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2016/04/13

目的と手段の混同とガソリンの燃費の話

 言論とは何のためにあるのかと言われれば、より良い目標・目的に向かっていく手段の選択のためという部分があります。しかし、往々にして議論が激しくなると、目標・目的を忘れ、手段のための手段が議論されることもあります。言論をふくめて、我々の個人、社会すべての行動は、常に「目的は何だったのか」というところへ立ち戻る必要があるのかもしれません。

 ちょっと屁理屈的な例を出してみましょう。表題のガソリンの燃費です。どうしても自動車を使わなくてはならない家庭において、少しでも家計を楽にするために、ガソリンの燃費をよくするということは当然考えることでしょう。昨今の自動車には、画面に燃費が表示されるものも少なくありません。ガソリン1リットル当たり何Km走ることができたかが、一目でわかるようになっています。

 一般に、ガソリンの燃費をよくするためにはどうしたらよいかといえば、急発進をしない、無駄に加速しない、できるだけ惰性で走るなどがあげられるでしょうか。私の乗っている自動車も燃費が表示されるため、燃費の上下に一喜一憂している自分に気が付きました。

 そして、ごく当たり前のことなのですが、この燃費を上げるためには、信号のできるだけ少ない大きな道を使うということがあります。裏道のような細かい道を、止まり止まりしながらこちょこちょと運転するよりも、高速道路のような、あるいは高架された国道のような大きな道の方がはるかに燃費の数値は良くなります。ということで、私は無意識のうちに高速道路の無料区間を通勤に使うようになり、行先によっては、200円ほどかかる有料区間を使うようになりました。そして、表示される燃費が上昇するたびに、「家計にやさしいし、エコだなあ・・・」と悦に入っていたのです。

 しかし、ある時、はたと我に返りました。この高速の無料区間、少し通常の通勤道路よりも離れているのです。つまり、大回りしているのです。従って、この道路を使うことで、間違いなく燃費は上がりますが、大回りしている分、実際のガソリンの使用量が減っているのかどうかは全く分からないのです(細かく計算したり、統計を出したりすればわかるのでしょうが)。

 そう、今回の屁理屈的お話において、目的はガソリンの使用量を減らして、ガソリン代を減らすことであったはずなのに、私はその一指標である、燃費を上昇させることに一生懸命だったわけです。燃費がいい=ガソリンの使用量が少ないとは言えません。ましてや、有料区間を使ってしまったら、家計にやさしいも何もあったものではありません。

 もし、ガソリン代を少しでも減らすというということこそが目的であるということをしっかりわかっていれば、近くへの買い物は歩いていくなど、無駄に自動車は使わないという手段も出てきます。燃費というのはあくまで一指標であり、それが目的にかなっているかどうかは、ちゃんと計算して、数字を解釈しないといけないというお話です。

 まあ、屁理屈話といったのは、もっと大きな目的と現実も考えなくてはならないという話です。そもそも、自動車という大きな買い物をした時点で、よほどの長距離を運転しない限り、ガソリン代云々というのは誤差範囲かもしれません。自動車は100万円~するわけですし、さらに燃費をよくするためにハイブリット車を買ったとすると、普通のガソリン車より数十万円くらい高いでしょうか。それをガソリンで元を取ろうとするのは無理があります。また、生活の質を上げるために自動車を買うわけですから、今度はガソリン代に固執して、それこそ重い荷物を抱えて、ある程度の距離を歩き、大変な思いをしながら買い物をすることに意味があるのかないのかも考えなければなりません。そういう意味では、常に目的と手段を総合的に見直す必要性があるという話です。

 人間というものは、しょっちゅう目的と手段を混同してしまいます。そしていつの間にか手段のために意味のない行動をとっていることもあります。小さい話であれば、上記のようなガソリン代と燃費の話、大きな話であれば、世界大戦のような戦争(一体何のために戦っているのかわからなくなっているのに総力戦になってしまう)まであります。そして、言論というのも同じ状況に陥っているのを非常によく見かけます。相手の手段を否定することだけに固執して、肝心の目的の達成のための議論が全く進まない。無理に批判し合うから、それぞれ相手をバカだ、嘘つきだとやり合う・・・。

 そのあたりは、過去に書いてきたとおり、どこまで行っても正しいか間違っているかわからない曖昧論の世界であり、言論の自由の下では、究極的には何でもありというのが私の立場ですが、意見を発信する以上、目的を見失わないようにしましょうというのが本日のまとめになりますか。

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