借金(シャッキン)を正しく理解すること!
相対性理論を聞かされて、それが理解できる人はほとんどいないでしょう。時間が短くなる?空間がゆがむ??、何それ?、空間はゆがんでも空間では??とか素人の枠から出ることはたやすくありません。しかしある意味、借金(シャッキン)の仕組みを理解することは、それ以上に覚悟がいることかもしれません。とにかく常識から抜け出ないと理解できませんが、その常識を覆すことはたやすいことではないのです。何しろ、結構な経済の専門家も、大事なところで間違えていますから・・。
借金(シャッキン)の仕組み、特にたいした秘密はないような気がしますが、そんなことはありません。通常我々は、下の図のような理解をしていると思います。銀行が預金を集めて、その預金(現金)を我々が借りる。以上終了という感じでしょうか。まあこの説明、経済学の右回り左回りで間違いとは言えませんが、この理解では肝心なことが分かりませんし、誤りにも気づきません。
まず、基本的なことをおさらいしましょう。我々が現金を銀行に預けた場合、我々には銀行預金というデジタルなおカネが発行され、現金そのものは銀行のものになるということでした(銀行預金とは何だろう?)。ですから、我々の銀行預金の額はそのままに、銀行の手持ちの現金を他人へ貸すことは可能です。が、銀行手持ちの現金は、そのままでは外に出してはいけないものでした(銀行に預けられた現金の秘密)。必ず、銀行預金の残高を減らす形で世に出る(現金をおろす)必要があるわけです。
と言うことで、私が例えば住宅ローンなどでおカネを借りる(借金シャッキンをする)時の仕組みをお話しします。といいつつ、実際の業務は知りませんので、多少の手順の違いはご了承ください。最も大事な事項、それは銀行が我々に貸してくれるおカネ、それが「銀行預金」であることです。住宅ローンで1000万円銀行から貸してもらえるとしたら、銀行預金を1000万円貸してもらえるのです。つまり、私の通帳に1000万円の印字がされ、銀行預金というデジタルなおカネが私に発行されるのです。決して、現金を直接借りているわけではありません。
そして、銀行はただで我々にお金を貸してくれるのかというともちろんそうではありません。担保などと言い出すとまた話がややこしくなりますが、基本的には私たちが書く、「必ず利息何%、月々何万円ずつ返済します」という借用証書という約束と引き換えに銀行預金を貸してもらえるということになります。ちなみにとっつきにくい話かもしれませんが、この借用証書は銀行にとって、資産となります。何しろその紙切れを持っていると、おカネが振り込まれてきますからね。
ところで、よく世の中の借金(シャッキン)の解説をみていると、その貸し出しはほとんど現金を使って説明されています。貸し出されるおカネは銀行預金であるため、なぜ現金で説明されるのか不明ですし、むしろ理解を妨げています。あくまで現金で支払いが必要だということであれば、ただただ、借りた銀行預金を現金化(銀行預金残高をゼロにして銀行手持ちの現金を受け取る、いわゆる現金をおろす行為、または銀行預金と銀行手持ちの現金を交換する)するだけの話です。
さて問題は、私に発行された住宅ローンの1000万円の銀行預金ですが、一体どこから来たかということです。誰か他人の銀行預金を借りたのでしょうか。いやいや、もし誰かの銀行預金を借りたのであれば、その人の銀行預金が減ってしまうはずです。通常、「誰かに貸したので、あなたの預金は減りました」なんていうアナウンスを聞いたことがありませんし、実際に通帳の残高が減っていたなんていう経験はしていません。現実にこのおカネは誰からも借りていないのです。ではどこから来たのか。答えは、銀行が、新たに銀行預金を発行したのです。ありていの言葉で言えば、銀行が銀行預金というおカネを作り出して貸してくれるのです。わかります?。我々が銀行で借金(シャッキン)すると、銀行がこの世の「銀行預金」というおカネを増やして、我々に貸してくれるのです。こうして借金(シャッキン)によって銀行が銀行預金を増やすことを「信用創造」と呼びますが、英語ではmoney creation まさに貨幣創造と言うのです。
この信用創造については、また詳しくお話しするとして、借金(シャッキン)=おカネの創造、借金=おカネが増える、市中銀行がおカネを作って増やしている、ということを皆様ご存じだったでしょうか。ちなみに、借金の返済というのは、貸してくれていた人にお返しするイメージですが、実際は誰からも借りず、作り出されたものなので、返すわけではないのです。ただ単に、増やした銀行預金の残高を減らすだけです。借金を完済すると言うことは、借りたときに増えた銀行預金が、ゼロに減ると言うことです。借金の返済=おカネが減るってことも、皆様ご存じだったでしょうか。
借金(シャッキン)の仕組みをご理解いただけましたでしょうか。この銀行がかってにおカネを作り出す仕組みを信じることは、私的に、相対性理論の時間が短くなるなどという話よりも信じがたいというイメージでしたが、皆様はいかがでしょう。この仕組みを知っていない方が、全く嘘の情報を垂れ流していることがあるので、注意が必要です。ちなみに、政府が国債を発行して借金(シャッキン)をしても銀行預金は増えます。「家計の預金額を超えると、国債をこれ以上借りられないので破綻する」なんて良く聞きますが、別に家計の預金を借りているわけではなく、新規銀行預金の発行ですから関係ありませんし、国債発行でむしろ預金額は増えるので、家計の預金がどんどん減っていく事なんてあり得ないのです。
ということで、今後も信用創造の話、マネタリーベース、マネーストックの話などいっしょに勉強していきましょう。
かなり前からツイッターに登録しています。あまりつぶやいていませんが。
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