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2019/09/03

マネタリーベース、マネーストックの理解こそおカネの仕組みの理解!

経済用語に、表題のマネタリーベースマネーストックという言葉があります。日本銀行に解説がありますのでコピペしておきます。(教えて!にちぎん マネタリーベースマネーストック

マネタリーベースとは、「日本銀行が世の中に直接的に供給するお金」のことです。具体的には、市中に出回っているお金である流通現金(「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」)と日銀当座預金の合計値です。 

 

マネーストックとは、「金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量」のことです。具体的には、一般法人、個人、地方公共団体などの通貨保有主体(金融機関・中央政府を除いた経済主体)が保有する通貨(現金通貨や預金通貨など)の残高を集計しています。

ここから、マネタリーベースはMB、マネーストックはMSと表記します。MSには含める預金の種類によってM1M2などの細分化された指標があるようですが、ここでは預金の種類をまとめて「預金通貨」として簡略化します。ということで、日銀の説明を読んで、MBが何か、MSが何かご理解いただけるでしょうか。私は、言葉が難しくてさっぱりわかりません。と言いつつ、解説しますと、MBは日銀が発行したおカネ、MSは銀行が発行したおカネと考えていいでしょう。一般に下のような式で説明されることが多いと思われます。

MB=「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」

MS=「現金通貨」+「預金通貨」

この式もよくわからないので、解説し簡略化してみます。ここで、MBの式にある「日本銀行券」はいわゆるお札のこと、「貨幣」はいわゆるコイン(硬貨)のことなので、「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」=「現金」という言葉で置き換えてみます。また、MSの式にある「現金通貨」も「現金」、「預金通貨」は「銀行預金」という言葉に言い換えてみます。すると、

MB=「現金」+「日銀当座預金」・・・A

MS=「現金」+「銀行預金」・・・B

となります。因みに、この式のこのような簡略化は私オリジナルなので、正式な場で使われないようご注意願います(笑)。ただし、MSの日銀の説明の中に、金融機関・中央政府政府を除いた経済主体が保有する通貨という但し書きがあります。つまり、銀行や政府の保有するおカネはMSから除くという意味です。この際、簡略化のため、政府は省き、さらに問題になるのは現金なので、

MS=「現金(ただし銀行保有の現金を除く)」+「銀行預金」・・・C

と理解しやすくしておきます。まあ、現金は、民間(地方公共団体を含む)が持つか、銀行が持つかしかありませんが、民間が持っている現金を扱うという意味になります。MBの現金は、民間と銀行の双方が持つ現金の総和です。

と、ここまで簡略化すれば、MBが何か、MSが何かご理解いただけますでしょうか・・・。できませんね。上記のMBMSの式を定義ととらえている方も少なくないようです。それぞれの指標の定義として、丸暗記で頭に入れるわけですね。さらに、日銀の説明の中で、MSは銀行が発行したおカネ(金融部門が供給する通貨)としているにもかかわらず、日銀が発行したはず?の現金が含まれているので、よくわからず、ここで思考停止という方も少なくないでしょう。要するに、前回の銀行預金と日銀当座預金の冒頭に書いたように、おカネの説明をする時「現金」が出てきたら気をつけろというやつです。この現金こそが、このMBMSの理解の妨げになっている根本原因になっているというわけです。ということで、MBMSの式は単なる指標の定義ではありません。おカネの仕組みそのものであるということを説明していきます。

MB、MS双方に、「現金」があるからわかりにくいので、この「現金」をこの2つの式から消してしまいましょう。まず、民間にあるすべての現金を全部銀行に預金します。私の財布の中に入っている現金、あなたが庭のどこかにツボを埋めて隠している現金、役所の現金、企業の現金、すべてを銀行に預金するのです。すると、民間保有の現金は、すべて、銀行預金の発行で預金に変わり、現金そのものは銀行の金庫にしまわれます。すると、銀行保有の現金はMSに含まれませんので、

MS=「銀行預金」・・・D

となり、現金が消えます。つまり、MSって何ですか?と聞かれたら、「銀行預金です」と答えればいいのです。この状態で、さらに銀行保有の現金すべて(金庫に入れた現金と元々入れていた現金すべて洗いざらい)を日本銀行に持ち込みます。すると、その現金すべてが、銀行の日銀当座預金に変わります。ということで、めでたくこの世から現金が消えました。少し誤魔化して書きますが、日銀にとっての現金は、前回も書いた通りただの紙切れで価値はありませんので、焼却して消えたのと同義です。ということで、MBの式の現金も消えて

MB=「日銀当座預金」・・・E

となります。ですから、MBって何ですか?と聞かれたら、「日銀当座預金です」と答えればいいのです。さて、この状態で、私が、銀行に行き、「やっぱり現金1万円がほしい」と言ったらどうなるのでしょうか。

その場合、まず銀行は、日銀から現金1万円を引き出します。以前にも説明しましたが、日銀当座預金をおろす形で、銀行は現金を手に入れることができます。つまり、日銀当座預金の残高が1万円減って、現金1万円が銀行の手元に来るわけです。これ、おわかりでしょうか。銀行保有の現金は、日銀に預ければ、日銀当座預金となり、日銀当座預金をおろせば現金となります。すなわち、銀行保有の現金は日銀当座預金と同義(おなじもの)ということになります。ということは、銀行保有の現金は、「日銀当座預金」ですから、上の式EよりMBであることが分かります。だって、MBというのは「日銀当座預金」なんですから。銀行保有の現金はMBです。

さらにこの状態で、私の手元に1万円を届けましょう。そのためには、私の銀行預金を1万円おろせばいいわけです。つまり、私の銀行預金残高が1万円減って、私の元にめでたく1万円札が届きます。こちらもおわかりでしょうか。私の手にしている現金は、銀行にあずければ銀行預金となり、引き出せば現金となります。すなわち、民間保有の現金は、銀行預金と同義(おなじもの)ということになります。ということは、我々の現金は「銀行預金」と同義ですから、上の式Dより、MSであることがわかります。MSというのは「銀行預金」ですからね。加えて、銀行の日銀当座預金の残高も減った状態で変わっていません。銀行保有の時MBだった現金は、銀行預金をおろして我々の手元に届いても、MBであることには変わりません。ということで、民間保有の現金は、MBであり、MSでもあるのです。大事なのでもう一度書きます。民間保有の現金は、MBであり、MSでもあります。

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ここまで来て、もともとのMBMSの説明式を振り返ってみましょう。MB=「現金」+「日銀当座預金」でしたA。銀行保有の現金もMB、民間保有の現金も(つまりこの世のすべての現金が)MBですから、説明に齟齬はありません。ある意味、現金は、日銀当座預金の残高を減らして出てくるので、日銀当座預金の化身と考えてもいいでしょう。ですから、MBは日銀が発行したおカネと説明してもおおよそ間違いではないということになります。

一方、MS=「現金(ただし銀行保有の現金を除く)」+「銀行預金」でしたC。我々のもっている現金も銀行預金をおろして出てくるので、銀行預金の化身と考えてもいいでしょう。銀行預金は、銀行が発行したおカネなので、MSを銀行が発行したおカネという説明をしても間違いではないということになります。現金の中で、銀行保有以外の我々民間保有の現金のみ銀行預金の化身となっていますので、MSの定義にも齟齬はありません。

という、この説明で、おカネの仕組みがある程度理解いただければ幸いですが、余計にわからなくなった方々、さらに私のお勉強にお付き合いください。ご理解いただける方は、過去のエントリーがこの、MBMSの仕組みの中で語られていたということに気づくかもしれません。ということで、少しずつ振り返りながら、話を進めましょう。

 

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