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2019/08/26

銀行預金と日銀当座預金

おカネの話をする時に注意することを2つ掲げておきます。基本的に素人である私がお金の理解を深めるうえで微妙だと感じてきたことですが、

①お金の説明をする時、現金(げんきん)が出てきたら気をつけろ!

②ニワトリが先か卵が先かの議論に深入りしない!

という2点です。おいおい、いままでさんざんに現金を使って説明しているではないかと突っ込まれそうですが、現金に関するややこしい説明を今のところ避けて、普段私たちが普通に使っている感覚で理解できそうな部分に関し、現金を持ち出しています。あまり言いたくはありませんが、現金で説明している方は内容の間違いが多いような気もします。また、どっちが先で、どっちが後だみたいな議論は、むしろおカネの仕組みの理解の妨げになりますので、あまり真剣に考えない方がいいかなあ?(私の力不足以外の何物でもない・・・)と考えている次第です。

さて、現在日本に存在するおカネの種類を大きく2つに分けなさいと言われたら、表題の「銀行預金」と「日銀当座預金」ということになります。えっ?現金は??といわれることを見越して前振りをしておきました。話が複雑になるだけなので、現金は考えません。また、その銀行預金や日銀当座預金はどこから来たんだ?的なニワトリ卵的な議論もしません。そこにあったものとして話を進めます。

復習しておきますが、銀行預金というのは、我々の資産であることは言うまでもありませんが、銀行にとっては、利息を払わなければなりませんから、負債ということになります。一方日銀当座預金というのは、銀行の銀行といわれる、日本銀行の中にある、各銀行の預金口座と考えればわかりやすいでしょうか。我々から預かった現金を日銀に持ち込めば、日銀当座預金の残高が増え、日銀から現金を各銀行が下ろしてこれば、日銀当座預金の残高が減ります。うむむ、現金を説明に持ち込まないといったばかりなのに・・・忘れてください。我々と銀行の関係と同じように、日銀当座預金は各銀行の資産であり、日銀にとっては負債となります。因みに現金紙幣は、本名日本銀行券といい、日本銀行の借用証書です。日本銀行に持ち込まれた現金紙幣は、自分自身に対するの借用証書なのでただの紙切れ、何の価値もありません。

そこで大事なことですが、我々庶民は日本銀行に口座を作ることができません。日本銀行には、銀行や政府(政府預金)しか口座を持つことはできないのです。従って、日銀当座預金というのは、日銀の中で、各銀行間や銀行と政府とのやり取りにしか使われない、日銀の中で閉じているおカネであるということを理解しなくてはなりません。ですから、おなじ「おカネ」という言葉を使っても、また、単位は同じ円であるにもかかわらず、銀行預金を日銀当座預金へ振り込むというようなことは絶対にできません。もちろん逆の日銀当座預金を銀行預金へ振り込むこともできません。

具体的な業務を考えてみましょう。我々は銀行預金の振り込みで、買い物をすることができます。例えば、私がある店で、1万円の買い物をしたとしましょう。また私はA銀行に銀行口座を持ち、お店はB銀行に銀行口座を持っているとしましょう。ということで、A銀行からB銀行へ1万円の振り込みを行います。すると、A銀行にある私の銀行預金残高が1万円減り、B銀行にあるお店の銀行預金残高が1万円増えます。ここまでは理解可能かと思いますが、これではB銀行が負債である銀行預金を1万円分押し付けられたことになってしまいます。そのため、A銀行とB銀行の間で、日銀当座預金のやり取りが裏で行われます。すなわち、A銀行の資産である日銀当座預金1万円がB銀行の日銀当座預金へ振り替えられるのです。A銀行にとっては、負債である私の銀行預金1万円が消えてくれましたが、代わりに日銀内の資産である日銀当座預金1万円がなくなってしまい、プラスマイナスゼロ、B銀行も同じで、負債である銀行預金1万円を押し付けられましたが、資産である日銀当座預金1万を得てプラスマイナスゼロとなります。

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ということで、このおカネの流れを理解していいただいたうえで、出てきそうな疑問が、「おい、現金はどうなんだ!」という話です。現金の話をすると、この銀行預金と、日銀当座預金が交錯するため、このエントリーを間に置きました。次回から、マネタリーベース、マネーストックの話をしていきたいと思います。

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