自身は、医学という科学を、相対的で曖昧な学問と捉えているところがあります。ただ、そういう態度一辺倒でいるのは実に危険なことで、時に冷や汗をかくことがあります。若い先生方に、経験則から医学的な説明をすると、「それは、エビデンス(証拠)のある話なのですか?」等と言われて答えに窮することがあるのです。怖いですね。

 一応、私の感覚では、そのエビデンスとやらが「NHKの今日の料理のレシピ」で、私の経験則が、有名シェフの「さじ加減」というつもりで、えらそうに話しているのですが、なかなか、そういう価値観を持っている医師は少なく、私の独りよがりな考えなのかなあと感じてしまいます。

 そんな私にとって、非常に大好きな言葉が、前回から何度となく使っている言葉である「かん」という言葉です(漢字だと勘ですか?)。この、「かん」という言葉がよく出てくるのが、町工場の名工と呼ばれる方々や、職人さんたちです。よくテレビで、この名工と呼ばれる方々の作業の様子を映していますが、例えば1000分の1ミリだけ金属を削るなんていう神業についてどうやっているのかと聞かれると、「“かん”だね」なんて答えているわけです。極めて私好みの答えです。

 これも、右手の握力を何Kg、左手の角度を何度にして、ちょっとアレして、こっちをコレして、何秒間研磨すれば、何ミリ削れる・・・ということを絶対的なデータとしてマニュアル化出来るのかもしれません・・・、が、もちろんそんな説明はとても無理だから、「“かん”だね」という話になるのでしょう。いわゆる、「体が覚えている」という話ですね。「習うより慣れろ」という言葉もありますが、仮にマニュアル化出来たとして、それをいくら読み込んでも、体が覚えていない人間がまねできない作業であるということは言うまでもありません。

 また、1000分の1ミリをわざわざ削る話と同じですが、その手間を惜しまない作業ぶりには本当に感嘆します。最後の一手間で、ぴたりと刃先を合わせたり、寸分狂わず組み立てたりする様は、感動以外の何ものでもありません。その一手間が無くても製品としては使えると思いますが、「自分にしか作れない」という職人魂が、それを許さないのでしょう。

 そんな町工場や各種職人さんの超絶的な技術や丁寧さ、アイデアが、最近見直されつつあるわけですが、まさにこれは絶対的なマニュアル化や機械化が出来るような世界ではなく、極めて曖昧な「職人のかん」に支えられた世界です。しかし、おそらく日本が世界に誇るであろう、これらの技術も、グローバル化という経済の流れに、徐々に絶滅への道をたどっていると聞いたことがあります。確かにテレビで映される名工は、どの方も高齢で、後継者がいないという工場も少なくありません。完成度が極めて高く値段が高い物よりも、安くてそこそこのものがよく売れる時代になってしまったということが原因なのでしょうか。大企業が潰れないよう政策をとるのと同様に、中小企業の技術の継承も大事だと思うのですが、そちらの関心は薄いのでしょうか。

 どうしてそんな話をしているかと言えば、そんな町工場の超絶技術ではないにしても、身の回りの「もの」の質が随分落ちているなあと感じざるを得ないからです。
 先日も卓上扇風機(手のひらサイズの小型扇風機)なる商品をとある場所で景品としてゲットしたのですが、とてもではありませんが、使える代物ではありませんでした。確かに今時っぽく、電源はUSBでとる形式で、電池やコンセントにつなぐ必要はありません。パソコンをしながら、涼やかな風が少しでも吹けばいいのかなあとは思ったのですが・・・。

 残念ながら、その扇風機、非常に音がうるさいのです。外箱には静音っぽい表示がしてありましたが、大嘘でした。また全くダメなのが、ファンが回ると、固定できずに動き出してしまうことです。これでは、使いものになりません。さらに致命的なのが・・・、ぜんぜん風を感じられないのです。一体この商品を作った会社というのは、何を作ったのでしょうか。風がこなければ何の意味もありません。大変もったいない話ではありますが、即ゴミ箱行きとなった次第です。

 あと、最近感じているのが、延長式のコンセントのできの悪さです。どこのできが悪いかといえば、プラグを差し込む時にさくっと差し込めないことです。何となく引っかかり感があるのです。昔はそんなことありませんでしたが、皆様はそう感じませんか。その他、切れないはさみ、ふたがしっくり閉まらない入れ物、等々・・・・そんなこんな、質の悪さを感じることは例を挙げればきりがありません。

 まあ、特に卓上扇風機の話は極端すぎますが、身の回りの多くの物が、多少の使い心地よりも値段を下げることに集中し、職人のかんに頼るような非効率な生産は敬遠され、最後の仕上げの一手間をも省く様になってしまったのでしょう。
 もちろんそれは、経済的な理由が大きいのでしょうが、私的には、「かん」とか「職人魂」とかいう曖昧な世界観を排除するという世の中の流れの結果ではないかとも考えているのです。経済の効率化は世の中の必然的な流れであり、曖昧で相対的な「かん」というものを排除し、「職人技」を必要としない、マニュアル化や、スイッチポンで同じ物ができてくる機械化こそが目指すべき「絶対的世界観」であるという風潮が、この日本にも押し寄せてきているのではないかと感じざるを得ないのです。もちろん、これもバランスの問題であるのは言うまでもありませんが。

 再び、この話を医学に置き換えてみると・・・、経験則による「かん」による診断や治療を排除し、エビデンスとやらに基づいて診療を行えば、質の悪い卓上扇風機のような診断や治療が、そこら中で行われる・・・・おっと、またしても口が滑ってしまいました。いやいやそんなことはありません。医学は科学ですから、科学的データたるエビデンスに基づけば、誤るようなことはありません。ということで、刺客が送られないことを祈るばかりです。
もうちょっと続く・・・。

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